ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

粉末冶金における焼結ガス導入方法の省エネ型への変革

ナパック株式会社

この事例のポイント

  • 従来は還元性ガスとしてアンモニアを熱分解して窒素と水素を得ており、有毒なアンモニアを扱ううえ、熱分解に大量のエネルギーを費やしてコストがかさんでいた。
  • 水素ガスと窒素ガスの混合装置を導入し、有毒なアンモニアの熱分解をやめて、純水素と純窒素を熱エネルギーを使わずに混合器で混合して電気炉へ送る省エネ型の方法に切り替える計画を進めた。
  • アンモニアを熱分解する方法をやめて混合ガスを使う方法に変えたことで、有毒なアンモニアを廃止できた。

事業者のプロフィール

事業者名ナパック株式会社
所在地長野県 駒ヶ根市
業種金属製品製造業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数125人
資本金9,600万円
設立1966年

事業の背景

同社は1966年にDCマイクロモーターの部品組立で創業し、その後モーターの含油軸受の生産から粉末冶金に進出した。80年代後半に取引先のモーター製造の海外移転に伴い粉末冶金の専業メーカーへと転換した。粉末冶金では焼結時に還元性ガスを大量に使い、電気炉の電気代がかさむことが課題で、本社工場で使う電気の50〜60%が電気炉で消費されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来は還元性ガスとしてアンモニアを熱分解して窒素と水素を得ており、有毒なアンモニアを扱ううえ、熱分解に大量のエネルギーを費やしてコストがかさんでいた。
  • 生産能力顧客から高速化に対応できる高精度製品の供給を求められていたが、それに応えるための生産体制が十分ではなかった。

やったこと

水素ガスと窒素ガスの混合装置を導入し、有毒なアンモニアの熱分解をやめて、純水素と純窒素を熱エネルギーを使わずに混合器で混合して電気炉へ送る省エネ型の方法に切り替える計画を進めた。この装置で作ったガスを電気炉で使って製品サンプルを試作し、硬度と切削性の製品評価、分析を行う。社内評価に合格すれば顧客へ4M変更申請書、製品サンプル、データを提出して承認を得てからガスを切り替える。また、もう一つの事業では、特許を取得した粉末冶金法で外径加工した製品に、IoTを用いた最新型の工作機械を導入して監視、保守、分析を行い、高精度化に対応した工作機械制御部品を製造した。

その他水素ガス、窒素ガス混合装置
加工機最新型の工作機械

事業の効果

アンモニアを熱分解する方法をやめて混合ガスを使う方法に変えたことで、有毒なアンモニアを廃止できた。熱分解に費やしていた大量のエネルギーコストを削減できる見込みである。ガスボンベの頻繁な交換作業もなくなり、電気炉の夜間無人稼動への布石にもなった。工作機械制御部品では、高精度化対応製品の加工と加工時間の短縮を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1966年創業後に含油軸受から粉末冶金へ進出し、80年代後半に粉末冶金専業へシフトしたという一貫した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    異方性磁石メーカーとして世界トップクラスの実績があり、HV・PHV・EV自動車部品の技術開発成果も示されている。

  • 課題の認識と解決4

    顧客から高速化対応の高精度製品を求められていることと、還元性ガスとエネルギーコストという課題が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    今年度の過去最高売上げ見通しは書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員125名という規模は書かれているが、補助事業を担う体制や人材配置の説明は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車、産業機器、電機・電子向けに高精度製品を供給し、顧客からの高速化対応要望があると読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    社内評価後に顧客へ4M変更申請を行い承認を得てからガスを切り替えるという、段階的な実施手順が示されている。

  • 財務と資金の調達2

    資本金9,600万円は示されているが、金融機関からの資金調達や財務状況の詳細は読み取れない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    異方性磁石は高い技術ノウハウを要し、世界トップクラスの実績があると書かれており、高水準の製品と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    電気代の50〜60%が電気炉で消費されていたとあり、エネルギーコスト削減の方向性は読み取れるが効果額は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    最新型工作機械にIoTを用いて監視、保守、分析を行う点は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    HV・PHV・EV自動車部品の開発成果に触れており、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    本社が駒ヶ根市にあることは示されているが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用への影響は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今年度(2017年)は過去最高の売上げを達成する見通しで、HV・PHV・EV自動車部品など技術開発の成果により生産が活発に続いている。

事業者の声

現在もかなりの研究開発テーマを抱えています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。