ものづくり補助金平成27年度複合サービス事業三重県

ヒスタミン低減化技術構築のためのバイオセンサーの導入

三重県醤油味噌工業協同組合

成果補助事業終了後、1か月あたり20~30件の測定依頼が入っている。

この事例のポイント

  • 醤油醸造工程で食中毒原因物質であるヒスタミンが生成されやすく、製品内のヒスタミン含有量の測定が欠かせない。
  • ヒスタミンを容易に測定できるよう、固定化酵素を用いてヒスタミンから発生する過酸化水素を検出する高度バイオセンサー(BF-7)を導入した。
  • 補助事業終了後、1か月あたり20~30件の測定依頼が入っている。諸味タンクの徹底した洗浄と弱酸性次亜塩素酸水の殺菌を基本としたヒスタミン低減化技術を構築し、ヒスタミン生成量を低減化目…

事業者のプロフィール

事業者名三重県醤油味噌工業協同組合
所在地三重県 津市
業種協同組合
技術分野バイオ,製造環境,測定計測
従業員数7人
資本金2,019万円
設立1948年

事業の背景

醤油業界は安心安全な製品提供を第一としており、発酵食品の製造工程で生成されやすいヒスタミンの低減化に取り組んでいる。組合員の多くは昔ながらの製法にこだわり、一般的な人工培養の乳酸菌ではなく蔵に住む天然の乳酸菌で発酵を行っているが、天然の乳酸菌には悪玉菌も含まれ、それがヒスタミンの原因の一つとなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度醤油醸造工程で食中毒原因物質であるヒスタミンが生成されやすく、製品内のヒスタミン含有量の測定が欠かせない。
  • コスト・採算市販測定キットの使用や外部検査機関への委託はコスト面や時間の問題があり、組合員には使いにくかった。

やったこと

ヒスタミンを容易に測定できるよう、固定化酵素を用いてヒスタミンから発生する過酸化水素を検出する高度バイオセンサー(BF-7)を導入した。操作性がよく短時間で測定できることから本装置の導入を決定した。組合員の蔵から多数の乳酸菌を採取・培養し、ヒスタミンの出にくい乳酸菌を特定した。組合員の諸味タンクの徹底した洗浄をはじめとする低減化方法を検討・指導し、低減化技術を構築した。

検査測定高度バイオセンサーBF-7

新しい製品・サービス:食物アレルギーに対応した醤油などの新たな製品開発に取り組んでいる。また、新たなヒスタミン低減化方法の開発にも取り組んでいる。

事業の効果

  • 補助事業終了後、1か月あたり20~30件の測定依頼が入っている。

諸味タンクの徹底した洗浄と弱酸性次亜塩素酸水の殺菌を基本としたヒスタミン低減化技術を構築し、ヒスタミン生成量を低減化目標値以下に抑えることができた。補助事業終了後は、組合員の依頼に応じてヒスタミンの測定サービスを安価かつ迅速に提供でき、組合員に高く評価されている。1か月あたり20~30件の測定依頼が入っており、組合員の安心安全な製品づくりが前進している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    製品検査・分析サービスや原材料販売を行う組合の事業の延長として、ヒスタミン測定装置の導入が位置づけられている。ただし経営戦略上の明確な位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    食物アレルギー対応醤油という市場ニーズや水産加工メーカーのニーズに言及している。自社の強みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    市販キットは高コスト・時間がかかるという課題を挙げ、高度バイオセンサー導入で低価格・短時間測定を実現する計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。1か月20~30件の測定依頼という実績はあるが、目標値とは書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    組合員への出向指導や測定サービス提供など実施体制の記述はあるが、人員や事務処理能力の具体的記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低減化目標値以下の達成、組合員からの高い評価、1か月20~30件の依頼など、ニーズの裏付けと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    調査、低減化方法の指導、経過分析という段階が示されているが、スケジュールの期間や詳細な課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    天然乳酸菌による醤油製造の中で、ヒスタミンの出にくい乳酸菌を特定した点は独自性がうかがえる。市場での普及度に関する数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    食中毒防止という安心安全の公益性や三重県醤油産業の発展への貢献が書かれているが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    外部委託に比べ低コストという記述はあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    バイオセンサーの活用は見られるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献としての記述は限定的である。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    三重県の醤油産業の発展に貢献すると記述されているが、地域の特性を活かした雇用創出の具体的な内容は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ヒスタミン低減化の取り組みは水産加工メーカーのニーズにも合致しており、食物アレルギーに対応した醤油という市場ニーズを捉え、組合員の品質向上と新たな製品開発、販路拡大により三重県の醤油産業の発展に一層貢献していく。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。