ものづくり補助金平成26年度製造業三重県

生産工程の改善により生産性の向上と短納期を実現する

若林工業有限会社

成果加工時間 150分→67分

この事例のポイント

  • 自動車試作部品は受注が6〜8月と10〜12月に集中し、生産能力が足りず受注を取り逃がしていた。
  • 現状の生産工程を見直し、新たな設備を導入して工程を検討した。
  • 加工時間 150分→67分。設備投資により加工時間が大幅に短縮され、目標の1時間15分に対し実績は1時間7分で目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名若林工業有限会社
所在地三重県 亀山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金500万円

事業の背景

住宅用板金と自動車試作シートの板金部品を製作している。自動車試作部品は受注が時期によって偏り、顧客からは開発期間の短縮に伴う更なる短納期化を求められていた。試作品は量産前に不具合を確認するためのもので、開発期間はトレンドの変化が速く、期間短縮とスピードアップが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車試作部品は受注が6〜8月と10〜12月に集中し、生産能力が足りず受注を取り逃がしていた。
  • 納期・工程顧客から更なる短納期を求められているが、複雑な部品は加工工程が多く、段取り替えを短縮するにも限界があった。
  • 生産能力設備の稼働率を高めるためにオペレータの多能工化を進める必要があった。

やったこと

現状の生産工程を見直し、新たな設備を導入して工程を検討した。三菱電機株式会社からオペレーション指導を受講した。導入した新設備の稼働状況を確認し、検収を行った。検討した図面に基づいて新設備で部品を製作し、全工程の加工時間と加工精度を目標値に基づいて評価・検討した。タレパンの穴加工と治具のレーザー加工の工程を削減し、リードタイムの短縮を図った。

加工機レーザー加工機

事業の効果

  • 加工時間 150分→67分
  • 加工精度 0.15mm→0.05mm

設備投資により加工時間が大幅に短縮され、目標の1時間15分に対し実績は1時間7分で目標を達成した。加工精度も従来の±0.15mmから±0.05mm以内に向上した。多能工化により生産性が上がり、短納期への対応が可能となった。他職員での多能工化の目標は達成できたが、途中退社の職員もいた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    短納期要求への対応を課題とし受注を取り逃がしていたと書かれているが、過去の取組との一貫性や位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からの短納期要求と他社対応困難な設計変更対応が書かれ、強みは読み取れるが市場動向の分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決5

    加工工程の削減で段取り時間を削減し、加工時間を2時間30分から1時間7分に短縮したと数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間は目標1時間15分に対し実績1時間7分、精度は目標±0.1mmに対し±0.05mm以内と数値で目標達成が示されている。

  • 事業を進める体制3

    三菱電機からオペレーション指導を受け、オペレータの多能工化を進めたと書かれているが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期が顧客の要求とされ、試作部品の位置付けは書かれるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    現状分析から設備導入、稼働確認、検収までの工程順が示されるが、中長期の課題検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高付加価値化や高価格化の記述はなく、試作部品の分野での差別化がわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    雇用を増やし地域に貢献することをめざしたと書かれているが、波及効果の具体的な数値はない。

  • 費用対効果3

    加工時間や精度の改善は数字で示されるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー加工技術の導入は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は限定的にうかがえる程度。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地域貢献と雇用増加をめざすとあるが、地域の特性を活かした付加価値創出の具体性は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客の仕様通りに製作する受け身的な活動から、顧客の開発期間短縮へのコミットや合理化策、経費削減策を提示する提案型企業を目指す。加工技術の改善余地もあるため、事業終了後も加工技術の高度化を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。