ものづくり補助金平成26年度製造業奈良県

最新編立設備導入による100%天然素材の機能性靴下の試作開発

高井辰株式会社

成果不良率 60%→3%

この事例のポイント

  • 国内靴下メーカーの強みだった品質の良さは、海外の製造技術向上によって優位性が薄れている。
  • 特殊天然素材の和紙と竹を用いた試作を行い、和紙×竹の組合せでは生産条件の確立に至らなかったものの、それぞれの単独配合と和紙×綿の組合せで新たな機能性靴下の生産条件を開発した。
  • 不良率 60%→3%。新型編機の導入により特殊天然素材の製品化が可能になり、不良率の大幅な低減によりコスト削減と納期短縮が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名高井辰株式会社
所在地奈良県 大和高田市
業種繊維工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1935年

事業の背景

国内靴下産業は事業者数が大きく減少し、海外の安価品との競争になっている。当社は1935年創業の紳士・婦人用靴下メーカーで、OEM生産に対応しながら自社ブランド「Legacess」を展開している。2008年から中国市場へ進出し、同ブランドの逆輸入による国内展開を狙っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度国内靴下メーカーの強みだった品質の良さは、海外の製造技術向上によって優位性が薄れている。
  • 販路・情報発信自社ブランド「Legacess」のブランド力と高付加価値靴下の開発が課題となっていた。
  • 新製品・新技術従来にない機能性を持つ高付加価値靴下を開発するため、特殊天然素材の和紙と竹を使う必要があった。

やったこと

特殊天然素材の和紙と竹を用いた試作を行い、和紙×竹の組合せでは生産条件の確立に至らなかったものの、それぞれの単独配合と和紙×綿の組合せで新たな機能性靴下の生産条件を開発した。汎用性が高く生産効率を上げる新型編機を導入した。編機導入により、60%以上あった和紙・竹素材の不良率を3%以下まで低減した。

加工機新型編機

新しい製品・サービス:100%天然素材の機能性靴下

事業の効果

  • 不良率 60%→3%

新型編機の導入により特殊天然素材の製品化が可能になり、不良率の大幅な低減によりコスト削減と納期短縮が実現した。これにより商品提案力が強化され、特殊天然素材の製品化・事業化の目処が立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    2008年の中国進出や自社ブランド「Legacess」の展開など過去の取組は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一般的な靴下メーカーの約5倍の糸品種数や特殊天然素材への対応、サンプル製作のリードタイムの短さが強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    国内靴下産業の事業者減少と海外安価品との競争、品質優位性の低下という課題を示し、高付加価値靴下の開発で対応する方針が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    不良率60%以上を3%以下に低減しコスト削減と納期短縮を実現したと数字で示されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員19名の企業であることは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    100%天然素材の機能性靴下という製品の特徴と、消費者や商社・卸問屋から高い評価を得ている点が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の方針として新素材研究開発の継続と販路拡大が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    和紙・竹など特殊天然素材を用いた機能性靴下で、他社が手がけない分野に取り組むと書かれ、高付加価値化の方向性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内靴下産業の事業者減少という課題は触れられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    不良率を60%以上から3%以下へ改善しコスト削減と納期短縮が実現したとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新型編機の導入で特殊天然素材を扱えるようにしたとあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良県大和高田市の靴下メーカーで地域の事業者としての記載はあるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中国市場での自社ブランドの評価を活かし、Legacessのブランド力と生産率を高めて新規顧客獲得と販路拡大に努める。シルクプロテイン、とうもろこし、クモの糸など新たな特殊天然素材の研究開発を続け、製品化したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。