ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業愛知県

社寺建築における木材加工セントラルシステム導入による生産性向上

株式会社アイチケン

成果屋根の部材「破風」の加工日数 7日→2日

この事例のポイント

  • 若手宮大工の伝統技法習得に力を入れる一方で、工期対応能力を高める必要があった。
  • 平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、幅600mm×高さ400mmの木材を削れる自動送りかんな盤を導入した。
  • 屋根の部材「破風」の加工日数 7日→2日。自動送りかんな盤の導入により、破風の荒加工が1週間程度から2日間に短縮され、木材加工の生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイチケン
所在地愛知県 江南市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
従業員数51人
資本金4,000万円
設立1982年

事業の背景

センターランドグループは左官工事を祖業とし、社寺・仏閣用材木や木製建具販売などを手がける5社で構成される。アイチケンはその1社で、主力は寺院や神社の新築・改修工事、文化財の保存・修理を行う社寺事業である。同社には宮大工が19人在籍し、その多くが20代、30代の若手である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能若手宮大工の伝統技法習得に力を入れる一方で、工期対応能力を高める必要があった。
  • 生産能力施主の要望で工期が短くなる傾向にあり、機械化による加工時間の短縮が求められていた。
  • 生産能力10年ほど前に導入した中古のかんな盤は社寺向けの幅広い木材にほとんど対応できず、各種設定も手動調整のため使いこなすのに時間がかかった。

やったこと

平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、幅600mm×高さ400mmの木材を削れる自動送りかんな盤を導入した。同機はタッチパネル操作で0.1mm単位の設定ができ、加工精度も優れる。平成29年度補正ものづくり補助金も得て、柱に「ほぞ穴」を空けるドリル機械を導入し、かんな仕上げに近い「超仕上げ」ができる木材加工機なども取り入れた。機械で荒加工を行い、手仕上げで仕上げる工程分けを進めた。

加工機自動送りかんな盤(幅600mm×高さ400mm対応、タッチパネル操作、0.1mm単位設定)
加工機柱にほぞ穴を空けるドリル機械
加工機超仕上げができる木材加工機

事業の効果

  • 屋根の部材「破風」の加工日数 7日→2日
  • 現場施工前の下準備が早くなることで、工期自体も20%程度短縮できるイメージ。

自動送りかんな盤の導入により、破風の荒加工が1週間程度から2日間に短縮され、木材加工の生産性が大きく向上した。タッチパネル操作で簡単に扱えるため、入社したばかりの新人も加工に加わり戦力になっている。現場施工前の下準備が早まり、工期全体も20%程度短縮できる見込みである。機械化により女性も働きやすい職場環境を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    社寺建築の手仕事と伝統技法を軸に機械化を進めた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    施主の工期短縮要望や社寺向け大型材への対応不足を課題に挙げ、幅600mm対応の自動送りかんな盤を選んだ点はうかがえるが、競争優位の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    破風の荒加工が1週間から2日に短縮、工期は20%程度短縮できるイメージと具体的な数字が示され、課題と効果が対応している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    工期20%程度短縮という目標的な効果は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    宮大工19人在籍や若手の技能継承の体制は読み取れるが、補助事業の事務処理能力に関する記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    社寺の改修・復元需要の増加が見込まれると述べられているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は読み取れない。

  • 事業化までの道筋3

    平成27年度に導入し、平成29年度に追加導入、令和4年に新工場稼働と時系列は示されているが、課題解決の方法は概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    社寺建築の反りを手仕事で仕上げる高水準の技術が示され、機械と手仕事を組み合わせる独自性がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    文化財の保存・修復や観光立国に伴う社寺保護の需要増加に触れ、伝統技能の継承という公的意義がうかがえる。

  • 費用対効果3

    加工日数の短縮と工期20%短縮の見込みが示されるが、補助金額に対する付加価値や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CADや最新工法の活用に触れるが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    江南市の本社から社寺建築を手がける地域密着の事業と、新工場での後継者育成が語られ、地域の技能継承への寄与がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

政府の観光立国推進により文化財や社寺の保護が注目されており、今後も改修や復元工事の需要増加が見込まれる。自社の職人と設備を通じた技能伝承で、業界を支える後継者育成につなげたい考えである。令和4年には新工場を稼働させ、独立を目指す若者に自社導入機械を開放する計画である。

事業者の声

技術にはこだわるが、アットホーム

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。