ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

自動車部品加工技術の集約された独自の自動車部品加工用治具の受注販売化事業

株式会社ヒロミツ製作所

この事例のポイント

  • 受注生産の段階で製品の精度保証が必要になったが、高精度の検査表を作成するための測定設備がなかった。
  • ヘキサゴン・メトロジー株式会社製のアーム式ROMER 7軸システム測定器(接触/スキャナー)を導入した。
  • 導入した測定器により、組立用治具などの検査表を作成し、製品に検査結果を添付して精度を保証できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヒロミツ製作所
所在地京都府 京田辺市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数26人
資本金1億円
設立1962年

事業の背景

創業から鈑金加工や3次元レーザー加工を行い、大手自動車メーカーの試作車部品や試作鈑金を手掛けてきた。主力製品は自動車部品製造で、電気自動車アルミフレームや自動車用インパネ構造支持バーなどが挙げられる。自社工場内でのみ製作している組立治具やレーザー治具に対して同業他社からの需要が高まっていた。従業員は26人、資本金は1000万円である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度受注生産の段階で製品の精度保証が必要になったが、高精度の検査表を作成するための測定設備がなかった。
  • 生産能力当時の測定器はレイアウトマシンのみで計測ポイントが3点しかなく、側面や下面の測定では測定物をセットし直す必要があり、時間がかかって誤差も出やすかった。
  • コスト・採算測定器は動かしても直接の利益を生まない高額な設備で、中小企業にとって導入の判断が難しかった。

やったこと

ヘキサゴン・メトロジー株式会社製のアーム式ROMER 7軸システム測定器(接触/スキャナー)を導入した。この測定器は5軸の機能を持ち、測定物を一度セットするだけで全ての測定箇所を一度に計測できる。パソコンと連動しているため測定結果の入力が不要で、人的ミスの可能性を大幅に減らせる。スキャニング機能も搭載され、面データを短時間で測定できる。

検査測定アーム式ROMER 7軸システム測定器(接触/スキャナー)

事業の効果

導入した測定器により、組立用治具などの検査表を作成し、製品に検査結果を添付して精度を保証できるようになった。これによりヒロミツブランドへの信頼が高まり、特に自動車業界の厳しい安全基準を満たす試作部品で大きな効果を発揮した。問題が発生した際も治具のデータがそろっているため、設計上か加工上かの原因を素早く検証できるようになった。展示会への出展をきっかけに農機具メーカーのクボタとの新規取引が始まり、農機分野への参入につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の事業展開として平成28年の量産部品受注や平成30年の建機・農機部品導入が挙げられ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車試作の高い技術力と、同業他社から治具の需要が高まっている状況、軽量化・低コスト化の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    精度保証のための検査表作成が課題として明示され、ヘキサゴン測定器導入で検査表添付と精度保証を実現したと記されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれていないが、新規取引先の獲得という成果はうかがえる。

  • 事業を進める体制4

    全社員がマルチスキルを持つよう教育していること、30名弱の一貫生産体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精度保証による品質担保と信頼向上が強みとして示され、自動車業界の厳しい安全基準への対応が選ばれる理由として書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の成果と展開は述べられているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    治具の精度保証という付加価値を打ち出しているが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的な数字で示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    タイ進出や地域未来牽引企業への選定など地域経済への関与はうかがえるが、国が補助する理由としての波及効果は具体的でない。

  • 費用対効果2

    導入効果として人的ミス低減や検証の迅速化は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元測定やスキャニングによるデータ活用が書かれ、自動車業界のサプライチェーンでの品質向上に触れているが、新ビジネスモデルとしての記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京田辺市の地元企業として地域未来牽引企業に選定された点は読み取れるが、地域の特性を活かした雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

次の半世紀に向けて設備投資を行いつつ、人と人との信頼関係を基盤に、技術を磨いて組織的に企業を成長させることを目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。