ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

ものづくり産業の発展に貢献するスーパーエンプラ等の精密加工技術開発事業

西田精密工業株式会社

成果大物加工の最大寸法 1,080mm→2,000mm

この事例のポイント

  • スーパーエンプラ需要は拡大しているが、参入企業の増加で競争が激化しており、コスト・納期の改善と精度の向上、複雑形状部品への対応が必要になっている。
  • 平成28年11月にヤマザキマザック製の門型マシニングセンタ(FJV35/80Ⅱ)を導入した。
  • 大物加工の最大寸法 1,080mm→2,000mm。門型マシニングセンタの導入により、750mm×2000mmまでの大物加工が可能になり、多様化するユーザーニーズに幅広く…

事業者のプロフィール

事業者名西田精密工業株式会社
所在地京都府 宇治市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金1億円
設立1986年

事業の背景

当社は昭和61年創業で、スーパーエンプラ・エンプラ・汎用樹脂を使う産業用機械部品の樹脂精密機械加工を手がけ、業歴は約30年である。自動車・航空機・造船などでスーパーエンプラの活用が広がる一方、この分野への参入企業も増え、競争が一層激しくなっていた。京都の半導体関連や医療機器関連の分野でも微細化・高精度化への対応が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力スーパーエンプラ需要は拡大しているが、参入企業の増加で競争が激化しており、コスト・納期の改善と精度の向上、複雑形状部品への対応が必要になっている。
  • 新製品・新技術大物の加工には立型マシニングセンタが向いておらず、主軸から遠い部分の加工精度の確保にも課題があった。
  • 人手・技能門型マシニングセンタのハード機能を生かすため、自動プログラミング装置を増設するなどソフト機能の強化が欠かせなかった。

やったこと

平成28年11月にヤマザキマザック製の門型マシニングセンタ(FJV35/80Ⅱ)を導入した。テーブルのX軸方向長さは2240mm、Y軸方向長さは750mm、主軸最大回転速度は10000回転/分、移動量はX軸2000mm、Y軸800mm、Z軸660mmである。オプションで自動でドリルの向きを変えられるアングルヘッドも装備した。あわせて自動プログラミング装置を増設し、ハード・ソフト両面の機能強化を図った。

加工機門型マシニングセンタ(FJV35/80Ⅱ、ヤマザキマザック製)
加工機アングルヘッド
ソフト自動プログラミング装置

事業の効果

  • 大物加工の最大寸法 1,080mm→2,000mm
  • 1工程あたりの同一部品加工数 60個→140個
  • 主軸回転速度 4,000回転/分→10,000回転/分
  • 2000mmの部品でも±0.02mmの精度向上が可能になった。

門型マシニングセンタの導入により、750mm×2000mmまでの大物加工が可能になり、多様化するユーザーニーズに幅広く応えられるようになった。同一部品の一度に加工できる数が増え、生産能力は2倍以上に高まった。主軸回転速度の向上により2000mmの部品でも±0.02mmの精度向上が可能になった。アングルヘッドにより段取り替えが不要になり工程を短縮できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    約30年の事業経歴と樹脂精密加工の先駆けという位置付けはあるが、事例中に経営戦略上の位置付けを示す記述は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    スーパーエンプラ需要拡大と参入企業増加を認識し、超精密極小穴あけ(最少φ0.03)など強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    精度・複雑形状対応の課題を挙げ、門型マシニングセンタ導入で同じ工程で140個まで加工でき生産効率を2倍以上にすると具体的に示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産効率2倍以上、2000mm品で±0.02mmの精度向上、取引先30社から5年後50社といった数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員7人で15年の経験を持つ熟練者や国家資格保持者がいると書かれているが、体制の詳細は限られる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    強みを求められる精度、短納期対応、樹脂ノウハウとして整理し、小口・中口受注を狙う顧客像も示している。

  • 事業化までの道筋3

    人材育成や展示会での訴求など方向性は示されているが、スケジュールや課題解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本金や従業員数は書かれているが、財務状況や金融機関からの資金調達見込みは記載されていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超精密極小穴あけや難削材(PEEK・PEI・PBI)加工など、高水準の付加価値化を図る取組が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    自動車・航空機・半導体・医療機器など波及先は示されるが、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    設備は数千万円と高額と記載され、生産効率2倍以上の効果は示されるが、補助金額対比の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ハード・ソフト両面の強化は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体・医療機器など成長分野への関わりがうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述とは明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    京都の半導体関連企業の集積に触れているが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長の記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

約30年の業歴と樹脂に関する豊富なノウハウを生かし、求められる精度への対応、複雑形状への迅速な対応、改善提案を続ける。展示会への出展などで精密加工技術を広く訴求し、5年後には取引先を現在の約30社から約50社に拡大したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。