ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

長物エンプラ部品加工の段取り改善と測定の自動化による生産性向上

株式会社プラポート

成果段取り替え時間は従来機と比べて40%の削減となった。

この事例のポイント

  • 長物エンプラ部品は素材の性質上切削時の加工温度に影響を受けやすく、要求精度を満たすのが技術的に難しい。
  • 長物加工用の円テーブル付きマシニングセンターを導入し、多面加工や傾斜面に沿った穴加工など、これまで段取り替えが必要だった加工に対応できるようにした。
  • 段取り替え時間は従来機と比べて40%の削減となった。段取り替え時間が従来機と比べて40%削減され、加工から検査までをワンチャックで行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プラポート
所在地静岡県 静岡市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
資本金1億円
設立1990年

事業の背景

創業以来、機械メーカーを主要取引先にプラスチック精密機械加工を行い、単品から数千個まで対応してきた。近年は機械メーカーからの需要が減少傾向にあり、輸送業界や電気医療業界へ販促を強化してきた。その結果、エンプラの長物部品(長さ500㎜以上)の依頼が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度長物エンプラ部品は素材の性質上切削時の加工温度に影響を受けやすく、要求精度を満たすのが技術的に難しい。
  • 人手・技能傾斜面に沿った穴加工や段取り替えが必要な部品があり、加工に多くの手間を要している。
  • コスト・採算加工時間に占める段取り時間が工程全体の26%に達していた。
  • 品質・精度検査は手動測定機を用いて行っており、傾斜穴の測定にも段取り替えが必要だった。
  • 新製品・新技術取引先からの測定データの提出要請に応えられる体制が十分になかった。

やったこと

長物加工用の円テーブル付きマシニングセンターを導入し、多面加工や傾斜面に沿った穴加工など、これまで段取り替えが必要だった加工に対応できるようにした。さらにマクロを用いて自動計測ソフトを自社開発し、マシニングセンターに搭載した。検査はタッチセンサープローブを用いて開発ソフトで自動測定する。NCデータに測定プログラムも登録し、精度保証が必要な箇所(穴・外形)を指定できるようにした。加工後に被加工物をクランプしたまま直ちに測定できるようにし、測定データはRS-232Cを経由して専用PCで抽出し、検査成績表として出力できるようにした。

加工機円テーブル付きマシニングセンター(長物加工用)
検査測定タッチセンサープローブ
ソフト自動計測ソフト(マクロを用いた自社開発)

事業の効果

  • 段取り替え時間は従来機と比べて40%の削減となった。
  • ワークセット時間 120分→20分
  • 検査時間 120分→50分

段取り替え時間が従来機と比べて40%削減され、加工から検査までをワンチャックで行えるようになった。取引先からの短納期要請にも対応でき、時間当たりの生産能力や自社全体の生産力が強化された。受注品全品に検査成績表を添付でき、全数検査も可能となって品質と信頼性が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    機械メーカー依存からの脱却としてビジネス領域拡大を図った経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    機械メーカー需要減少と輸送・電気医療業界の販促強化は書かれているが、競争優位の根拠となる資源の強み・弱みは具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決5

    段取り時間が工程の26%と数字で課題を示し、段取り替え時間40%削減や加工・検査時間の短縮を具体的に記載している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    段取り替え時間40%削減、ワークセット120分から20分、検査120分から50分と数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    社内の中心的役割として専務取締役の名前が挙がるが、人材や事務処理能力の確保状況は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    精度保証と全数検査の要望に応える点は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは概略にとどまる。

  • 事業化までの道筋3

    自社開発の自動計測ソフトやマクロ活用の手順は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超高分子ポリエチレン等の難加工エンプラ部品で精度要求に応える点はうかがえるが、市場の普及度についての記載は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    輸送・電気医療など他業界への進出や事業拡大が述べられ、雇用や波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    投入した設備で段取りや検査時間を大幅に短縮し生産力が強化されたと、時間短縮の数値で費用対効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    数値制御による加工と測定の一体化や自動計測ソフトの活用は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    静岡市清水区の事業所であることは示されるが、地域の特性を活かした経済成長への言及はほとんどない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回強化された技術力と信用力をもとに、輸送、電気医療及び食品等の他業界への進出を加速させ、従来の1面加工から付加価値の高い2面加工以上の加工部品の受注を積極的に増やし、事業拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。