ものづくり補助金平成26年度農業、林業鹿児島県

バガスと黒糖焼酎粕によるキクラゲ類の菌床栽培での試作開発

株式会社奄美大島宇検農産

成果食物繊維・β-グルカン収量(広葉樹おが屑・米糠培地比) 1倍→3.4倍

この事例のポイント

  • キクラゲ類は95%以上を輸入品が占めている。
  • サトウキビ製糖後に出る搾りかすのバガスを菌床培地の材料とし、黒糖焼酎粕を栄養材として用いたキクラゲ類の培地を調整した。
  • 食物繊維・β-グルカン収量(広葉樹おが屑・米糠培地比) 1倍→3.4倍。一般的な培地で栽培したものと比べ、食物繊維とβ-グルカンの収量が多く得られた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社奄美大島宇検農産
所在地鹿児島県 宇検村
業種農業
技術分野バイオ,機械制御,材料製造プロセス,製造環境,測定計測
従業員数3人
資本金500万円
設立1994年

事業の背景

サトウキビ栽培から黒糖製糖を行い、奄美の特産である果樹のパッションフルーツ、マンゴー、タンカンの栽培を主とした体験学習を通じて食と健康を伝えている。キクラゲ類は95%以上を輸入品が占めている。キクラゲ類は他のきのこ類に比べ発生温度が高く、奄美大島の気候条件に適している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信キクラゲ類は95%以上を輸入品が占めている。
  • 生産能力安心で安全な国内産のキクラゲの菌床栽培技術は確立されておらず、量産できていない。

やったこと

サトウキビ製糖後に出る搾りかすのバガスを菌床培地の材料とし、黒糖焼酎粕を栄養材として用いたキクラゲ類の培地を調整した。バガスは屋内で1〜2か月間発酵させてから培地基材に活用した。黒糖焼酎もろみを減圧蒸留して得た黒糖焼酎粕を栄養材として使い、菌床栽培を行った。一般的には菌床重量の40%の収穫量が理想値と言われているが、理想値の約1.5倍の収穫が得られた。

新しい製品・サービス:キクラゲ類を使った「酒の友」「ご飯の友」佃煮

事業の効果

  • 食物繊維・β-グルカン収量(広葉樹おが屑・米糠培地比) 1倍→3.4倍
  • 食物繊維・β-グルカン収量(バガス・米糠培地比) 1倍→1.9倍

一般的な培地で栽培したものと比べ、食物繊維とβ-グルカンの収量が多く得られた。広葉樹(おが屑)・米糠培地より3.4倍、バガス・米糠培地より1.9倍という試験結果になった。収穫量は理想値の約1.5倍となり、奄美大島の気候に適したキクラゲ類の栽培が可能になった。これらを生かして健康で安全・安心な地域特産の佃煮の試作品を開発した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組として果樹栽培や体験学習を行ってきたことは読めるが、キクラゲ菌床栽培が経営戦略上どう位置付けられるかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    キクラゲ類の95%以上が輸入品という市場の状況と、奄美の気候に適するという自社の立地条件は読み取れる。ただし競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    輸入依存という課題認識はうかがえるが、高付加価値化や成長につながる事業計画の具体性は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    理想値の約1.5倍の収穫という実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員3名との記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    食物繊維・β-グルカンの収量が一般培地の3.4倍、バガス・米糠培地の1.9倍と具体的な数値で健康面の価値が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の取り組みとして量産と市場展開を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    輸入が95%以上を占めるキクラゲ類を国内産で量産する点と、高付加価値の試作品を開発する点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地産地消や地域特産品化を掲げており地域への波及は読めるが、雇用創出や経済効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    バガスや黒糖焼酎粕という副産物を活用し、理想値の約1.5倍の収穫を得た点から費用対効果の方向性は読める。ただし投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    副産物の活用という工夫はうかがえるが、先端的なデジタル技術やビジネスモデルの記載はない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    奄美の気候と副産物を活かした地域特産品の開発であり、地域の特性を活かした取組として具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

安心で安全な国内産のキクラゲの菌床栽培技術を確立・量産し、市場展開を目指していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。