ものづくり補助金平成26年度運輸業、郵便業和歌山県

国内外を結ぶ物流の結節となる港湾運送で90年の業歴クラウド型物流システムの構築により、連携強化を図る

株式会社 新栄組

この事例のポイント

  • 既存の在庫管理システムは、導入時と比べて顧客数と品数が格段に増え、限界が見え始めていた。
  • ウェブ上で機能するクラウド型の在庫管理システムを構築した。
  • 今回のシステム導入により、「手配遅れ」や「手配間違い」が激減し、事務作業面を大きく改善できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 新栄組
所在地和歌山県 和歌山市
業種運輸に附帯するサービス業
従業員数58人
資本金7,500万円
設立1956年

事業の背景

同社は1956年設立で、90年の業歴を持つ和歌山県の港湾運送業者である。主力の和歌山下津港国際コンテナターミナルで、船内荷役、はしけ回漕、沿岸荷役、倉庫での荷物管理、輸出入貨物の税関手続きなどを一貫して担っている。取り扱う荷物は日用雑貨品、化学薬品を主力とし、鉄鋼関連、繊維関連、中古車、梅干しなど和歌山の地場産業の荷物も多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の在庫管理システムは、導入時と比べて顧客数と品数が格段に増え、限界が見え始めていた。
  • 納期・工程従来のシステムでは災害時の物流の復旧に膨大な時間と労力が必要で、復旧の遅れによっては企業存続に関わりかねないという危機感があった。
  • 人手・技能トラック不足・運転手不足により運送便を手配できず電話依頼に追われることや、帰りに積む荷がない空便が発生していた。
  • その他同業者との連絡が紙媒体となっており、業務が煩雑になっていた。

やったこと

ウェブ上で機能するクラウド型の在庫管理システムを構築した。貨物物流に関わる顧客、生産業者、物流(配送)業者、倉庫業者などのすべての関係者が、同時に貨物情報を共有できる体制を整えた。導入にあたっては取引先への説明やヒアリングを行い、取引先ごとに利用できる権限を選別した。導入後は社内外へのシステムのレクチャーを行い、時間とともに問題なく利用できるようになった。

ソフトクラウド型在庫管理システム

事業の効果

今回のシステム導入により、「手配遅れ」や「手配間違い」が激減し、事務作業面を大きく改善できた。物流の見える化によって効率の良い運送便を早期に手配できるようになり、販売戦略にも役立っている。顧客からは簡単で使いやすいと高い評価を得ており、システムの根幹を変えずに表記を外国語対応に変更したことで、海外展開も視野に入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業90年の港湾運送業で、クラウド型在庫管理を既存システムの限界克服として導入しており、過去の業歴と一貫した取組と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    複数拠点の通関スペシャリストや豊富な通関実績、NACCSを使った強みが具体的に書かれ、競争優位の根拠が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    トラック不足や空便、手配遅れの課題を挙げ、導入後に早期の物流予定が立てられるようになったと効果も示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかに業務効率化の効果がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    通関スペシャリストが在籍する体制や、導入時にレクチャーに時間を要したことは読めるが、人員や事務体制の具体数は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客からの評価の高さや連携を検討する顧客の意向は読めるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    導入の経緯、顧客説明やヒアリング、レクチャーの対応と、災害時の復旧に向けた物流センター建設の検討が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    クラウド型在庫管理は同業で導入が少ないと読めるが、高付加価値化や高価格化の根拠は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    和歌山県の地場産業の荷物を扱い、海外企業と県内企業の橋渡しに貢献する点が書かれているが、経済波及の定量的記述はない。

  • 費用対効果2

    事務作業の改善や手配遅れの減少は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    クラウド型在庫管理と内陸部の物流センター連携で、サプライチェーンの短時間復旧を目指す取組が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外展開や国際複合輸送の強化がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述とは言いにくい。

  • 地域経済への波及4

    和歌山下津港を拠点に地場産業の荷物を扱い、県内企業を物流面から支える点が数字なしで具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大規模な地震や津波が懸念される和歌山県において、津波が到達しない内陸部に物流センターの建設を検討している。内陸部の物流センターと今回導入した新システムを連携させ、サプライチェーンの短時間復旧を目指し、沿岸部の企業の撤退回避に貢献したいとしている。今後は海外企業と県内企業の橋渡しにも一層貢献することを期待している。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。