ものづくり補助金平成27年度製造業福島県

サーボプレスの導入でメキシコや中国工場の技術的バックアップ工場としての生産力強化

正栄工業株式会社

この事例のポイント

  • お客様との信頼関係を醸成する必要があった。
  • デュアルアクシスサーボプレス(フレックスモーション)を導入した。
  • 稼働状況を離れていても監視・分析・保守できるようになり、生産性の向上と改善に役立つ体制ができた。

事業者のプロフィール

事業者名正栄工業株式会社
所在地福島県 福島県いわき市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数44人
資本金5,000万円
設立1946年

事業の背景

プレス加工で電機機器部品や自動車関連部品を中心に、医療機器・遊技機・センサー向けなど各種部品を製造している。プレス生産の方法は大きな転換期に差し掛かっていた。高精度・高品質な部品製造に加え、生産工程の見える化など管理面へのニーズも高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信お客様との信頼関係を醸成する必要があった。
  • コスト・採算ものづくりトータルコストの抜本的な見直しが急務だった。
  • 納期・工程お客様から注文を受けて金型を段取りして部品を生産する従来の方法から脱却する必要があった。
  • その他管理体制および在外工場のバックアップ体制に課題があった。

やったこと

デュアルアクシスサーボプレス(フレックスモーション)を導入した。スライド駆動部をサーボモータで制御し、スピード・位置・加圧力を任意にコントロールできる。コムトラックスと呼ばれる稼働管理ソフトを搭載し、専用装置のコムトラックスターミナルをプレス機に接続してデータをサーバへ送信する仕組みを構築した。いわき工場を基幹に、メキシコ工場の同システムとの間でIoT環境を構築し、生産プロセスのデータベース化と見える化を実現した。250tクランクプレス機と300tサーボプレス機で板厚6.3㎜のブラケットを試作して性能を比べたところ、破断面の斑の粗さが改善され、クリアランス調整や構造の工夫によって大きな効果が得られた。

加工機300tサーボプレス機(フレックスモーション)
ソフトコムトラックス(稼働管理ソフト)
その他コムトラックスターミナル(専用装置)

事業の効果

稼働状況を離れていても監視・分析・保守できるようになり、生産性の向上と改善に役立つ体制ができた。いわき工場とメキシコ工場の間で管理項目の確認と共有ができるようになった。試作ではプレス部品の破断面の斑の粗さが改善され、品質面の効果が得られた。管理面やコストの改善提案も具体化し、材料費や金型製作費の削減、金型寿命の向上による原価低減が検討された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の金型段取り型生産から脱却する必要があったと書かれ、IoT環境構築とサーボプレス導入で転換を図る流れは読み取れるが、過去の取組との連続性は明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれておらず、ティア1をターゲットに営業する方針が述べられているのみ。

  • 課題の認識と解決4

    ものづくりトータルコスト見直しの急務、管理体制や工法転換によるコストダウン、材料費・金型費削減など課題と対策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていないため、目標値の実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制2

    社員数44名と記載があるのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は自動車部品のティア1で、ニーズとして信頼関係や生産工程の視える化が挙げられているが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    サーボプレス導入、IoT環境構築、タップライン構築、ティア1への営業と、段階的な遂行内容が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    プレス加工自体は一般的な分野で、同分野で高付加価値化を図る記述は限定的にうかがえるのみ。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    北米・南米への進出企業を顧客にする方針や、国内外の工場連携による開拓が述べられ、波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTによる国内外工場のデータ連携と稼働監視を具体的に示し、サプライチェーンの連携強化に言及している。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品の海外展開など成長市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及2

    福島県いわき市の工場立地は書かれているが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内工場とメキシコ工場が連携し、自動車メーカーのティア1(1次メーカー)をターゲットに営業活動を進める。国内外を問わず開拓し、自動車部品を中心に北米・南米へ進出する企業を顧客にできるよう計画を進める。国内外での受注拡大を目指し、中国工場ともIoT環境の構築を推し進める。

業種と困りごとが近い成果事例

香川県製造業平成27年度

最新製版機の導入による効率化とコスト削減

生産能力が現有製版機の約3倍となる最新製版機を導入し、製版工程の生産性向上と、それに伴う製版作業の残業低減を図った。

効果:製版機の生産能力 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。