ものづくり補助金平成26年度農業、林業大阪府

車いす対応災害時に役立つ、組立式温水シャワー

株式会社 タニモト

この事例のポイント

  • 従来の温水シャワーは設備が大きく、搬入に大型トラックが2台必要だったため、災害時に大型車両を使わず素早く組み立てられる設備が求められていた。
  • 従来品より入口を広くした車いす対応型の組立式温水シャワーを開発した。
  • 車いす対応型の組立式温水シャワーが完成し、展示会でのPRで評判を得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 タニモト
所在地大阪府 豊中市
業種農業
技術分野精密加工
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1975年

事業の背景

同社は昭和50年に起業し、鉄工所向けストーブの販売やメンテナンスを手がけた後、自動販売機の販売やメンテナンスを依頼されるようになった。その後、自販機のノウハウをもとに海水浴客向けのコイン式シャワーを手がけたが、海水浴は夏だけのため年間を通じた利用ニーズを求めて開発を進めた。阪神淡路大震災では温水シャワーを神戸市に寄贈し、被災者に好評だったが搬入の負担が大きかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の温水シャワーは設備が大きく、搬入に大型トラックが2台必要だったため、災害時に大型車両を使わず素早く組み立てられる設備が求められていた。
  • 品質・精度従来品は入口が狭く、車いすの利用者やお年寄りが使いにくかった。
  • 品質・精度通常の開き戸は強風にあおられて転倒する危険があった。

やったこと

従来品より入口を広くした車いす対応型の組立式温水シャワーを開発した。風を受けにくい専用の中折戸扉を採用し、バリアフリー化のために天井を少し高くした。温度調節バルブを小型化し、軽量素材を用いたことで大人4名で運搬できるようにした。専門工具を必要とするねじやボルト・ナットを一切使わず、すばやく簡単に組み立てられる構造とした。内部の間仕切りを外すと約1.5畳のプライベート空間を確保でき、着替えや授乳にも使える。

新しい製品・サービス:車いす対応型組立式温水シャワー

事業の効果

車いす対応型の組立式温水シャワーが完成し、展示会でのPRで評判を得た。組立式のため備蓄時に積み重ねて保管でき、軽量素材により大人4名で運べる。熊本刑務所の避難場所に従来型の組立式コインシャワーを設置するなど災害現場で採用が広がった。展示会を機に外国からの問い合わせも出てきている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    海水浴用コインシャワーから災害用組立式シャワーへ発展した経緯は読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    災害時の利用需要や展示会での外国からの問合せ、ねじを使わない組立式という強みは述べられているが、競争優位の分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    熊本地震で女性用更衣室や授乳室が不十分だった課題を挙げ、英字カタログ作成や営業人員採用、海外販売を計画としている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員11名で、これまで不在だった営業人員を採用する計画が書かれているが、体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自治体や大手企業、難民キャンプ向けの需要を挙げ、ねじを使わず大人4名で運べる軽量性など選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    英字カタログの作成やJETRO活用など取組は挙がるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    災害用の組立式コインシャワーは限られた分野で、ねじを使わない組立方式など独自性はうかがえるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    避難場所の入浴支援という公共性や、消防庁・自衛隊などへの需要、20年以上の避難施設支援の経験が述べられている。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値額や生産性の数値は示されておらず、費用対効果はうかがえる程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    先端的なデジタル技術の活用は書かれておらず、コイン式による利用回数管理がうかがえる程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    市場成長や日本経済の構造転換に関する記述はなく、海外販売への言及がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    大阪府豊中市の企業であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

英字のカタログを作成し、JETROの支援も受けて海外への販売を視野に入れる。これまで不在だった営業人員を採用し、自治体や従業員の多い大手企業へ積極的に売り込んでいく。

事業者の声

「今後は大災害が起こった場合、堅牢な公共施設が避難場所になる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。