ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業滋賀県

滋賀県の豊かな森林資源を生かした木質ペレットの販路構築及び生産体制の確立

有限会社山本材木店

成果製材加工所の稼働率 20%→50%

この事例のポイント

  • 製材加工所の建材加工による稼働率は20%以下に低迷していた。
  • 木材(原木)から生じる端材を木質ペレット(ホワイトペレット、芯材のみ)に加工し、ペレットストーブ用燃料として生産体制を確立し販路を構築した。
  • 製材加工所の稼働率 20%→50%。製材加工所の空きスペースにペレット製造設備を導入したことで、製材加工所の稼働率が20%以下から50%に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山本材木店
所在地滋賀県 湖南市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
従業員数5人
資本金300万円
設立1990年

事業の背景

当社は自社で製材加工した住宅建材を工務店に販売し、取引先の要望に応じたオーダーメイド加工で同業者との差別化を図っている。木材市場では新設住宅着工戸数が減少し、安価な輸入材の影響もあって価格が低下しており、収益環境は厳しかった。木材加工で年間約15tの端材が生じており、これまで焼却処分していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製材加工所の建材加工による稼働率は20%以下に低迷していた。
  • コスト・採算仕入原木から生じる端材(年間約15t)を焼却処分しており、無駄なコストが発生していた。
  • 販路・情報発信新設住宅着工戸数の減少や安価な輸入材の影響で木材価格が低下し、収益環境が厳しくなっていた。
  • 新製品・新技術収益を支える新たな事業を模索していた。

やったこと

木材(原木)から生じる端材を木質ペレット(ホワイトペレット、芯材のみ)に加工し、ペレットストーブ用燃料として生産体制を確立し販路を構築した。空きスペースにペレット製造設備(推定生産能力毎時50〜125kg)を導入し、製造工程を整えた。国産材と輸入材の端材を数種類ブレンドして熱出力の向上を図り、2017年10月30日に日本木質ペレット協会品質規格で品質検査を受けた。その結果、かさ密度は695g/ℓで規格650g以上750g以下に合格し、機械的耐久性は98.6%で最上位ランクの基準97.5%以上を達成した。さらに現有設備を利用し、ホワイトペレットに滋賀県産の廃棄茶葉の粉末を配合して消臭効果を高めたペット用の「ねこ砂」を開発し、地元のJA直売所で販売を開始した。

加工機ペレット製造設備

新しい製品・サービス:木質ペレット(ホワイトペレット)、ペット用木質ペレット「ねこ砂」(廃棄茶葉を配合し消臭効果を高めた製品)

事業の効果

  • 製材加工所の稼働率 20%→50%

製材加工所の空きスペースにペレット製造設備を導入したことで、製材加工所の稼働率が20%以下から50%に向上した。仕入原木の30%を占める端材を焼却処分せずホワイトペレットに加工することで、会社全体の収益が大幅に改善した。ペレットは滋賀県内を中心に販路が広がり、リピーターは100名を超えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の製材・建材加工事業の端材に着目し、焼却処分していた端材をペレット化する取り組みで、過去事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新設住宅着工減少と輸入材影響で収益が厳しいと記載し、ペレット需要の堅調さや端材年約15tを強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    稼働率20%以下の課題に対し、製材所の空きスペースにペレット設備を導入し稼働率を50%に高めたと具体的な数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2018年度40t、2019年度50t、2020年度以降最大70tの増産可能性と稼働率20%→50%の数字が示され、目標の実現性がうかがえる。賃上げの記述はない。

  • 事業を進める体制2

    社員5人の小規模体制と担当者の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な説明は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ホワイトペレットの熱出力や灰量の少なさ、品質規格の基準達成、リピーター100名超と、製品の価値と選ばれる理由が数字で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    滋賀県産間伐材の調達・乾燥課題や、ねこ砂開発・生産ローテーション調整など今後の課題と対応は示されるが、スケジュールは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本金300万円の記載はあるが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みについては公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    木質ペレットは一般的な分野で、ねこ砂は消臭効果を高めた差別化製品とあるが、高水準の高付加価値化を示す記述は限定的。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    焼却処分していた端材の有効活用として地域資源を生かす点はうかがえるが、経済波及や雇用創出などの国の補助の積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    端材の焼却処分をやめ、製材所稼働率20%→50%に高めたことで会社全体の収益を大幅に改善したと記載されているが、補助金額に対する数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    滋賀県の豊かな森林資源を活かし、端材をペレットに加工して地域の販路や地元JA直売所での販売につなげている点が具体的に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当初計画していた滋賀県産間伐材の活用は、木材の安定調達と乾燥工程の短縮に課題があるため、木質ペレットとしての製品化にはさらに社内検討が必要である。今後は生産体制の確立と販売促進活動を強化し、「ねこ砂」の売上増加を目指す。また、商標登録したうえで専門機関による消臭効果の測定検査を実施する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。