ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

新宮から紀州熊野材の魅力を発信伝統工法と高精度プレカットの融合で低価格化を実現

新宮木造住宅 協同組合

この事例のポイント

  • 紀州熊野材の良さを活かせず、大手ハウスメーカーと差別化できず広告宣伝力でも太刀打ちできない。
  • 高性能オペレーションシステムを導入し、伝統工法とプレカットを融合させて木造住宅の低価格化に挑戦した。
  • 木組みが見える住宅でも一般的な住宅と骨組み坪単価がさほど変わらない水準まで価格を下げることに成功した。

事業者のプロフィール

事業者名新宮木造住宅 協同組合
所在地和歌山県 新宮市
業種木材・木製品製造業
従業員数2人
資本金1億円
設立1998年

事業の背景

同組合は1998年設立の木材のプレカットを目的とした組合で、組合員は林業、製材業、建築材料卸売業、建築工事業の事業者で構成される。串本町から熊野市まで伝統工法に対応した加工を一手に請け負っている。当地では木を壁の中に封じ込めてクロスを張る住宅が主流となり、木組みが見えず紀州熊野材の良さを活かせていない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信紀州熊野材の良さを活かせず、大手ハウスメーカーと差別化できず広告宣伝力でも太刀打ちできない。
  • コスト・採算伝統工法は大工の手間がかかり坪単価が高くなり、住宅価格が割高になってしまう。
  • 人手・技能木造住宅建設に携わる技術のある大工が減少している。
  • 集客・繁閑大安などのお日柄に合わせて建築現場が動くため受注時期に偏りが出て、対応しきれないことがある。

やったこと

高性能オペレーションシステムを導入し、伝統工法とプレカットを融合させて木造住宅の低価格化に挑戦した。コンピューター制御で機械加工し、高品質で安定した加工木材を提供できるようにした。図面を電子媒体でやり取りし、構造計算まで行えるようにしたことで加工ミスや細かい修正の手間をほぼなくした。大工が現場で手作業で加工する必要がなくなり工期を短縮した。

ソフト高性能オペレーションシステム

新しい製品・サービス:紀州熊野材を使った耐震ベッド

事業の効果

木組みが見える住宅でも一般的な住宅と骨組み坪単価がさほど変わらない水準まで価格を下げることに成功した。工期短縮によるコストダウン効果が出ている。新規のプレカット依頼が増え、販売面でも成果が上がっている。加工担当者の技術や環境に左右されず誰でも安定した品質で加工できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    木材プレカットを目的に1998年設立と事業の経緯は書かれているが、過去の取組と今回の投資の関係は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    串本町から熊野市までプレカット加工を一手に請け負い、同エリアに競合業者がいない強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    受注時期の偏りと対応しきれない課題を挙げ、構造計算の電子化で加工ミスや修正の手間が減ったと成果も示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    骨組坪単価を一般的な住宅に近い水準まで下げたと書かれるが、目標値や数字の目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    理事長含め従業員2名の体制と組合員のネットワークが書かれているが、事務処理能力や遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木組みが見える住宅を低価格で提供する価値と、新規プレカット依頼の増加という需要の裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    伐採から組み上げまでの流れで紹介し、耐震ベッドの開発を進めると書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木組みの見える住宅は伝統工法の見直しとして書かれるが、普及度や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    紀州熊野材の地産地消や地域の大工減少への対応が書かれ、地域経済への意義はうかがえるが定量的ではない。

  • 費用対効果3

    工期短縮によるコストダウン効果や新規依頼増が書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    オペレーションシステムで図面を電子媒体でやり取りし構造計算まで行う点が書かれ、デジタル活用はうかがえる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    住宅の低価格化と木材の地産地消は書かれるが、日本経済の構造転換に資する点はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及4

    紀州熊野材を活かした地域密着の事業で、串本町から熊野市までの地域の加工を担い、地域の産業振興に寄与する点が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小型モデルハウスに頼らず組合員のネットワークを活用してPRを進め、木の伐採から組み上げまでの家が建つ流れを紹介して木組みの見える住宅に興味をもってもらう。紀州熊野材を使う耐震ベッドなど自社オリジナル品の開発も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。