ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業富山県

魚屋がIoT技術を活用し鮮魚の受発注管理等、革新的な流通システムを構築する計画

株式会社黒崎鮮魚

成果店内各所に商品を写す高精度ビデオカメラ8台を導入した

この事例のポイント

  • 店舗の営業や販売もあり、業者との仕入れのやり取りや遠方の顧客の要望に十分対応しきれていなかった。
  • 店内各所に商品を写す高精度ビデオカメラ8台を導入した。
  • 店内各所に商品を写す高精度ビデオカメラ8台を導入した。ネット注文の仕組みにより、遠方の業者の注文受付が可能になり、県内外から新規の注文も増えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社黒崎鮮魚
所在地富山県 富山市
業種飲食料品小売業
従業員数17人
資本金500万円
設立2015年

事業の背景

当社は昭和20年代半ばに富山市岩瀬地区で黒崎鮮魚店として創業し、平成に入り同市寺島の地場スーパー内に店舗を移した。県内大手スーパーの台頭などで売上が減少し、同業の魚屋も次々閉店する中、現社長は飲食店向けの卸業に参入した。卸が軌道に乗ると、仕入れ状況の問い合わせや遠方からの引き合い、注文、配送の要望も増えた。平成27年に法人化し、31年には独立して「黒崎屋」として新築オープンした。飲食店向け卸の売上は業務用が6〜7割を占めるまでに伸びた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信店舗の営業や販売もあり、業者との仕入れのやり取りや遠方の顧客の要望に十分対応しきれていなかった。
  • 人手・技能その日の仕入れや在庫状況について、各所からの問い合わせに繰り返し説明する必要があった。
  • 品質・精度商品陳列ケース内で魚のパック商品が重なると、魚の数や金額が隠れて映像では確認しづらかった。
  • 販路・情報発信魚の特性や独自の工夫など、映像だけでは伝えきれない付加価値があった。

やったこと

店内各所に商品を写す高精度ビデオカメラ8台を導入した。商品陳列ケースやいけすの天井からカメラをつるし、常時ライブ配信して、顧客がパソコンやスマートフォンで魚の状態や価格をチェックし、インターネットで注文できる仕組みを構築した。店内の加工所にはモニター画面を設置し、従業員が作業をしながら各映像を見て店内の様子を確認できるようにした。カメラは店内の農産物売り場にも設置され、生産者に補充のタイミングを伝える役割も果たしている。顧客の仕入れ情報などを見える化し、業務の標準化を進めた。

検査測定高精度ビデオカメラ
ソフトライブ配信・ネット注文システム
その他加工所モニター

事業の効果

  • 店内各所に商品を写す高精度ビデオカメラ8台を導入した

ネット注文の仕組みにより、遠方の業者の注文受付が可能になり、県内外から新規の注文も増えた。店舗では従業員がモニターで売り場を確認でき、補充のタイミングを見計らえるようになり、効率的な店舗運営につながった。仕入れが早朝だけでなく他の時間にもできるようになり、業務の標準化も進んだ。一般の新規顧客も増加し、20〜40歳代の新たな顧客層も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和20年代創業の鮮魚店から飲食店向け卸へ参入した経緯は書かれているが、新システムを経営戦略に位置付けた記述は見当たらない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手スーパーの台頭や同業の閉店という環境に対し、富山湾の魚を安く高品質で扱う強みを生かし、大阪の居酒屋からも注文が増えたと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    業者からの問い合わせへの繰り返しの説明が減らないという課題を挙げ、ライブ配信とネット注文で解決している。映像で伝えきれない情報の追加も検討中。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上の伸びや新規顧客の増加は書かれているが、数値で示された目標や賃上げの目標値は見当たらない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数17人という記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての説明は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    業者と一般客を顧客とし、魚の色や形を映像で確認できる点を選ばれる理由として示し、20~40歳代の新規顧客も増えたと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として文字情報の追加、注文から決済までの効率化、POSレジとの連携を挙げているが、時期や遂行方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ライブ映像での鮮魚のネット注文は書かれているが、業界での普及度や高価格化の水準を示す記述は見当たらない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地元企業や生産者と連携し、生産者に補充のタイミングを伝える役割が書かれており、地域への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    高精度ビデオカメラ8台の導入は書かれているが、投資額や付加価値の増加など費用対効果を示す数字は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoT技術とカメラ8台によるライブ配信、スマートフォンからのネット注文を導入し、業務の標準化や生産者への情報提供につなげている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    ネット注文やIoT活用が書かれているが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換に言及した記述はない。

  • 地域経済への波及4

    富山湾の魚介や地場の野菜、地元企業との連携を生かし、富山市の地域特性を活かした店舗運営を行っていると書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は文字などで情報をプラスし、店頭での買い物により近づけるようシステムをブラッシュアップする。注文を受けてから決済までの業務の一層の効率化や、店舗レジのPOSシステムとの連携も図る。鮮魚に偏った売上を、精肉・青果の各部門も同等に伸ばして3本柱で展開することを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。