ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業大阪府

特殊鋼材の脱炭層除去に活路、新サービス確立で新分野を開拓

坂口鋼材 株式会社

この事例のポイント

  • 顧客は脱炭層(黒皮)付きの薄い特殊鋼材を購入し、自分で黒皮を除去して裁断・切削・焼き入れをしていたが、脱炭層が少しでも残ると焼き入れ時に割れが生じ、除去の判断も顧客には難しかった。
  • 両頭側面加工機を導入し、顧客が購入した薄い特殊鋼材の脱炭層をロータリー研磨機で完全除去してから、顧客の求めるサイズに加工して供給する体制をつくった。
  • 両頭側面加工機の導入により、脱炭層を完全除去した自由サイズの特殊鋼板を供給でき、切断から加工・販売までムダのない一貫した体制を構築した。

事業者のプロフィール

事業者名坂口鋼材 株式会社
所在地大阪府 大阪市東成区
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
技術分野精密加工
従業員数9人
資本金1,400万円
設立1958年

事業の背景

同社は昭和33年の創業以来、50年以上にわたり大阪市周辺の金型や鋼材などを手がける顧客を主な相手に、地域のものづくりに寄与してきた。炭素鋼、炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度工具鋼などの特殊鋼材の切断・販売を手がけ、特殊品の切断・加工技術と仕入ネットワークで「顧客の材料倉庫」として多種多様な在庫をそろえてきた。もっとも得意とするのは工具、包丁などの刃物用や測定ゲージなどの特殊合金鋼材で、10mm以下の薄板の加工である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度顧客は脱炭層(黒皮)付きの薄い特殊鋼材を購入し、自分で黒皮を除去して裁断・切削・焼き入れをしていたが、脱炭層が少しでも残ると焼き入れ時に割れが生じ、除去の判断も顧客には難しかった。
  • 生産能力丸棒型の鉄鋼材料にも脱炭層除去の課題があったが、直径200〜600mm・長さ400mmの大きなサイズは仕事がわずかで利益も低く、加工できる業者が減っていた。
  • 人手・技能後継者不足などから、大きなサイズの丸棒を加工できる業者が減っており、同社で対応できる体制が必要だった。

やったこと

両頭側面加工機を導入し、顧客が購入した薄い特殊鋼材の脱炭層をロータリー研磨機で完全除去してから、顧客の求めるサイズに加工して供給する体制をつくった。対象は厚さ1〜10mm、幅5〜300mm、長さ40〜500mmの薄板である。脱炭層を完全除去することで焼き入れ時に割れのない自由サイズの特殊鋼板を供給できるようになり、同時に大型製品の内製化も図れて納期も2日短縮した。さらに複合型NC旋盤(ターニングセンタ)を導入し、直径200〜600mm・長さ400mmの丸棒型鉄鋼材料についても脱炭層除去と穴開け・溝入れなどの加工ができるようにした。

加工機両頭側面加工機
加工機ロータリー研磨機
加工機複合型NC旋盤(ターニングセンタ)

新しい製品・サービス:脱炭層除去の表面処理サービス(欲しい鋼材を欲しい時に、欲しい量をすぐに使える状態で供給する)

事業の効果

両頭側面加工機の導入により、脱炭層を完全除去した自由サイズの特殊鋼板を供給でき、切断から加工・販売までムダのない一貫した体制を構築した。薄板は徐々に受注が増え、刃物製造業者からの発注も来はじめた。内製化により納期が2日短縮し、翌日納品も実現し、利益率は約30%向上して社員のスキルもアップした。複合型NC旋盤の導入で丸棒型鉄鋼材料の脱炭層除去も可能になり、生産性の向上につながった。

今後の展望

複合型NC旋盤の稼働は平成28年7月と新しく受注はこれからだが、手薄サイズの加工品が将来は航空機用部品につながると見込んでいる。名古屋や神戸の航空機部品メーカーからタービン向けのチタンやステンレスの母材加工の引き合いも出てきた。供給体制が本格的に稼働すれば、月5,000万円の売上、年間6億円も夢ではないと見込んでいる。

事業者の声

「現在、日本で特殊鋼の薄板定尺母材で研磨品を提供できるのは、うちだけ」

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。