ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

「地域資源」や「醸造技術」を活用した調味料の多品種展開

株式会社浅沼醤油店

成果充填能力 3.3本/分(200ml、2液充填タイプ)→13.8本/分(200ml、2液充填タイプ)

この事例のポイント

  • 従来の半自動充填機は充填に3人を要し、充填能力は3.3本/分が限界だった。
  • 充填工程の生産能力向上のため、ボトルの供給からキャップ取り付けまで自動で行う少量多品種充填システムを導入した。
  • 充填能力 3.3本/分(200ml、2液充填タイプ)→13.8本/分(200ml、2液充填タイプ)。新たな自動充填システムの導入により、充填工程の生産能力が約4倍に大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社浅沼醤油店
所在地岩手県 盛岡市
業種食料品製造業
技術分野デザイン
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1914年

事業の背景

大正3年の創業以来、100年以上にわたり味噌・醤油の製造から販売まで一貫して手がけている。近年は顧客ニーズの多様化に合わせ、発酵技術や製造設備を活かした各種調味料、清涼飲料水、菓子原料なども幅広く生産している。現在、売り上げの約8割はOEM製品が占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の半自動充填機は充填に3人を要し、充填能力は3.3本/分が限界だった。
  • 人手・技能充填作業に人手がかかり、少量多品種の受注に対応しにくい状況だった。
  • 新製品・新技術売り上げの約8割をOEM製品が占めるため、利益向上には独自性のある製品の開発・製造が不可欠である。
  • 新製品・新技術商品の流行サイクルが短く、消費者の好みに合わせた多品種小ロット商品の展開が必要だが、現有の設備と人員では実現が難しかった。

やったこと

充填工程の生産能力向上のため、ボトルの供給からキャップ取り付けまで自動で行う少量多品種充填システムを導入した。新システムは、小型容器への対応、2液の同時充填、二重構造のハクリボトルへの対応、充填品の切り替え作業時間の短縮の4点に対応する仕様である。充填条件をコンピューターにインプットでき、切り替え作業時間が短縮される。新システムの導入と並行して、営業強化策として外部講師を招いた勉強会の開催や商談シートの作成を行った。さらに、ギフト用調味料「くらシリーズ」の開発や減塩対策醤油「いわて健民」などの商品化にも取り組んだ。

加工機少量多品種充填システム(ボトル供給からキャップ取り付けまで自動で行う充填機)

新しい製品・サービス:ギフト用調味料「くらシリーズ」、減塩対策醤油「いわて健民」など

事業の効果

  • 充填能力 3.3本/分(200ml、2液充填タイプ)→13.8本/分(200ml、2液充填タイプ)
  • 充填作業の人員 3人→2人

新たな自動充填システムの導入により、充填工程の生産能力が約4倍に大きく向上した。充填作業の人員は3人から2人になり、省力化と生産性の向上が実現した。小型ボトルやハクリボトルにも対応でき、少量受注や多品種小ロット生産が可能になり、地域資源を生かした商品開発にも貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    100年以上の醸造技術を活かし、OEM偏重から独自製品への転換を図る方針が事例に明記されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    売上の約8割がOEMで、流行サイクルの短さへの対応が必要と書かれているが、競合や市場の定量情報は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ボトルネックの充填工程を課題とし、充填能力3.3本/分から13.8本/分へ向上させる具体的な解決策が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    充填能力が3.3本/分から13.8本/分へ約4倍、充填人員3人から2人へと数値目標と成果が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制2

    外部講師の勉強会や商談シート作成に触れるが、事業遂行の人材・事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地域資源を活かした小ロット多品種製品、ギフト用「くらシリーズ」や減塩醤油など、顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の商品開発への時間活用や増益への方針は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的手順は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    少量多品種の充填や地域資源を活かした醤油ブレンドなど独自性は読み取れるが、市場の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域の農林漁業者の所得向上や岩手の醸造業振興への貢献が述べられているが、波及効果の定量的根拠は薄い。

  • 費用対効果4

    1人の省力化と充填能力約4倍への向上が示され、投入額に対する生産性向上の効果が読み取れる。ただし投資額や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    充填システムの自動化は述べられるが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    岩手県の地域資源や農林漁業者の所得向上に貢献すると明記され、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新設備の導入により得られた時間的・人的余力を新たな商品開発へ活かし、増益と安定経営の継続につなげていきたい。

事業者の声

「2016年に発売した醤油『いわて健民』は、県内の醤油屋さんの生揚げ醤油をブレンドして作った商品。同業他社と競争するのではなく、ともに岩手の醸造業を盛り上げていきたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。