ものづくり補助金平成26年度農業、林業長野県

省力設備導入による作業負担軽減と生産性向上で売上増加・利益向上の実現

有限会社吉澤物産

成果製品化率110%(前年同期比27年12月~28年6月)

この事例のポイント

  • 栽培コンテナ(約10キログラム)の積み上げや下ろしなど体力を要する作業が、高齢者や女性の社員にとって大きな負担になっていた。
  • 生産現場で体力を要する作業に対し、複数の省力化機械をオーダーメイドで開発して作業プロセスに投入した。
  • 製品化率110%(前年同期比27年12月~28年6月)。重労働の作業を自動化したことで、労働者の作業負荷が下がり、作業者を包装工程へ配置転換できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社吉澤物産
所在地長野県 千曲市
業種農業
技術分野機械制御
従業員数28人
資本金500万円
設立1963年

事業の背景

千曲市の有限会社吉澤物産は、昭和35年にキノコづくりに着手し、昭和38年に本格的なエノキダケ栽培の会社として創業した。エノキダケの全国的な量産で価格競争が激しくなったことと、ブナシメジ栽培のほうが働く人にやさしいことから、平成3年からブナシメジ専業に転換した。現在は年間生産量が1千トン以上、売上は3億5千万円を超え、キノコ業界有数の企業として知られる。社員数は25名で、長く勤める女性社員が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能栽培コンテナ(約10キログラム)の積み上げや下ろしなど体力を要する作業が、高齢者や女性の社員にとって大きな負担になっていた。
  • 人手・技能平均年齢の高齢化が進むなかで、作業負担の軽減と生産性向上の両立が大きな課題となっていた。
  • 品質・精度包装工程での計量作業を省略していたため、内容量を厳格に近づけることができず、製品ロスが生じていた。

やったこと

生産現場で体力を要する作業に対し、複数の省力化機械をオーダーメイドで開発して作業プロセスに投入した。ダンボール積み上げ機の導入により、2人が必要だった作業を1人でこなせるようになった。収穫済みの製品を別棟の次工程へ運ぶ搬送ラインと、ブナシメジを袋詰めする包装機を導入して工程を自動化した。省力化で生まれた余剰人員を包装工程へ配置転換し、従来は省略していた計量作業を実施した。

その他ダンボール積み上げ機
加工機ブナシメジカットバラの袋詰包装機
その他収穫済み搬送ライン(別棟次工程への搬送コンベア)

事業の効果

  • 製品化率110%(前年同期比27年12月~28年6月)

重労働の作業を自動化したことで、労働者の作業負荷が下がり、作業者を包装工程へ配置転換できた。包装工程で計量作業を実施したことで内容量を厳格に近づけ、製品ロスが大幅に減少した。その結果、前年同期比で製品化率110%を実現した。ものづくり補助金の採択でキノコ業界から注目を集め、見学に訪れる人も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年度から電気料金削減や熱交換器導入など継続的な課題に取り組んでおり、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ブナシメジ業界で売上3億5千万円、年間生産量1千トン以上とあり、業界有数とされる強みは読み取れるが、市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    作業負担と製品ロスが課題とされ、厳格な計量実施で製品ロスが大幅に減少したと、課題解決の結果が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    成果として製品化率110%(前年同期比)と数字で示され、計画の目標達成が確認できる。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    補助事業の責任者として氷熊副工場長が挙げられているが、体制や事務処理能力の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ブナシメジは人にやさしい労働環境で選ばれるとの記述はあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    省力化機械の導入や包装工程への配置転換は述べられるが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述はうかがえる程度。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    エノキダケからブナシメジへ転換し業界有数になったとあるが、高付加価値化や高価格化の具体的な数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    雇用改善や定年対象者の長期雇用を目指すとあり、雇用創出にわずかに触れているが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    製品化率110%や製品ロス減少など効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械制御による省力化は述べられるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    千曲市松代のえのき茸発祥の地で、ブナシメジ生産を営む地域の事業であることは読み取れるが、雇用や地域成長への寄与は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

キノコ業界にはまだ改善の余地があるとして、小さくても最先端でありたいとしている。大手には負けない手づくりのアイデアで勝負し、自社ブランドの確立を将来的に大きな課題としている。

事業者の声

エノキダケの栽培では生育に必要な温度が4度から5度。かたやブナシメジは15度くらいですから、夏は涼しく冬は暖かい環境。働く人間にとっても働きやすい環境です

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。