ものづくり補助金平成26年度製造業愛知県

伝統食品つくだ煮のITを活用した製品生産在庫管理システムの構築

株式会社平松食品

この事例のポイント

  • 生産と在庫の管理が熟練社員の経験と労力に頼っており、負担が大きかった。
  • 熟練社員の経験と勘に頼ってきた生産計画を、豊橋技術科学大学との共同研究により人工知能(AI)を活用したシステムとして構築した。
  • ITの活用により、翌日の出荷に向けた残業などが減り、在庫管理にかかる労力が大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社平松食品
所在地愛知県 豊橋市
業種食料品製造業
技術分野情報処理
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

大正11年創業の平松食品は、愛知県産のアサリなどを原料につくだ煮や甘露煮を長年製造・販売してきた。製品の約7割はスーパーなどの小売店に卸され、大手プライベートブランドやコンビニエンスストアのおにぎりの具材にも販路を広げている。食生活の洋風化や嗜好の多様化により、つくだ煮や甘露煮の需要は伸び悩んでいた。同社製品の海外への輸出割合は約2%にとどまっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能生産と在庫の管理が熟練社員の経験と労力に頼っており、負担が大きかった。
  • 生産能力原料費の高騰や不漁による原料確保の難しさから、生産計画の立案を高度化する必要があった。
  • 販路・情報発信海外では甘露煮やつくだ煮を食材として扱ってもらいにくく、海外展開が進んでいなかった。

やったこと

熟練社員の経験と勘に頼ってきた生産計画を、豊橋技術科学大学との共同研究により人工知能(AI)を活用したシステムとして構築した。顧客ごとの出荷管理はバーコードリーダーで一括管理し、発注書のバーコードを端末で読み取ることで、生産指示書の作成から在庫管理までを人手に頼らず効率的に行えるようにした。海外向けには「テリヤキ・フィッシュ・ゼリー」を開発し、海外の展示会や見本市に出展して販路の開拓を進めている。

ソフト生産・在庫管理システム(AI活用)
検査測定バーコードリーダー
その他端末

新しい製品・サービス:海外向けの「テリヤキ・フィッシュ・ゼリー」

事業の効果

ITの活用により、翌日の出荷に向けた残業などが減り、在庫管理にかかる労力が大幅に削減された。人的負担の軽減に加えて不良在庫も削減された。生産計画の高度化により、原材料費などに左右されない付加価値の高い商品構成へのシフトを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    大正11年創業の老舗で、甘露煮の独自技術とノウハウを積み重ねてきたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    製品の7割がスーパーに卸され、海外輸出は2%程度と書かれ、強みと外部環境の関係は一部読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    熟練社員の経験と勘に頼っていた生産計画をシステム化し、残業減と不良在庫削減につなげた課題解決が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの数値目標は書かれておらず、わずかに高付加価値商品構成へのシフトがうかがえるだけである。

  • 事業を進める体制3

    平松社長や首藤サブマネージャーが関与し、豊橋技術科学大学との共同研究で開発中と書かれ、体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    海外向けテリヤキ・フィッシュ・ゼリーの開発と展示会出展は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    海外展開を視野に販路開拓を進める計画や共同研究の開発中である点は書かれるが、スケジュールや課題解決法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    つくだ煮の需要が伸び悩む中で高付加価値商品構成へシフトする考えが示され、高付加価値化の方向性はうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    海外で再発見された日本の味が国内の新たなニーズにつながる可能性や、伝統食の需要喚起への言及があり、波及効果の示唆はある。

  • 費用対効果2

    残業の減少や不良在庫の削減は書かれるが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    AIを活用した生産計画システムを大学と共同開発し、バーコード端末による出荷管理を一括化した点が具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛知県産のアサリなど地元で獲れた魚介類を原料とする点はうかがえるが、地域経済への牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外展開を視野に入れ、海外の展示会や見本市への出展などで販路を開拓していく計画である。

  • 目標:海外への輸出割合は約2%程度

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。