ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

IOTでリアルタイム管理を行う「1Day生産システム」の構築

サクラ工業株式会社

成果リードタイム 5日→3日

この事例のポイント

  • 複雑でハイレベルな加工を行う多品種少量の製品生産で、主要モデルは平均5日間を要するリードタイムがかかっていた。
  • 自社独自の時製数管理データを全工程に導入し、設定工数に台数を掛けた予定所要時間に対して実績を設備から出力して自動でプロットし、その差をリアルタイムで監視する仕組みを構築した。
  • リードタイム 5日→3日。主要モデルのリードタイムが平均5日間から3日程度に短縮され、作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名サクラ工業株式会社
所在地静岡県 浜松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野デザイン,情報処理,製造環境,測定計測,表面処理
資本金1億円
設立1959年

事業の背景

同社は昭和34年の設立以来、自動二輪や四輪の排気コンポーネント(マフラー)の開発から金型設計製作、製造、保障まで一貫体制を持つ。マフラーはエンジン性能や環境規制対応に加え、デザインが重要な要素になっている。自動二輪業界では量産部品を海外工場へ大幅に移管する一方、国内製造部門では複雑でハイレベルな加工を行う多品種少量生産が主力となっている。消費者ニーズの多様化を背景に、メーカーからの短納期やコストダウン要求が今後も予想される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複雑でハイレベルな加工を行う多品種少量の製品生産で、主要モデルは平均5日間を要するリードタイムがかかっていた。
  • コスト・採算メーカーからの短納期やコストダウン要求に応え、利益を確保できる効率化策を見いだすことが大きな課題となっていた。
  • 人手・技能人的要素が多い生産工程がリードタイム短縮のボトルネックになっていた。
  • その他塗装工程の補正作業や部品運搬作業は、作業効率の向上に加え安全面の確保と環境面の改善のために自動化が急務となっていた。

やったこと

自社独自の時製数管理データを全工程に導入し、設定工数に台数を掛けた予定所要時間に対して実績を設備から出力して自動でプロットし、その差をリアルタイムで監視する仕組みを構築した。本社工場の各ラインに計20台のPLCを使用した時製数管理装置を設置し、従来のエクセルからVBを使用した自社ソフトに切り替えて稼働・進捗状況を様々な角度から出力・分析・検証できるようにした。この一元管理システムを本社西工場、浜北工場及び海外工場を含め約120台に増設した。塗装工程では塗装ロボットを導入し、熟練技能者の勘と経験による作業をティーチング作業でプログラム化し、製品別の最適条件(距離・向き・圧力)を導き出した。物流工程では部品運搬作業の自動化に取り組んだ。

その他時製数管理装置(PLC)
ソフト時製数管理ソフト(VB使用の自社ソフト)
ロボット塗装ロボット
ロボット部品運搬自動化設備

事業の効果

  • リードタイム 5日→3日
  • 時製数管理装置を約120台に増設

主要モデルのリードタイムが平均5日間から3日程度に短縮され、作業効率が向上した。時製数管理のネットワーク化により進捗状況の把握と不具合への迅速な対応が可能になり、生産効率化が図られた。塗装においては膜厚の均一化・安定化につながった。今後は物流作業の効率化にも取り組む計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    時製数管理を従前のエクセルからVBの自社ソフトへ発展させており、生産管理の継続的な取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種少量・高度なデザイン要求への対応や表面処理能力が強みとあり、外部環境との関係は読み取れるが、市場動向と強みの対比は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    主要モデルの平均5日のリードタイムを3日程度に短縮し、1Day生産システムの目標を明示しており、課題認識と実効性のある計画が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイム短縮の目標や実績は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の根拠は限定的。

  • 事業を進める体制2

    社内の改善体制や一元管理に触れているものの、人材や事務処理能力を確保する体制については記載が見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高度なデザイン要求に応える設計開発力と表面処理能力が強みとして示されるが、ターゲット顧客やニーズの裏付けの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    PLC20台の導入、約120台への増設、工程ごとの自動化計画など、段階的な遂行方法と課題解決の方向が具体的に読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量のハイレベル加工でマフラーの高度なデザイン対応を行う点は示されるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する理由となる波及効果や雇用創出への言及はほぼなく、安全面や環境面の改善が急務とあるにとどまる。

  • 費用対効果3

    リードタイムを約5日から3日へ短縮したとあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    時製数管理のネットワーク化、塗装ロボットの自動化、物流の配膳連動など、IT・ロボットの活用でサプライチェーンの効率化を図る点が具体的に読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    多品種少量生産の効率化や工程のネットワーク化は述べられているが、市場成長分野への進出や構造転換との関連はうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    浜松の本社工場を中心とした地域の製造業の取組とわずかにうかがえるが、地域の雇用創出や経済成長への牽引は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も生産工程のネットワーク化・自動化を推進し、最終目標である「1Day生産システム」の達成を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。