ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

新たな乾燥設備投資による独自性・ブランド力・生産性の向上

株式会社風味堂

成果処理能力 500kg/6時間→1,000kg/6時間

この事例のポイント

  • 生産能力に課題があり、仕上げ製品にも影響が出ていた。
  • 伊勢志摩サミットに向けて開発した「志摩あられ」は味付けが7種類あり、そのうち5種類が醤油掛けで、乾燥だけで5回ラインの洗浄を行う必要があり量産が困難だった。
  • 処理能力 500kg/6時間→1,000kg/6時間。新たな乾燥設備の導入により、乾燥の仕上がりが均一になり、高品質で多種類の製品を生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社風味堂
所在地三重県 松阪市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数64人
資本金1,320万円

事業の背景

株式会社風味堂は、松阪市と伊勢志摩地域に直営8店舗を持ち、イオングループや地元スーパーなど地元を中心に販売している創業67年の老舗あられ・せんべい製造販売業である。創業以来、国内産もち米・うるち米を使い、地域の特産品を使った商品を年間で1割の商品入替を目標に開発してきた。一方で、固定客であったあられを好む世代が高齢化し、地域人口の減少や贈答文化の縮小が予想されるため、地域外の顧客を開拓する必要が出てきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産能力に課題があり、仕上げ製品にも影響が出ていた。
  • 納期・工程冷却機能がないため約2日程度の自然乾燥が必要で、生産効率に課題があった。
  • 販路・情報発信お客様に好まれる新たな商品と品質の向上、販売網の強化が必要と考えていた。

やったこと

伊勢志摩サミットに向けて開発した「志摩あられ」は味付けが7種類あり、そのうち5種類が醤油掛けで、乾燥だけで5回ラインの洗浄を行う必要があり量産が困難だった。そこで最新鋭の通風仕上げ乾燥機を導入し、ネット幅900mm、機長1,000mmの設備で、洗浄装置と温度・湿度を電気制御により自動コントロールできるようにした。熱源は15万カロリーで従来機と同じだが、ネット部分が密封構造で熱効率が上がり、処理能力は500kg/6時間から1,000kg/6時間へ倍増した。高温のジェット式自動洗浄装置を取り付けて使用後の洗浄を自動化し、乾燥後の粗熱を取るコンベア約15mも不要にした。

  • 加工機通風仕上げ乾燥機高温ジェット式自動洗浄装置

新しい製品・サービス:「志摩あられ」「松阪産おかき」「いせわんこ」のあられ

事業の効果

  • 処理能力 500kg/6時間→1,000kg/6時間

新たな乾燥設備の導入により、乾燥の仕上がりが均一になり、高品質で多種類の製品を生産できるようになった。自動洗浄と製品の冷却ができるようになったことで、連続して次の製品を生産でき、製造工程の時間短縮を実現した。処理能力は倍増し、熱効率の向上により機長も約3割短縮されてエネルギー消費も抑えられた。従業員の手作業による洗浄や冷却の負担も減り、生産性と品質の向上、量産体制を構築できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決乾燥工程の処理能力が500kgから1,000kg/6時間に倍増し、冷却待ち約5日の自然乾燥が不要になるなど、課題と効果が数字で示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標処理能力が500kgから1,000kgへ倍増、機長約3割短縮など、付加価値や賃上げではないが生産性の目標と達成見込みが数字で示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け地域資源を使った商品や7種類の海藻あられなど、顧客に選ばれる商品の特徴が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業者数64名と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業67年の老舗で地域特産品を使った商品開発を続けてきたことが書かれ、今回の設備導入も地域色商品の好調を受けたものとされている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地域資源を使った商品が好調で、地元の観光協会や商工会とのコラボに触れるが、市場動向や競争優位の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥工程の処理能力が500kgから1,000kg/6時間に倍増し、冷却待ち約5日の自然乾燥が不要になるなど、課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    処理能力が500kgから1,000kgへ倍増、機長約3割短縮など、付加価値や賃上げではないが生産性の目標と達成見込みが数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業者数64名と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地域資源を使った商品や7種類の海藻あられなど、顧客に選ばれる商品の特徴が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    全国展開や観光客・物産展への出店など今後の方針は示されているが、スケジュールや課題の解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    地域資源を活用した商品という特色はあるが、米菓の普及度や同分野での高価格化に関する記述はわずかにうかがえる程度である。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用3

    地域の特産品を使った商品で地域の観光や物産展への展開を目指すとあり、地域経済への寄与がうかがえるが、波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    投資額や費用対効果の数字は示されておらず、生産能力の倍増や省エネ効果の記述のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    松阪・伊勢志摩の特産品を使った商品で地域の観光客や全国展開を目指すと具体的に書かれ、地域の特性を活かした事業であることが読み取れる。

今後の展望

品質向上と量産体制を活かし、地域資源を活用した商品を、地域の祭りなどの文化資源をイラストした包装紙や袋で充実させ、地域を訪れる観光客や全国物産展への出店を通して全国展開に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。