ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

SNS時代に対応した写真を共有したくなる画期的な和菓子の開発

株式会社永楽屋

成果新包あん機の生産速度は30個/分で、従来のやり方と比較して1.5倍

この事例のポイント

  • お客様から新商品の販売を求める声が多かったが、伝統を意識するあまり和菓子部門では新商品開発が少なかった。
  • 包あん機を新設し、既存の2重包あんが限界だったところを4重包あんが可能になった。
  • 新包あん機の生産速度は30個/分で、従来のやり方と比較して1.5倍。新包あん機の導入により、2重から4重の包あんや平面の菓子の製造が可能になり、見栄えの良い新商品を開発できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社永楽屋
所在地京都府 京都市
業種食料品製造業
従業員数63人
資本金1億円
設立1933年

事業の背景

昭和8年に京都で創業し、佃煮、惣菜、和菓子の製造販売を行ってきた。6店舗のほか、本店併設の喫茶コーナーとオンラインショップを運営している。コロナ禍以前は、インバウンドなどの観光客需要の増加により菓子市場が増収傾向にあった。当社の各店舗ではお客様の声を毎日3件ずつ集めており、最も多かったのは新商品の販売を求める声だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術お客様から新商品の販売を求める声が多かったが、伝統を意識するあまり和菓子部門では新商品開発が少なかった。
  • 新製品・新技術SNSに写真を投稿したくなる見栄えの良い商品を求める傾向が強まっていた。
  • 生産能力見栄えと併せて品質と生産能力を両立させる必要があり、そのための新たな設備が必要だった。

やったこと

包あん機を新設し、既存の2重包あんが限界だったところを4重包あんが可能になった。新機は素材と素材の境目をきれいにつなげられるため、見栄えの良い特徴あるビジュアルを確保できるようになった。新機は拡張パーツの取り付けにより、饅頭のようなものだけでなくクッキーのような平面の菓子も製造できる。新包あん機の速度は30個/分で、従来のやり方と比べて1.5倍の生産速度を実現した。並行して販売および生産管理のDX化に取り組み、ITを活用して販売動向、廃棄ロス、生産効率を管理し、販売と製造の情報共有を行った。新商品「茶々の実」の開発では、試作を重ね、社外のパティシエとも共同で製法を検討した。

加工機新包あん機
ソフト販売・生産管理のDXシステム

新しい製品・サービス:京菓子「茶々の実」(宇治抹茶の3重包あん、白あんと抹茶ガナッシュ入り)

事業の効果

  • 新包あん機の生産速度は30個/分で、従来のやり方と比較して1.5倍
  • 包あんの重数 2重→4重

新包あん機の導入により、2重から4重の包あんや平面の菓子の製造が可能になり、見栄えの良い新商品を開発できるようになった。生産速度は従来比1.5倍の30個/分となった。DX化により廃棄ロスは大幅に減少し、現在は廃棄量がほぼゼロに近い水準で推移している。新商品「茶々の実」は主力商品の一つに育ち、若手職人の育成にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の和菓子製造の経験を生かし、SNS時代向け新商品開発に取り組むと書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    お客様の声を毎日3件ずつ集め、新商品の販売要望が最多だった点や、若い層・外国人観光客の増加を市場動向として具体的に挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    課題として新商品開発が少ないことを認識し、新包あん機で4重包あんや生産速度1.5倍(30個/分)を実現する計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産速度1.5倍という数値は示されるが、付加価値額の増加や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性は一部に限られる。

  • 事業を進める体制2

    従業員数63人や社外パティシエとの共同試作は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    見栄えの良いビジュアルを求める顧客ニーズを具体的に示し、4色餡や平面菓子など製品の特徴と選ばれる理由を整理している。

  • 事業化までの道筋4

    試作を重ね令和3年に新商品「茶々の実」を開発・販売した経緯と、今後も配合調整を行う方針が示され、課題解決の流れが読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    4重包あんや平面菓子の製造という特徴が示されるが、和菓子分野全体の普及度との比較は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    伝統の和菓子を京都から発信する意義がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    生産速度1.5倍や廃棄ロスがほぼゼロに近い推移など効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ITを活用した販売動向・廃棄ロス管理やDX化への取組が示され、現場連携のデジタル活用はうかがえるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都の伝統を生かした京菓子の製造という地域特性への言及はあるが、雇用創出や地域経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後もお客様の声を聴きながら食感や素材の配合を調整し、京都の伝統と職人のこだわりに加え、SNSで共有したくなるビジュアルを兼ね備えた京菓子を提供していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。