ものづくり補助金平成26年度製造業奈良県

大和茶葉で抗菌性を付与した複合プラスチック日用品の製造技術開発

梅本樹脂工業株式会社

この事例のポイント

  • 長年、大手企業の下請けとして完成製品の一部の樹脂部品を製造しており、下請け依存体質からの脱却が経営課題だった。
  • 地域異業種研究会の紹介で、地域ブランド「大和茶」の焙煎・製造工場で廃棄される茶葉の有効活用に取り組んだ。
  • 茶葉を配合した樹脂材料で、茶葉の粒が見えるデザイン性と茶の香りが高い評価を得た。

事業者のプロフィール

事業者名梅本樹脂工業株式会社
所在地奈良県 大和高田市
業種プラスチック製品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

当社は1962年の創業以来、半世紀以上にわたりプラスチック成形業を営んできた。リサイクル材を使った熱可塑性樹脂の学童用教材を主力製品とし、熱硬化性樹脂による碍子製造など多分野多品種の製品を手がけている。県内で熱可塑性・熱硬化性の成形を行えるのは当社を含め2社のみである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信長年、大手企業の下請けとして完成製品の一部の樹脂部品を製造しており、下請け依存体質からの脱却が経営課題だった。
  • 新製品・新技術他社との差別化を図るため、自社独自の高付加価値製品を開発する必要があった。

やったこと

地域異業種研究会の紹介で、地域ブランド「大和茶」の焙煎・製造工場で廃棄される茶葉の有効活用に取り組んだ。茶カテキンの抗菌作用や香りに着目し、粉末化した茶葉と樹脂材料の適正な配合比率の確立を目指した。お茶缶セット用のかご・茶筒の試作を行い、その過程で新型の射出成形機を導入して、材料の配合と成形性を向上させ、樹脂材料と茶葉を含むその他原料の混練性を改善した。抗菌性検証では満足のいく評価を得られず今後の課題となったが、茶葉の粒が見えるデザイン性や茶の香りが高評価を得た。

加工機新型の射出成形機

新しい製品・サービス:茶葉を配合した複合プラスチック日用品(お茶缶セット用のかご・茶筒)

事業の効果

茶葉を配合した樹脂材料で、茶葉の粒が見えるデザイン性と茶の香りが高い評価を得た。新型射出成形機の導入により、材料の配合と成形性、混練性が改善された。抗菌性は満足のいく評価に至らず今後の課題として残った。本事業で一定の成果を得ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    下請け依存からの脱却が経営課題と書かれ、独自製品開発へ向かう流れは読めるが、過去の取組との一貫性を示す具体記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内で熱可塑・熱硬化の両方を成形できるのは2社のみ、透明品に対応できる点が特長と書かれ、強みは読み取れる。市場環境の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    下請け依存という課題と茶葉配合の高付加価値製品化という解決策は示されているが、事業計画の数値や収益見通しは書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    プラスチック成形業として半世紀以上の実績と従業員40名が書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    茶葉の抗菌性や茶の香り、茶葉の粒が見えるデザイン性が高評価を得たと書かれ、製品の価値とターゲットの方向性が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作後に量産化と更なる改良を続けると書かれ、今後の方針はあるが、スケジュールや課題解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    茶葉配合の抗菌性プラスチック日用品は、わさびや和紙など特殊原料を試した上での独自製品と書かれ、新規性がうかがえる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    廃棄される茶葉の有効活用という地域資源の活用がうかがえるが、雇用創出や波及効果の記述はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    廃棄茶葉を樹脂に混ぜるリサイクル的な取組はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    地域ブランド大和茶の茶葉を活用し、地域異業種研究会との連携で製品化した点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作品は今後量産化し、さらなる改良を続ける。かご・茶筒以外の日用品やノベルティへの展開を、メーカーと協力して企画・販路開拓を進めている。子供市場の縮小を受けて介護施設向けを含む高齢者市場も見据えているが、低コストで関心を惹く製品と見せ方を作ることが今後の課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。