ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業京都府

高齢者施設向け「カシデリ」事業の物流整備とIot導入によるオートメーション化

株式会社青木光悦堂

成果高齢者施設の利用件数 104件→475件

この事例のポイント

  • 高齢者施設向け「カシデリ」の注文が増え、大量受注に対応できる環境を早急に整える必要があった。
  • 大量荷捌きが可能な新倉庫を開設し、カシデリ専用のECサイトと既存の基幹システムを連携させた。
  • 高齢者施設の利用件数 104件→475件。新倉庫は平成31年1月より運用を開始し、受発注システムとピッキングシステムの構築により作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社青木光悦堂
所在地京都府 京都市
業種飲食料品卸売業
従業員数32人
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

明治25年創業の菓子卸売業で、全国のこだわりのある菓子を年間約2000アイテム販売し、主な販売先は全国のスーパーマーケットであった。平成26年に業界初の高齢者施設向け「お菓子の宅配・献立システム」(現「カシデリ」)を開始し、1食50円からの手軽な料金と定期でなくてもスポット注文できる仕組みが受け、注文は次第に増えていった。当初は既存事業のスーパー向け出荷の一部スペースで行っていたが、取扱量の増加により手狭になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高齢者施設向け「カシデリ」の注文が増え、大量受注に対応できる環境を早急に整える必要があった。
  • 人手・技能一人分単位の受注を人海戦術の手作業で対応しており、作業負荷が大きかった。
  • コスト・採算施設からの注文はFAXで届き、担当者が一件ずつ基幹システムへ手入力していた。
  • 品質・精度商品の検品を人の目で行っており、正確性の確保に限界があった。
  • 人手・技能ピッキング後のシール貼りを手作業で行っていた。
  • 人手・技能ダンボールの組み立て作業は男性社員の役割となっており、女性社員が担いにくかった。

やったこと

大量荷捌きが可能な新倉庫を開設し、カシデリ専用のECサイトと既存の基幹システムを連携させた。これにより施設からの注文を自動で受信し、ワンクリックでデータを移行できるようにした。ハンディーターミナルを導入し、人の目で行っていた商品検品をバーコード読み取りに変更した。ラベル自動印字貼付機一式を導入し、手作業だったシール貼りを自動化した。半自動製函機を導入し、女性社員など力の弱い人でも箱の組み立て作業ができるようにした。

加工機ラベル自動印字貼付機一式
加工機半自動製函機
検査測定ハンディーターミナル
ソフトカシデリ専用ソフト(ECサイト)

新しい製品・サービス:高齢者施設向け「カシデリ」事業(お菓子の宅配・献立システム)

事業の効果

  • 高齢者施設の利用件数 104件→475件

新倉庫は平成31年1月より運用を開始し、受発注システムとピッキングシステムの構築により作業時間が大幅に短縮された。検品のバーコード化により正確性が向上し、省力化も実現した。高齢者施設の利用は2年間で104件から475件に増え、北海道から九州まで全国の施設が利用している。従業員からは利用者の感謝の声が届き、やりがいの向上や既存事業メンバーへの良い刺激にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成26年に業界初の高齢者施設向けサービスを始め、3度のモデルチェンジを経て採算の合う仕組みを作ったと書かれており、既存事業とのつながりも述べられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高齢者施設向けに年間約2000アイテム、常時100種類以上を揃え、1食50円の料金設定や注文の手軽さを強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    FAX注文の手入力や人海戦術での受注、人の目による検品という課題を挙げ、受発注システムと検品のバーコード化で解決しようとしている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    全国シェア№1を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員32人の企業で、社員が導入後の業務を担っている記述はあるが、補助事業の遂行体制の具体的な説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    施設数が104件から475件に増えたという実績と、一人分単位の受注や嚥下困難者向けメニューなど顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新倉庫の準備期間を経て平成31年1月から運用開始したと時期は示されているが、中長期の課題検証や遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界初の高齢者施設向けお菓子の宅配・献立サービスであり、同分野での先駆的な取り組みであることが明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    北海道から九州まで施設が利用していると記載はあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    作業時間は大幅に短縮されたとあるが、投資額や削減時間、付加価値増加の数値がなく費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    専用ECソフトと基幹システムの連携、ハンディーターミナルによるバーコード読み取りなど、デジタル技術の活用が書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    高齢者施設向けという高齢化に対応した市場に進出していることは読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    京都市山科区での事業が示されているだけで、地域の特性を活かした付加価値や地域経済への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

嚥下困難な高齢者向けのメニューを作成し、より多くの利用者に楽しんでもらう工夫を進めている。高齢者施設向け菓子卸売業で全国シェアNo.1を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。