ものづくり補助金平成26年度製造業兵庫県

業界初!忙しい先生が学生指導に専念できるセミオーダー印刷システムの開発

兵田印刷工芸株式会社

この事例のポイント

  • 営業担当者が顧客を訪問して要望の聞き取りや校正のやりとりを行う従来のやり方では、発注側も受注側も時間が限られ、対応が追いつかない。
  • 顧客の制作・入稿作業と当社の受注・印刷前工程をIT化する印刷受発注システムを導入し、既存の生産ラインと連動させるワークフローシステムを組み合わせた。
  • 顧客は好きな時間にWeb上で制作・校正・入稿ができるようになり、教員など多忙な顧客も業務の合間に印刷物を準備できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名兵田印刷工芸株式会社
所在地兵庫県 西宮市
業種印刷・同関連業
技術分野情報処理
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1966年

事業の背景

印刷業では、営業担当者が顧客を訪問して要望を聞き、入稿前も頻繁に訪問して校正のやりとりをするのが一般的だった。スピードが重視される現代では発注側も受注側も忙しく、印刷物への要望は細かくなっている。印刷会社へのニーズは、デザイン・制作を自分で行い印刷は安いほどよい低価格型と、作業の大半を任せる高付加価値型の二極化が進んでいる。当社は高付加価値型の案件でも、ITを活用すれば手間を省き生産性を上げられると考えた。主力は印刷全般及び印刷紙器の製造販売、企画、デザインで、主要な顧客に教育関係者が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能営業担当者が顧客を訪問して要望の聞き取りや校正のやりとりを行う従来のやり方では、発注側も受注側も時間が限られ、対応が追いつかない。
  • 生産能力印刷物への要望が細かくなる一方、作業の大半を印刷会社が担う高付加価値型の案件は手間がかかり、生産性を上げにくい。
  • 品質・精度校正のやりとりを人手で繰り返すため手間がかかり、オペレーターが校正時にミスをすることがあった。

やったこと

顧客の制作・入稿作業と当社の受注・印刷前工程をIT化する印刷受発注システムを導入し、既存の生産ラインと連動させるワークフローシステムを組み合わせた。受注・校正・検版から業務管理までをWeb上で自動的に行えるようにし、作業指示や原価管理とも連動させた。機械設備と業務管理システムを連動させて業務全体を見える化し、リアルタイムで業務の進行状況や顧客情報を従業員全員で共有し、各仕事の原価を管理できる体制を構築した。顧客は好きな時間に印刷物をWeb上で制作・校正・入稿できるようになり、セミオーダー型という新しい発注方法が加わった。

新しい製品・サービス:業界初のセミオーダー印刷システム。Web上で受注・校正・検版から業務管理までを一貫して自動で行う。

事業の効果

顧客は好きな時間にWeb上で制作・校正・入稿ができるようになり、教員など多忙な顧客も業務の合間に印刷物を準備できるようになった。当社では営業担当者の訪問や校正のやりとりが減り、提案営業へ時間を振り向けられるようになった。オペレーターの校正時のミスも軽減され、受発注管理や入稿前の作業が容易になった。業務の見える化により原価管理や業務改善が全体で行える体制ができたが、代表者は効果が出るのはこれからだと述べている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    以前から設備投資を重視し、先を見据えてIoTに先行投資してきたという記載があり、過去の取組と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    印刷ニーズが低価格型と高付加価値型に二極化しているとし、主要顧客の教育関係者向けに中間のセミオーダー型を提示している。

  • 課題の認識と解決4

    校正やり取りに頻繁な訪問が必要だった課題を挙げ、受注から校正までWeb上で自動化する対策を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上や提案営業への時間シフトは述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員19人の会社で全従業員の創造力強化を掲げるが、事業推進の人員配置や事務処理体制の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    細かな印刷要望が増えているという市場背景と、教育関係者は多忙という顧客像を挙げ、セミオーダー型が選ばれる理由を示している。

  • 事業化までの道筋3

    将来的に社内工程の完全自動化を目指すと方向性は示されるが、スケジュールや段階的な実施方法の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    発注・校正の仕方として既製品型とフルオーダー型の中間に当たるセミオーダー型を新たに設けたと記載されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    効果はこれからとされ、投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTによる工程の見える化やWeb上での受注・校正・検版の自動化など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    印刷業の二極化という市場の変化には触れているが、日本経済の構造転換への言及はわずかである。

  • 地域経済への波及2

    西宮市に所在する事業者であることは示されるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は乏しい。

今後の展望

将来的には社内の工程の完全自動化を目指し、全従業員の創造力を強化して付加価値の高いサービス提供を実現させる。

事業者の声

設備投資は人材育成だ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。