ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

高速高精度スピンドルを搭載した振動切削微細穴加工装置の開発

株式会社ダイヤ精機製作所

成果従来のマシニングセンタでの加工と比較して23.5〜29.8%のコストダウンを実現

この事例のポイント

  • 難削材の微細穴加工は加工が難しくコストが高い。
  • 振動切削加工技術と高速高精度スピンドル技術を融合し、微細穴加工に対応する業界初の振動切削微細穴加工装置を開発した。
  • 従来のマシニングセンタでの加工と比較して23.5〜29.8%のコストダウンを実現。振動切削加工と高速高精度スピンドルを組み合わせた装置により、難削材の微細穴加工で従来のマシニングセンタ加工と比べ23.…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ダイヤ精機製作所
所在地長野県 岡谷市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数154人
資本金4,000万円
設立1951年

事業の背景

株式会社ダイヤ精機製作所は1951年創業で、カメラや測定機などの部品製造から出発し、1960年代半ばに量産に移らず多品種少量生産に特化する道を選んだ。現在は半導体製造装置、精密機械、航空機、医療機器、自動車など多様な分野の部品を手がけ、自社ブランドの微細穴加工機(ビサイア)も売上の約3割を占める。燃料電池車の部品など先端分野の需要が高まる中、難削材の微細穴加工の依頼が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算難削材の微細穴加工は加工が難しくコストが高い。
  • 生産能力深穴はあけることができず、受託加工の増加につなげにくい。
  • 新製品・新技術既存の高性能マシニングセンタでは微細穴の深穴加工に対応できず、新たな加工技術が必要だった。

やったこと

振動切削加工技術と高速高精度スピンドル技術を融合し、微細穴加工に対応する業界初の振動切削微細穴加工装置を開発した。難削材加工に有効な振動切削と、微細穴加工に対応する高速高精度スピンドルを組み合わせた。平成27年度には燃料電池車用水素バルブ部品の加工合理化に取り組み、耐熱高強度材料SUH660への微細な溝の切削加工について、設備導入、治具・プログラムの製作、加工試験を行った。

加工機振動切削微細穴加工装置
加工機高速高精度スピンドル

新しい製品・サービス:振動切削微細穴加工装置

事業の効果

  • 従来のマシニングセンタでの加工と比較して23.5〜29.8%のコストダウンを実現
  • 従来の加工時間の約1/3を達成

振動切削加工と高速高精度スピンドルを組み合わせた装置により、難削材の微細穴加工で従来のマシニングセンタ加工と比べ23.5〜29.8%のコストダウンを実現した。燃料電池車用水素バルブ部品の微細な溝の切削では、加工時間を従来の約3分の1に短縮できた。生産性が大幅に向上し、量産に向けた目途が立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1960年代半ばに治工具など多品種少量生産に特化した方針が述べられ、技術と品質を売りにする一貫性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    難削材の微細穴加工の需要増と深穴加工の困難さが述べられ、高精度スピンドルと振動切削を組み合わせた業界初の装置で強みを活かす内容が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    加工コストが高く深穴があけられないという課題を示し、振動切削で23.5〜29.8%のコストダウンを実現したと成果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来加工と比べ23.5〜29.8%のコストダウンという数値目標・実績が示されているが、賃上げや付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員154名や一貫生産システムへの言及はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    難削材の微細穴加工の依頼増に応え、受託加工の増加を目指すことや、コストと従来不可能な加工ができる点が示され、顧客ニーズとの関係が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作から量産への段階や、今後この装置を積極的に売り込む方針は述べられているが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    業界初の振動切削と高速高精度スピンドルを組み合わせた微細穴加工装置で、従来のマシニングセンタより高付加価値化を図る内容が明確である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    燃料電池の重要部品を担う点や最先端分野への貢献は述べられているが、波及効果や雇用創出に関する定量的な記述は薄い。

  • 費用対効果4

    補助金投入額と効果の対比は書かれていないが、加工時間が約1/3、コストダウン23.5〜29.8%と費用対効果を示す数値が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度スピンドルと振動切削の融合は技術革新と言えるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は記述されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    燃料電池車部品や医療機器、航空宇宙など成長分野への進出が挙げられ、構造転換への関与がうかがえるが、政策的な位置付けは明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    岡谷市の企業であることは示されているが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への波及効果の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

燃料電池車用水素バルブ部品の量産に目途が立ち、今後は開発した装置を積極的に売り込み、自社ブランド製品を増やしていく方針。

事業者の声

振動切削によって難削材の加工効率が上がり、刃物の消耗を抑えコストダウンにもつながる。さらに従来不可能だった加工もできるのではないかと研究開発に取り組みました。今後この装置を積極的に売り込んでいきたいと考えています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。