ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

マシニングセンター用軸受け軸治具(インデックス)の加工技術の開発

株式会社鈴三鉄工所

成果インデックス1台当たりの工具交換の時間 9時間→7時間

この事例のポイント

  • 取引先からの増産と新規受注に応えるため、生産能力を高める必要があった。
  • 主力製品のマシニングセンター用軸受け軸治具(インデックス)は年間平均200台程度を出荷しており、公差±0.01mmが多数要求される。
  • インデックス1台当たりの工具交換の時間 9時間→7時間。CNCジグボーラーの導入で加工処理速度が向上し、加工精度が均一になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鈴三鉄工所
所在地静岡県 浜松市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金1億円
設立1959年

事業の背景

株式会社鈴三鉄工所は昭和13年創業で、木工機メーカーとして自動かんな盤を製造していた。平成9年以降は工作機械部品の設計・製作に事業を移し、現在の主力製品である治工具を手がけている。近年は海外生産が増えて国内生産は品質要求の高い重要部品が中心になっており、加工精度や納期短縮への要望は年々高まっている。取引先は県内西部の大手メーカーが中心だが、商社経由で県外からの受注も増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先からの増産と新規受注に応えるため、生産能力を高める必要があった。
  • 品質・精度汎用ジグボーラーは作業者の力量に頼るため、加工の都度確認と調整が必要で、人為的なミスや加工品質のばらつきが生じやすかった。
  • 人手・技能汎用機は量産に向かず、生産工程上の大きな課題となっていた。

やったこと

主力製品のマシニングセンター用軸受け軸治具(インデックス)は年間平均200台程度を出荷しており、公差±0.01mmが多数要求される。従来の汎用ジグボーラーに代えてCNCジグボーラーを導入し、工具の交換や位置確認、加工スピードの微調整をCADデータから作成した加工プログラムの登録で自動化した。プログラム登録により繰り返しの半量産品は自動運転で安定して生産できるようになった。工場レイアウトを変更し、当初予定していた工場南側を取りやめて外気の影響が少ない工場内部に移し、空調機を設置して年間を通して恒温室とした。あわせて作業に関わる従業員に床上操作式クレーン運転技能講習と玉掛け技能講習を受講させ、多能工化を図った。

加工機CNCジグボーラー
その他空調機

事業の効果

  • インデックス1台当たりの工具交換の時間 9時間→7時間

CNCジグボーラーの導入で加工処理速度が向上し、加工精度が均一になった。プログラム登録により半量産品の自動運転が可能になり、生産が安定した。工具交換などの作業時間は約9時間から約7時間へ23%短縮された。工場の恒温化と多能工化により生産能力と製品品質が高まり、スポット受注を含む幅広いロットに柔軟に対応できるようになって受注拡大が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和13年創業で木工機、治工具設計製作へと展開し、平成9年以降の治工具事業と現在の主力製品が連続している点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手メーカーや商社経由の県外受注が増えたと書かれ、汎用性が評価されたとあるが、市場動向の数字や分析は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    汎用ジグボーラーでの人為的ミスや量産性の低さという課題を示し、CNCジグボーラー導入で加工速度と精度の均一化を図ったと読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    インデックス1台当たりの製作時間が約9時間から約7時間へ23%削減、公差±0.01mmの要求が数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    多能工化のため従業員に床上操作式クレーン運転技能講習等を受講させたと書かれ、体制整備の記述がある。ただし事務処理能力は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度・短納期への取引先要望や高い評価に触れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    工場レイアウト変更や恒温室の設置など実施内容は書かれるが、中長期の検証やスケジュールは記述がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    公差±0.01mmの高精密加工と、熟練工による仕上げ加工を高水準の付加価値として位置づけている点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    県内の製造業への受注や県外からの受注増が書かれるが、波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    製作時間23%削減など効果の数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値額の記載がなく費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC化やプログラム登録による自動運転が示されるが、先端デジタル技術の地域やサプライチェーンへの貢献は記述がない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    浜松市西区の事業所で県内西部の大手メーカーとの取引が中心と書かれ、地域の特性との関係が一部読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

差別化戦略をさらに強化することで、今後も受注拡大が期待される。

事業者の声

自社の強みを引出すカギは自動化と人材育成

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。