ものづくり補助金平成30年度製造業秋田県

縁貼り工程の自動化による生産性向上と高付加価値工程のキャパアップ

株式会社小松木工

成果縁貼り工程の作業時間 5分→0.33分

この事例のポイント

  • 木製家具製造業は人口減少などを背景に人手不足が深刻で、担い手がいないことによる廃業が増え、業界全体の生産能力が不足している。
  • 海外製品を含めた自動縁貼り機を調査し、最大12mmの板厚まで貼り付け可能な機種を確認したうえで、最新のエッジバンディングマシンを導入して縁貼り工程の自動化を図った。
  • 縁貼り工程の作業時間 5分→0.33分。高度技能者が5分程掛かっていた縁貼り工程が、一般作業者でも20秒程で作業できるようになり、生産能力が増強された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小松木工
所在地秋田県 横手市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数36人
資本金300万円
設立1969年

事業の背景

当社は1969年創業の木製家具・建具製造業者で、東日本全域の学校関係、医療機関、介護施設等を主な取引先として木製家具を供給している。大量生産の安価な家具が市場規模を広げるなか、経験豊かな技術者が手作業による確認調整を行い、特に組子技法に卓越している。木製家具製造業は深刻な人手不足の状況にあり、生産能力の増強と人材育成時間の捻出が共通の課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力木製家具製造業は人口減少などを背景に人手不足が深刻で、担い手がいないことによる廃業が増え、業界全体の生産能力が不足している。
  • 生産能力川下企業から当社に生産能力の増強を迫られるケースが増えていた。
  • 人手・技能既存のエッジバンディングマシンで対応できる厚みは3mmが限度で、それ以上の厚みのエッジテープを貼り合わせる場合は高度技能者が手作業で行っていた。

やったこと

海外製品を含めた自動縁貼り機を調査し、最大12mmの板厚まで貼り付け可能な機種を確認したうえで、最新のエッジバンディングマシンを導入して縁貼り工程の自動化を図った。接着不良対策として、接着面の断面仕上げ研磨、清掃、接着剤塗布を前処理として自動で行う機種を選定した。また、接着強度を上げるため最適な作業手順を確立し、一般作業者でも品質のバラツキが出ないよう複数人に操作指導を実施した。これにより高度技能者の工程を一般作業者でも対応できるよう手順化した。

加工機エッジバンディングマシン(木工用縁貼り機、最大12mm対応の自動縁貼り機)

事業の効果

  • 縁貼り工程の作業時間 5分→0.33分
  • 貼り付け可能な板厚 3mm→12mm

高度技能者が5分程掛かっていた縁貼り工程が、一般作業者でも20秒程で作業できるようになり、生産能力が増強された。厚みのある挽板を縁貼り材として貼り付けできるため、ホテルや介護施設向けの製品納品の機会増加に対応できている。縁貼りの自動化で生まれた時間を人材教育に充てることができ、平成31年、令和元年、令和2年に各2名ずつ継続的に新規採用している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    木製家具の人手不足と生産能力増強の課題が書かれ、過去の組子技法や人材育成への継続的取組との関係はうかがえる。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大量生産の安価な家具が市場を広げる中、組子技法に卓越し手作業確認を残す強みが記述されている。ただし競争優位性の定量的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    高度技能者の作業を分析し、厚み3㎜が限度という課題を特定して自動縁貼り機導入で解決した流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間が5分程から20秒程に短縮された実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    複数人に操作指導を実施し、新規採用を毎年2名ずつ行い、資格取得費用を全額負担するなど人材面の体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ホテルや介護施設で挽板縁貼り製品の納品機会が増えているというニーズと、天然木の高級感という選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    接着不良対策の前処理自動化や作業手順の確立、指導の実施など遂行方法が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    木製家具は大量生産品と比べ高付加価値を狙う分野だが、挽板縁貼りの高水準化を示す数値や市場情報は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    木製家具製造業の人手不足による廃業増加と業界の生産能力不足が背景として書かれているが、国が補助する波及効果の記述は限定的である。

  • 費用対効果3

    作業時間の短縮と人材教育時間の捻出は読み取れるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3D-NC木工用ルーターの導入が触れられているが、サプライチェーンへの貢献やビジネスモデル構築の記述は少ない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    秋田県横手市の企業として東日本全域の学校・医療・介護施設へ供給している点が書かれ、地域特性と雇用の継続は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

従業員教育に力を入れ、会長が若年者に刃物の取り方を直接指導している。入社後2〜3年で技能士検定を受検させ、二級は新入社員以外全員が保有、一級でも7〜8割の社員が資格を保有している。受験費用は全て会社負担としている。今年度3D-NC木工用ルーターを導入し、機械化で対応可能な作業と高度技能者の手作業を融合させて品質向上に努める考えである。

事業者の声

「常にお客様の立場になって考える」です。最新の設備導入と従業員の育成を継続することで、製品品質の向上を追求しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。