ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

細胞の立体培養を支える

株式会社 ダイプラ

成果製品1個当たりの測定時間 60分→4分

この事例のポイント

  • マイクロプレートのウェル数を増やすと穴が小さくなり要求精度も高まるため、検査の工数が増え、量産化するにはより短時間での検査が必要だった。
  • 量産化に向けて画像測定器と徐電機を導入した。
  • 製品1個当たりの測定時間 60分→4分。画像測定器の導入で製品1個当たりの測定が1時間から4分に短縮され、量産化に向けた検査工数の課題が解消された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 ダイプラ
所在地大阪府 大阪市
業種プラスチック製品製造業
技術分野バイオ,精密加工,測定計測
従業員数18人
資本金1,000万円

事業の背景

同社はプラスチックの射出成形メーカーで、熱に強く滑りが良く薬品にも強いスーパーエンプラを加工し、インサート成形も得意とする。作られる部品の30%強は半導体製造装置、20%は医療機器、残りは一般産業機器に使われている。国内でいち早く平成21年から細胞立体培養向けマイクロプレートを手がけてきたが、再生医療市場は平成42年(2030年)に1兆6000億円超と言われ、マイクロプレート市場も平成42年に400億円と言われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力マイクロプレートのウェル数を増やすと穴が小さくなり要求精度も高まるため、検査の工数が増え、量産化するにはより短時間での検査が必要だった。
  • 品質・精度マイクロプレートは用途上、異物の混入や付着について厳しい管理が求められるが、空気中の埃や離型時の粉塵が静電気で吸着しやすかった。
  • コスト・採算現状は手吹きでエアブローを約10秒間行っており、圧縮空気の消費が多く省エネの面でも課題があった。

やったこと

量産化に向けて画像測定器と徐電機を導入した。マイクロプレートの評価は従来、測定顕微鏡、ダイヤルゲージ、面粗さ計で行っていたが、画像測定器の導入により、熟練工で1製品当たり1時間要していた作業が4分でできるようになった。徐電機は、静電気の除去と同時にエアブローを行う装置で、これまで手吹きで約10秒要していたエアブローを5秒以下に抑えることができた。

検査測定画像測定器
その他徐電機

新しい製品・サービス:マイクロプレート(細胞立体培養向け)

事業の効果

  • 製品1個当たりの測定時間 60分→4分
  • エアブロー時間 10秒以下→5秒以下
  • 生産数5,000個で換算すれば7時間もの圧縮空気の削減になる

画像測定器の導入で製品1個当たりの測定が1時間から4分に短縮され、量産化に向けた検査工数の課題が解消された。徐電機により静電気除去とエアブローを同時に行えるようになり、エアブロー時間は約10秒から5秒以下になった。生産数5000個換算で7時間分の圧縮空気が削減され、省エネにも有効であることがわかった。今後は加工条件の検証の高速化や最適化、生産の安定化、品質監視の強化、歩留まり向上による生産能力の向上が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    マイクロプレート事業は平成21年から手がけたとあり過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場は平成42年に400億円と言われ、同社の製造ノウハウ蓄積や量産化の必要性は書かれるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    手吹きエアブロー約10秒を5秒以下にする等の課題認識はあるが、高付加価値化や成長につながる計画の記述は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    検査1製品1時間が4分に短縮、エアブロー10秒が5秒以下とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員18名や射出成形機・測定機器の保有は書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ガス透過性の高機能性樹脂、量産取引確定、試作受託、海外販売計画など、製品の特徴と顧客の動きが具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    加工条件の検証高速化や生産安定化など今後の効果は挙げられているが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    細胞立体培養向けマイクロプレートは国内でいち早く平成21年から手がけ、市場は平成42年に400億円と言われると書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    医療機器産業の発展に力を入れる国の政策に合致するとあり、再生医療市場の拡大も示されるが、波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果4

    生産数5,000個換算で圧縮空気が7時間分削減、検査時間1時間から4分と数値で費用対効果の一端が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    画像測定器や徐電機の導入は書かれるが、サプライチェーンや地域のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    再生医療・医療機器分野で国の政策に合致するとあり、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    大阪市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出についての記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

すでに量産の取引が確定している案件に加え、試作の受託などの商談も進んでいる。マイクロプレートを海外に販売する計画もあり、医療機器産業の発展に力を入れる国の政策にも合致するものとして期待が高まっている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。