ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

折りたたみ椅子座パット成形加工機(高周波ウエルダー)の更新

三惠工業株式会社

成果接着剤塗布量 9g/枚→7g/枚

この事例のポイント

  • 座パットの溶着が不十分になるケースがあり、追加工程としてステープル補正を行っていた。
  • 座パットの成形加工工程で、溶着に必要な機能を持つハイブリッド高周波ウエルダーを導入した。
  • 接着剤塗布量 9g/枚→7g/枚。ハイブリッド高周波ウエルダーの導入により溶着能力が向上し、座パットのステープル補正が不要となって工程が削減され、生産性…

事業者のプロフィール

事業者名三惠工業株式会社
所在地三重県 鈴鹿市
業種家具・装備品製造業
技術分野接合・実装
従業員数100人
資本金5,000万円

事業の背景

折りたたみ椅子は、オフィス、学校、建設現場など多くの施設で使われる身近な製品である。近年は「座る」機能に加えて健康や快適性への関心が高まり、製品の高品質化が求められている。一方で、アジアを中心とした海外メーカーの参入により量産品の価格競争が激しくなっている。当社は折りたたみ椅子における国内シェアトップであり、従業者100名で各種オフィス家具を製造している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度座パットの溶着が不十分になるケースがあり、追加工程としてステープル補正を行っていた。
  • 人手・技能接着剤の種類や量の選定をベテラン作業員の経験と勘に頼っていた。
  • 生産能力従来の加工機は加工素材による溶着度のばらつきが大きく、多様な素材の加工では随時追加工程が発生していた。
  • 生産能力老朽化が進んだ従来の加工機では加工能力が不足し、一層の研究開発に必要な能力向上が求められていた。
  • 人手・技能地域貢献として一部委託している接着剤の手塗り作業は作業精度の管理条件が厳しく、管理者の負担が大きかった。

やったこと

座パットの成形加工工程で、溶着に必要な機能を持つハイブリッド高周波ウエルダーを導入した。必要な仕様などを決定してから設備を発注した。導入後、座パットの加工テストを実施し、期待通りの加工が可能であることを確認した。加工テストに基づき、生産性、コスト、品質、作業性について評価・検証を実施した。接着剤の塗布量は1枚あたり9gから7gへの削減を目標とした。

  • 加工機ハイブリッド高周波ウエルダー

事業の効果

  • 接着剤塗布量 9g/枚→7g/枚

ハイブリッド高周波ウエルダーの導入により溶着能力が向上し、座パットのステープル補正が不要となって工程が削減され、生産性が向上した。接着剤塗布量を1枚あたり9gから7gに減らしても従来の耐久性を維持できた。ステープル跡がなくなり外観品質が向上し、手塗り作業でも必要な精度が下がって管理負担が減り、加工可能な素材の幅も広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性海外メーカーとの価格競争の中で、国内シェアトップの強みを活かし、新素材対応や健康・快適性の機能化で差別化する方針が示されている。
  • 4
    課題の認識と解決溶着不良によるステープル補正や素材ごとのばらつきという課題を特定し、接着剤9g→7gの削減と工程削減で生産性と品質を改善する計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けリース・レンタル向けの建設需要増と、健康・快適性を切り口としたヘルスケア市場の開拓という顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制設備導入や評価・検証の手順は示されているが、補助事業を担う人材や事務処理体制についての記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    従来のベテラン頼みの溶着工程とステープル補正の課題から、加工機更新で工程削減と新素材開発を目指す流れが一貫しており、過去の取組との連続性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外メーカーとの価格競争の中で、国内シェアトップの強みを活かし、新素材対応や健康・快適性の機能化で差別化する方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    溶着不良によるステープル補正や素材ごとのばらつきという課題を特定し、接着剤9g→7gの削減と工程削減で生産性と品質を改善する計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    接着剤塗布量9g/枚から7g/枚への削減と、ステープル補正の不要化を目標値として設定し、加工テストで期待通りの加工を確認している。

  • 事業を進める体制2

    設備導入や評価・検証の手順は示されているが、補助事業を担う人材や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    リース・レンタル向けの建設需要増と、健康・快適性を切り口としたヘルスケア市場の開拓という顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    機器発注、加工テスト、評価・検証の段階的な進め方が示され、大学・研究機関との連携による今後の研究開発も見通されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    座パットの溶着で従来困難だった多様な新素材の加工を可能にし、健康・快適性を備えた高付加価値製品の開発につなげようとしている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    国内の折りたたみ椅子メーカーとして、建設需要やヘルスケア市場の開拓による雇用・需要創出に触れているが、経済波及の具体性は限定的。

  • 費用対効果2

    接着剤削減率や工程削減は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新の高周波エルダー導入は述べられているが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は記述されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    高齢化社会で成長が見込まれるヘルスケア・ライフケア市場への進出に触れているが、日本経済の構造転換との関係は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    国内シェアトップや鈴鹿の立地には触れているが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

折りたたみ椅子市場は、2020年の東京オリンピックに向けた建設需要に伴い、リース・レンタル向けの需要が堅調に推移する見通しである。製品の安定供給が可能な体制を築き、市場シェアのさらなる獲得を目指している。また、椅子と健康を切り口に、ヘルスケア・ライフケア市場の開拓を進め、大学や研究機関との連携による研究開発を一層進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。