ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業佐賀県

「AAA調剤監査システム」確立による“エラー率ゼロ”と人材育成戦略

株式会社 大平

この事例のポイント

  • 従来は薬剤師の作業負担が重く、一包化調剤の薬剤分包や目視による監査に手間がかかっていた。
  • 全自動大型錠剤分包機と一包化監査システムを導入し、2015年12月7日に機器を設置した。
  • 大型自動錠剤分包機は最大882種類の薬剤を運用でき、薬品収納能力も向上したため、薬剤師が薬品マスへ直接手撒きする作業が激減し、ヒューマンエラーを避けつつ分包作業が軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 大平
所在地佐賀県 佐賀県杵島郡白石町
業種その他の小売業
従業員数100人
資本金1,000万円
設立1981年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能従来は薬剤師の作業負担が重く、一包化調剤の薬剤分包や目視による監査に手間がかかっていた。
  • 品質・精度ヒューマンエラーによる重大な処方ミスが生じるリスクを抱えていた。
  • 人手・技能薬剤師がルーチンワークや調剤に追われ、患者の不安や問題点を見つけて治療や健康管理に注力する体制が十分ではなかった。

やったこと

全自動大型錠剤分包機と一包化監査システムを導入し、2015年12月7日に機器を設置した。12月8日・9日に試験操作を行い、14日分・2種類・全42包(1日3回:朝食後・昼食後・夕食後)を想定して6パターンで試験した。試験ではカセットやコンベアからの分包、故意に誤った錠剤のセット、手撒き錠剤の種類変更、錠剤の重なりなどを再現した。誤りのある場合は機械が作動しないか、監査でエラーを検出してワーニングを出すことを確認した。導入に際しては資料による研修会を開き、「ものづくり事業計画」を推進するプロジェクトチームを立ち上げた。

加工機全自動大型錠剤分包機
検査測定一包化監査システム

事業の効果

大型自動錠剤分包機は最大882種類の薬剤を運用でき、薬品収納能力も向上したため、薬剤師が薬品マスへ直接手撒きする作業が激減し、ヒューマンエラーを避けつつ分包作業が軽減された。一包化監査システムは画像解析で薬剤と数量を監査するため、目視監査の負担が軽減され、レセプトコンピュータのデータで起動することで取り間違えも防止できる。試験の結果、短時間での調剤と監査が確認できた。今後は待ち時間の短縮と服薬指導・副作用確認などの充実により、患者満足度と薬剤師満足度の向上、かかりつけ薬局としての機能強化を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    「ものづくり事業計画」を推進するプロジェクトチームを立ち上げたとあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内では弊社の他に全自動大型錠剤分包機と一包化処方監査システムの導入事例はないと書かれ、差別化の方向性はうかがえるが定量的根拠はない。

  • 課題の認識と解決3

    薬剤師の手撒き負担や監査ミス、患者の待ち時間が課題として示され、服薬指導など付加価値の方向性も述べられているが、数値目標はない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    プロジェクトチームの立ち上げや研修会の開催が書かれ、体制は一定程度具体的だが、人材や事務処理能力の詳細は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    最大882種類の薬剤運用、待ち時間短縮、服薬指導による患者満足度向上など、ターゲットと選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    2015年12月7日の機器導入、12月8日・9日の試験、6パターンの検証と結果が示され、今後の店舗展開予定も書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    県内に導入事例がないと書かれ普及度の低さはうかがえるが、全国的な普及度や高水準の高付加価値化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域のかかりつけ薬局としての機能を果たすとあるが、経済波及効果や雇用創出の数字や具体的な記述はない。

  • 費用対効果2

    短時間での調剤・監査が確認できたとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    画像解析による一包化監査とレセプトコンピュータ連携で取り間違いを防止する仕組みが具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    超高齢社会で医療の重要性が高まると述べられているが、市場成長や構造転換への具体的な結びつきは書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県白石町の店舗から導入し、地域のかかりつけ薬局として機能すると述べられており、地域性はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内で全自動大型錠剤分包機と一包化処方監査システムを導入した事例はなく、今回導入した「メディカルモールしろいし店」から他店舗へも順次導入を検討している。研修体制の充実やAAA評価を受けた経営品質の向上を図り、服薬指導等の付加価値が高く専門性の高いサービスを充実させ、他社との差別化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

山口県卸売業、小売業平成25年度

C1NETシステムを利用した自動車中古部品販売サービスの構築

使用済自動車の仕入から中古部品の出荷までを管理する統括システムに、独自のインターネット接続型物流ラックシステムを組み込んだ。

効果:部品1つ1つに対して作業員が撮影画像をアップロードしていた作業時間が大幅に短縮された。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。