ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業大阪府

ステッカーに代わりインクジェットで車体にデザイン

この事例のポイント

  • ステッカーの施工では作業者の技術により品質がばらつき、軽微なミスが大きなクレームにつながることがあった。
  • 従来のステッカー施工に代わる、特殊インクを利用したインクジェット方式の導入を図った。
  • 大手企業への提案営業が可能になり、施工単価も下がった。

事業者のプロフィール

所在地大阪府 摂津市
業種技術サービス業
従業員数4人
資本金500万円
設立2007年

事業の背景

株式会社Cutting-Artは平成19年に創業し、トラック、バスや商用車などの車両への広告および看板などへカッティングステッカー施工を主に行ってきた。同社の強みは複雑な形状や局面にも施工できる技術とノウハウで、デザイン提案からデータ制作、見積もり、製作、施工まで自社で一貫して行える。主な取引先は大手トラック販売ディーラーなどである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ステッカーの施工では作業者の技術により品質がばらつき、軽微なミスが大きなクレームにつながることがあった。
  • 品質・精度塩化ビニール製のステッカーはトラックの凹凸面にきれいに貼れず、紫外線による硬化や色あせも避けられなかった。
  • 人手・技能熟練の作業者に頼る工程が多く、作業者の技量不足による施工へのクレームが生じていた。
  • コスト・採算経年劣化したシールをはがす際に車体を傷めるトラブルが多く、車両売却時の下取り査定が下がるなど利用者のコスト高につながっていた。

やったこと

従来のステッカー施工に代わる、特殊インクを利用したインクジェット方式の導入を図った。作業者の人的要素が大きかった作業工程を機械化するため、平成27年11月に株式会社エルエーシーのオートボディプリンタを入荷し、設備の据え付け、検査、調整を行った。装置の基本的な操作方法や制御調整方法、メンテナンス方法などの研修の後、部材別・形状別の施工条件の適正化と施工条件のシミュレーション、装置の適正設定条件の確立を行い、平成28年6月から営業を始めた。

加工機オートボディプリンタ(株式会社エルエーシー製)

新しい製品・サービス:特殊インクを用いたインクジェット方式による車両へのデザイン施工

事業の効果

大手企業への提案営業が可能になり、施工単価も下がった。作業者の技量の差が出にくくなり、品質の向上とクレームの減少が期待されている。貼り替え施工では特殊溶剤により車体を傷めず、作業の簡便化と作業時間の短縮につながった。乗用車販売ディーラーやバス・電車などの公共交通機関、屋外広告物など新たな業界へも営業を広げ、顧客の多様化と経営の安定化を図ることができる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成19年創業で、トラックやバスへのステッカー施工を主力としてきた実績があり、インクジェット導入はその延長線上の事業拡大として書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    複雑な形状や局面への施工技術とノウハウ、一貫体制が強みとして示され、大手ディーラーへの提案営業につなげる方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    施工時のばらつきやクレーム、塩化ビニールの凹凸面での貼りにくさ、紫外線による劣化など、課題が具体的に整理されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売り上げ増や信頼獲得は目指しているが、数値の目標は書かれておらず、実現可能性を判断する材料が乏しい。

  • 事業を進める体制4

    従業員4名のうち20代の若手3名が働き、導入後に設備の研修と条件確立を行ったと、体制と人材育成の取組が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手トラック販売ディーラーや乗用車ディーラー、移動広告向けバスなど顧客層が示され、凹凸面への施工と車体を傷めない点が選ばれる理由として挙げられている。

  • 事業化までの道筋4

    平成27年11月に設備を入荷し、据付・検査・研修を経て平成28年6月に営業を開始したと、時期を追って進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    従来のステッカーと異なる特殊インクジェット方式で、車両以外の靴や楽器などへの応用も挙げられているが、市場内での水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    若手3名の雇用に加え、今後2名程度の採用を考えると書かれており、雇用創出の面はうかがえるが波及効果は示されていない。

  • 費用対効果3

    施工単価が下がり作業時間が短縮したと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    特殊インクを使ったインクジェット方式で車体にデザインを直接施工する新技術を導入し、作業の簡便化と品質向上を実現したと書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    乗用車ディーラーやカスタムショップ、公共交通機関などへの進出を検討しており、事業領域を広げる方向性は書かれている。

  • 地域経済への波及2

    大阪府摂津市に所在することは書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大手トラック販売ディーラーへの技術のアピールにより売り上げ増を目指す。乗用車販売ディーラーやカスタムショップ、移動広告を主とするバスや電車などの公共交通機関、屋外広告物にも多角的に営業し、靴、コンクリートブロック、シャッター、楽器など他分野への応用も見込む。展示会への出展など異業種に向けた営業も進める。

事業者の声

この新しい技術を始めて目にしたとき、従来の技術に対して言いようのない危機感に襲われました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。