ものづくり補助金平成27年度情報通信業千葉県

堅牢性が高く安価に導入できるカード会社向けクレジット決済システムの構築

株式会社ジィ・シィ企画

成果当初目標とした秒間100取引の実現

この事例のポイント

  • 地銀等の加盟店カード会社に向けて、堅牢で安価に導入できるクレジット決済のASPサービスを提供する必要があった。
  • 決済情報を同時に処理するため、試験的に同時取引を発生させ、様々な条件下で負荷耐久テストを実施した。
  • 当初目標とした秒間100取引の実現。秒間100取引の処理と3年以上の無停止稼働を確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジィ・シィ企画
所在地千葉県 佐倉市
業種情報サービス業
従業員数69人
資本金1.86億円
設立1995年

事業の背景

当社はVisaからVNP(Visa Network Processors)ライセンスを取得し、Visaが公認する国際決済機構を直接利用できるようになった。これを中期計画に位置付け、地銀を始めとする加盟店カード会社向けに堅牢かつ廉価なASPサービスとして提供することを企図した。東京オリンピック・パラリンピックに向けて国内決済の国際化が進むと予想され、中国の銀聯カードの利用店舗やAliPay、WeChatPayの利用が増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術地銀等の加盟店カード会社に向けて、堅牢で安価に導入できるクレジット決済のASPサービスを提供する必要があった。
  • 生産能力全国の複数店舗から一斉に送信される決済情報を同時に処理できる能力が求められていた。

やったこと

決済情報を同時に処理するため、試験的に同時取引を発生させ、様々な条件下で負荷耐久テストを実施した。その結果、当初目標の秒間100取引を実現し、3年以上の無停止作動の確実性を確認した。24時間365日停止させないため、システムの二重化に加えて、フォールトトレラント(FT)サーバーを採用し導入した。補助金の用途は全てハードウェア設備投資に充てた。ソフトウェアは、リアルオーソリ機能、売上処理機能、ブランド精算機能、加盟店精算機能、加盟店管理機能の基礎的要素(エンジン)を開発済みである。Visa接続のためEMVへの対応も、本事業の範囲内で完了している。

加工機フォールトトレラント(FT)サーバー

新しい製品・サービス:カード決済の加盟店カード会社向けクレジット決済システム(ASPサービス)

事業の効果

  • 当初目標とした秒間100取引の実現

秒間100取引の処理と3年以上の無停止稼働を確認できた。千葉銀行への直接の販売アプローチ、TIS株式会社を通じた間接的なアプローチを進めている。地銀等からはFintech対応への要望があり、詳細仕様の打合せを行っている。大手ドラッグストアやスーパーマーケットへの提案も進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の決済処理の延長でVNPライセンス取得を中期計画に位置付けたと読めるが、過去の取組との具体的な連続性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国展開の店舗や地銀への販売を想定し、Fintech対応や国際決済の波を捉えたとあるが、競争優位の定量的根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    現行仕様では顧客要求を満たせていない課題を認識し、Fintech要素の付加を進めるとあるが、付加価値額の目標は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    秒間100取引の実現と3年以上の無停止作動を確認したと具体的数字がある。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    開発や提携先のTIS株式会社との連携がうかがえるが、人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    地銀等の加盟店カード会社を顧客とし、Fintech対応の要望があるとあるが、ニーズの裏付けは限定的。

  • 事業化までの道筋3

    既存システムの拡張サービスとしての提供計画やAliPay等への展開が書かれているが、スケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    大規模設備投資は補助金により実施でき困難があったと述べられているが、金融機関からの資金調達の記述は見当たらない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    VNP取得による国際決済機構の直接利用やAliPay等の新決済手段への対応は、新分野への取組として読み取れるが、市場の普及度は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    東京オリンピック・パラリンピックに向けた決済の国際化やインバウンド対応が述べられ、社会的インフラとしての意義がうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金によりサーバー投資を実施したとあるが、投資額に対する付加価値の増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    決済の国際化やFintech対応という新しい決済手段の取り込みが述べられ、業界のイノベーションに関係しうるが、具体的な貢献の記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    キャッシュレス化や国際決済への対応が示唆されるが、日本経済の構造転換に資するという記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

旧来システムの拡張サービスとして提供する計画である。AliPay、WeChatPayへの対応も新たな国際決済手段として事業化を進める予定で、導入したサーバ類を活用する考えである。

事業者の声

当社の様な中小企業にとって大型の設備投資は会社の将来を占う一大事業です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。