ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

業界初となる大型色彩選別機直結の自動異物除去しらす生加工ラインの開発

株式会社ヤマイチ

この事例のポイント

  • しらす干しは異物混入が特に多く、異物除去に時間がかかるため大量生産ができなかった。
  • 業界初となる大型色彩選別機を既存の生産ラインに導入し、自動加工ライン上で異物を除去するシステムを構築した。
  • 色彩選別機の導入により、しらす干しの異物除去を自動化し、精度を落とさずに作業効率を上げることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマイチ
所在地茨城県 ひたちなか市
業種食料品製造業
技術分野材料製造プロセス,情報処理
従業員数87人
資本金1,000万円
設立1922年

事業の背景

同社は常磐地区で水揚げされる魚を加工・販売する生加工部門と、全国の産地や海外からの小魚を仕入れ・販売する卸売部門を持つ、しらす等小魚の専門会社である。年間取扱量は約2,000トン以上で国内トップクラスである。しらす漁の網には他魚種の稚魚や海藻、ゴミなども一緒に入り、特にフグ稚魚の混入が社会問題となっていた。食の安全性への関心が高まる中、除去済み製品の需要が増えると見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力しらす干しは異物混入が特に多く、異物除去に時間がかかるため大量生産ができなかった。
  • 人手・技能目視による異物除去は1人の選別量に限界があり、作業スピードを上げると異物を見逃す可能性があるため、増産には人手を増やすしかなかったが、人手不足とコストの面で難しかった。
  • 品質・精度除去済みの出荷は少なく、除去済み製品の需要が増えると見込まれる中で、安全性への要求に応えきれていなかった。

やったこと

業界初となる大型色彩選別機を既存の生産ラインに導入し、自動加工ライン上で異物を除去するシステムを構築した。導入した色彩選別機は200ミクロンまで見分けられるCCDカメラを高速ベルトコンベアの上下に搭載し、精度の高い選別を行う。設定には熟練の製造者が当たり、必要なスペックにするためのデータ解析を行った。解凍の手間を省いて生加工ラインに組み込むことができ、同機は1時間に大量の処理が可能である。

検査測定大型色彩選別機

事業の効果

色彩選別機の導入により、しらす干しの異物除去を自動化し、精度を落とさずに作業効率を上げることができた。加工のスピード化とコスト削減が実現し、大量生産の道筋がついた。除去済み製品の増産につながり、学校給食や介護施設などの新たな販路開拓も期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来の生加工・HACCP認定などの取組に触れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    年間約2,000トン以上の取扱量で国内トップクラスとあり強みはうかがえるが、市場動向との関係の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業では増産に限界があり、色彩選別機導入で大量生産と新規取引先開拓につなげるという課題と対策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工のスピード化とコスト削減、大量生産の道筋とあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数87名、現場の熟練製造者が設定を担当とあるが、補助事業の遂行体制として十分な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    安全性への関心の高まりと学校給食や介護施設への販路拡大が見込まれると書かれ、顧客ターゲットはある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の効果や販路開拓の見通しは書かれているが、スケジュールや中長期の検証方法は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    業界初の大型色彩選別機の導入とあるが、分野全体の普及度や高付加価値化の水準を示す記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    フグ稚魚混入が社会問題になっているという背景は示されるが、雇用創出や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    1時間に大量処理可能で作業効率が格段に上がるとあるが、補助金額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    色彩選別機と生加工ラインの組み込みによる自動化が書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    常磐地区で水揚げされた魚を加工する地域企業とあり地域性はうかがえるが、地域成長の牽引についての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

除去済み製品の需要増加を見込み、学校給食や介護施設など新たな販路の開拓に期待している。

  • 目標:年間約2,000トン以上

事業者の声

大正5年の創業以来、『 感謝』『 成長』『貢献』の企業理念のもと、小魚水産加工品の製造・販売を通して食卓へ健康とおいしさをお届けすることを使命として歩んでまいりました。海からの恵みはもとより、お客様やお取引先様、地域のみなさまからのご協力やご支援に感謝する気持ちを常に持ち続け、企業としてさらに成長することで地域社会や自然環境に貢献してまいります

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。