ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業静岡県

FSC認証製品の生産体制の構築

鹿島木材株式会社

成果仕上加工を含む作業時間 240分→120分

この事例のポイント

  • 現行設備の生産性が低く、増加するFSC森林認証材の需要に十分な供給ができなかった。
  • プレーナーサンダー(プレーナー+サンダー2連)を導入し、1回の部材投入で片面プレーナー、粗サンダー、仕上サンダーの加工を行えるようにしてサンドペーパー交換を不要にした。
  • 仕上加工を含む作業時間 240分→120分。仕上加工工程の作業改善がなされ、段取り時間を含めた作業時間が半分に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名鹿島木材株式会社
所在地静岡県 浜松市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
技術分野製造環境
資本金1億円
設立1934年

事業の背景

当社は1934年に高林材木店として創業し、天竜杉や天竜桧などの地元材を中心に木材販売を主力としてきた。2013年に集成材事業部を立ち上げ、造作用集成材の製造・販売を始め、同年10月には静岡県下唯一の造作用集成材のJAS認定工場となった。静岡県の民有林の人工林面積は約24万haのうち約21万haが林齢41年生以上となり、木材として利用を進める時期を迎えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現行設備の生産性が低く、増加するFSC森林認証材の需要に十分な供給ができなかった。
  • 納期・工程仕上加工工程の能力不足が著しく、プレーナー仕上げは加工幅600mmが限界で、600mm超の製品はサンダー仕上げを繰り返す必要があり、サンドペーパー交換や部材反転に人員を要していた。

やったこと

プレーナーサンダー(プレーナー+サンダー2連)を導入し、1回の部材投入で片面プレーナー、粗サンダー、仕上サンダーの加工を行えるようにしてサンドペーパー交換を不要にした。あわせて部材反転装置を導入し、これまで2名を要していた反転作業を1名で実施できるようにした。これにより仕上加工工程の作業改善を図り、サンドペーパー交換の省略と部材反転時の作業時間の短縮を目指した。

加工機プレーナーサンダー
加工機部材反転装置

事業の効果

  • 仕上加工を含む作業時間 240分→120分
  • 部材反転作業の人員 2名→1名

仕上加工工程の作業改善がなされ、段取り時間を含めた作業時間が半分に短縮した。その結果、FSC森林認証材の加工に受注余力が生まれ、増加傾向にある需要に対して木材の調達や木材生産の供給が可能となった。反転作業も1名で行えるようになり、省人化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    FSC認証材の需要増に対応する生産体制構築が事業テーマとされ、既存の集成材事業との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    FSC認証を受けた木材の調達・生産依頼が増加し、県内唯一のJAS認定工場である点が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    現行設備の加工幅600㎜の限界が課題とされ、プレーナーサンダー導入で仕上加工を改善する具体策が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間が240分から120分へ半減したと数値で示され、受注余力が生まれたと結果が記載されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    反転作業が2名から1名になったとあるが、事業実施の人材体制や事務処理能力についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    FSC認証材の需要増、東京オリンピックの施設での利用要望など、ニーズの裏付けと顧客の方向性が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入と改善結果は書かれているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールについての記述は限られている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    FSC認証材は1993年開始の認証制度とあるが、普及度や高付加価値化の水準について具体的な比較は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    浜松市の地域材利用や東京オリンピック施設での木材利用など公共的な意義はうかがえるが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業時間半減や2名から1名への省人化が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CLTやFSC認証材の普及活動が触れられるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    森林資源の利用拡大という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述はない。

  • 地域経済への波及4

    天竜杉・天竜桧など地元材を中心に地元工務店へ販売し、浜松市の協議会で地域利用を推進している点が具体的に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの新国立競技場が「木と緑のスタジアム」をコンセプトとしていることから、今後も公共施設や環境意識の高い民間施設でFSC森林認証材の使用が増加すると見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。