ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

カバーケースの進化にチャレンジ

株式会社 河島製作所

この事例のポイント

  • スマートフォンカバーには耐久性や耐水性の高機能化と、持ちやすさや質感へのユーザー要求を両立させる開発・製造が求められていた。
  • 代表取締役社長をリーダーに全社一丸の体制をとり、成形機用コンベアを含むインバーターコンプレッサー、新型の射出成形機、デジタルマイクロスコープを導入した。
  • 樹脂素材ごとの最適な加工条件を、勘と経験ではなく最先端の制御装置で行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 河島製作所
所在地大阪府 東大阪市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数37人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

昭和60年に小さな貸し工場で樹脂成形を始め、移転と拡張を繰り返して規模を拡大してきた。売上高のうち自社製品の割合は約40%に達している。特につり下げ用フックは自社ブランドとして約3,800種類を展開し、国内シェアで1位か2位を争っている。スマートフォンや加熱式たばこ向けのカバーケースも成長を後押ししている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術スマートフォンカバーには耐久性や耐水性の高機能化と、持ちやすさや質感へのユーザー要求を両立させる開発・製造が求められていた。
  • 新製品・新技術カバーはスマートフォンの耐衝撃性を高める役割を担う一方、ジャストサイズ過ぎると装着が困難になるため、その両立が課題だった。
  • 人手・技能樹脂素材ごとに異なる最適な加工条件を、勘と経験に頼って制御していた。
  • 品質・精度ゲートに近いほど品質精度が高く、離れるほど低くなる傾向があり、成形後に形状が変化しないよう対策が必要だった。
  • 品質・精度製品の寸法を㎛レベルで数値管理し、形状のわずかな変化を把握できる体制が整っていなかった。

やったこと

代表取締役社長をリーダーに全社一丸の体制をとり、成形機用コンベアを含むインバーターコンプレッサー、新型の射出成形機、デジタルマイクロスコープを導入した。インバーターコンプレッサーは送風を制御するインバーターを備え、成形後に形状が変化しないよう成形機用コンベアにも工夫を施した。新型の射出成形機はゲートの位置が成形精度に与える影響を排除した設計で、ゲートから離れても品質精度が落ちにくい。デジタルマイクロスコープで㎛レベルの寸法を管理し、形状のわずかな変化を把握して加工にフィードバックする仕組みとした。

その他インバーターコンプレッサー
その他成形機用コンベア
加工機射出成形機
検査測定デジタルマイクロスコープ

新しい製品・サービス:加熱式たばこ「アイコス」向けカバーケース

事業の効果

樹脂素材ごとの最適な加工条件を、勘と経験ではなく最先端の制御装置で行えるようになった。成形品の寸法を数値で正確に管理でき、㎛レベルで品質精度の高い均一な製品を安定して作れるようになった。形状のわずかな変化も把握して加工にフィードバックできるため、品質の向上につながっている。この技術はスマートフォンのカバーにとどまらず、他の用途にも展開できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業32周年で移転拡張を重ね、自社製品比率も約40%に達したと書かれ、自社ブランドのフック事業からの延長線上の取組と読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    つり下げ用フックは国内シェア1、2位を争い、成形メーカーながらレーザー溶接機を保有して量産と試作を両立している点が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    樹脂の種類増加と、ゲート位置による成形精度のばらつきという課題を認識し、インバーターコンプレッサーや新型射出成形機の導入で対応したと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、生産精度の向上にとどまるため、目標の実現可能性はうかがえるだけである。

  • 事業を進める体制3

    河島直也社長をリーダーに全社一丸の体制を採ったと書かれているが、人材や事務処理能力の具体的な内容は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スマートフォンのカバーに対し、耐衝撃性や密着性防止、耐久性・耐水性、持ちやすさといったニーズを整理し、アイコス向け製品の価値を説明している。

  • 事業化までの道筋2

    今後の戦略として他用途への展開が述べられているが、中長期の検証方法やスケジュール、課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内シェア1、2位のフックに加え、㎛レベルの品質精度や数値管理による均一な製品づくりを示しており、同分野で高水準の付加価値化を図っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    スマホカバーの用途から他用途への展開に触れているが、雇用創出や地域への波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果1

    補助金の投入額や付加価値額、生産性の増加幅など費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタルマイクロスコープで㎛レベルの形状を把握し加工にフィードバックするなど先端的な計測技術を使うが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    スマホやアイコス向け製品への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換に資する内容としては書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    所在地は東大阪市と書かれているが、地域の特性を活かした取組や地域経済への牽引効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

数値管理による高精度な成形技術を、スマートフォンのカバー以外の用途にも展開していく方針である。カバーケースが本体の品質不足を補う役割も、今後さらに求められるとみられる。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。