ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

大サイズウレタン加工設備増強による新市場開拓事業

有限会社マルセ

成果打ち抜き生産効率 1,500個/1h→4,140個/1h

この事例のポイント

  • 既存設備の能力では先方の求める大量発注に対応できなかった。
  • 先方の要望は、現状の高品質を維持しつつ、大量発注への安定供給、大サイズ部品への対応、大サイズ材料が使える環境整備、材料ロスの軽減だった。
  • 打ち抜き生産効率 1,500個/1h→4,140個/1h。大型油圧裁断機の導入により大量受注と大サイズ品への対応が可能になり、品質を安定させた量産体制を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社マルセ
所在地滋賀県 竜王町
業種プラスチック製品製造業
技術分野立体造形
従業員数25人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

当社はウレタン成型品の受託加工を主力としており、2年前からエアダクト用結露防止材の生産に取り組んでいた。大手自動車部品メーカーから自動車エアダクトの結露防止ウレタン材の量産依頼を受けたが、これは当社にとって新しいビジネスだった。自動車部品は一度採用されると4年間は同一品が使われるため、安定した売上が見込めると判断して引き受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備の能力では先方の求める大量発注に対応できなかった。
  • 生産能力既存設備では大サイズ部品や大サイズ材料に対応できず、設備改造でも技術的に困難だった。
  • コスト・採算材料ロス率が6.0%と高く、コスト負担が大きかった。

やったこと

先方の要望は、現状の高品質を維持しつつ、大量発注への安定供給、大サイズ部品への対応、大サイズ材料が使える環境整備、材料ロスの軽減だった。裁断機メーカーと特別仕様を設計し、大型の油圧裁断機を導入した。金型の変更により部品サイズを650mm×990mmから975mm×990mmに拡大した。補助テーブルを設置して使用できる材料を1000mm×700mmから1000mm×1100mmに拡大した。加工時間を短縮し、打ち抜き生産効率を1,500個/1hから4,140個/1hへ2.75倍に上げ、材料ロス率を6.0%から1.3%へ4.7ポイント低下させた。

加工機大型油圧裁断機

新しい製品・サービス:自動車エアダクト用結露防止ウレタン材

事業の効果

  • 打ち抜き生産効率 1,500個/1h→4,140個/1h
  • 部品サイズ(拡大した辺) 650mm→975mm
  • 使用材料サイズ(拡大した辺) 700mm→1,100mm
  • 材料ロス率 6%→1.3%

大型油圧裁断機の導入により大量受注と大サイズ品への対応が可能になり、品質を安定させた量産体制を確立した。材料ロスが減ってコストダウンが実現し、コスト競争での優位性も確保できた。新車販売台数上位2車種のエアダクト用結露防止材に採用が決まり、平成28年度の売上高は約6千万円、前年比3割増となった。粗利益率は20%以上を確保でき、3年間で投資額はほぼ回収できる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ウレタン加工の新分野としてエアダクト用結露防止材に2年前から取り組み、既存のウレタン成型事業を拡張したと読める。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    安定した高品質と生産性が大手自動車部品メーカーから評価され、自動車部品は4年間同一品が使われる点を踏まえた取り組みと読める。強みの具体性はある。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備では対応できない課題を整理し、打ち抜き生産効率を2.75倍、材料ロス率を6.0%から1.3%に改善して大量受注に対応した点が具体的に読める。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    平成28年度売上約6千万円、売上高は前年比3割増、粗利益率20%以上、3年間で投資回収の見込みと数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    事業担当者や社長の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    品質・コスト・工程管理の優位性や、人気2車種でシェア100%を確保した点から選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    住宅メーカーや医療分野への展開、3年間で売上倍増の見込みが示されるが、具体的な工程やスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達2

    投資額を3年で回収する見込みはあるが、財務状況や金融機関からの資金調達についての記述は読み取れない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    エアダクト用結露防止材で大サイズ品を高品質に量産し、ウレタン加工の高水準の加工技術を確立したと読める。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    大口の新規取引先確保や売上増の効果はあるが、国が補助する積極的な理由となる波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    約6千万円の売上と3年間の投資回収見込み、生産効率2.75倍など投資額に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品やウレタン加工の新分野への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換に資するという観点の記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    竜王町の立地は記載があるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

エアダクト用結露防止材は採用車種の販売台数に比例して売上が拡大し、年間7~8千万円に増える見込みである。住宅メーカーからの壁用断熱材や医療分野の健康グッズの引き合いもあり、ウレタン加工を事業の柱として育てる方針である。今回の新製品と既存事業を合わせて3年間で売上倍増を見込み、受注内容の選別により収益性の向上も図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。