ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

最新プレート熱交換機導入による清酒火入れ工程の改善と品質向上

熊野酒造有限会社

成果ボタン操作一つで0.1℃ごとに温度を設定、維持できるようになった。

この事例のポイント

  • 現在の火入れ工程は品質を低下させており、品質の安定化や高品質化が難しい。
  • 火入れ工程の改善のため、新たにプレート式熱交換器を導入した。
  • ボタン操作一つで0.1℃ごとに温度を設定、維持できるようになった。火入れ作業の準備や後片付けにかかる時間や人数が大幅に削減される見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名熊野酒造有限会社
所在地京都府 京丹後市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数4人
資本金850万円
設立1944年

事業の背景

大正時代に清酒製造を始め、昭和19年に近隣の酒造家と統合して熊野酒造有限会社を設立した。主力は純米、吟醸などの特定名称酒である。特定名称酒は品質基準が厳しく、設計どおりの品質を安定して作ることが求められている。顧客の多様なニーズを満たすため、品質の安定化や高品質化への要求が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度現在の火入れ工程は品質を低下させており、品質の安定化や高品質化が難しい。
  • 人手・技能火入れの温度制御が杜氏の熟練技に頼っており、均質な温度管理が難しい。
  • 生産能力火入れ作業の効率が悪く、ロット単位が大きくなるため生酒の期間が長くなっている。
  • 納期・工程蛇管式の設置や撤去に4〜5人で半日以上かかり、作業場所の制約もある。

やったこと

火入れ工程の改善のため、新たにプレート式熱交換器を導入した。導入の要件は装置のコンパクト性と操作の簡易性とした。プレート式熱交換器を車輪付き台車にパッケージ化し、迅速な運搬、据付、撤去ができるようにした。電気回路による温度制御を行い、ボタン一つで任意の温度(65℃)に制御できるようにした。

加工機プレート式熱交換器一式

新しい製品・サービス:設備導入後に新商品が2つほど出来上がった。

事業の効果

  • ボタン操作一つで0.1℃ごとに温度を設定、維持できるようになった。
  • 設備導入後、新商品が2つほど出来上がった。

火入れ作業の準備や後片付けにかかる時間や人数が大幅に削減される見込みである。移動、設置、撤去が短時間で簡易にできるようになり、一人での作業も可能になった。生酒期間を短くでき、設計値どおりの味を実現しやすくなって品質が安定、向上した。熱交換率が改善され、水や燃料の節約、エネルギーの省力化にもつながった。従業員のモチベーションも向上し、新商品の提案も活発になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の火入れ工程の課題を認識し、設備導入で改善する一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場や競合の外部環境の記述はなく、自社の強み(品質を重視する特定名称酒)にわずかに触れるのみ。

  • 課題の認識と解決4

    火入れ工程の効率低下と品質の足かせという現状課題を明確に認識し、生酒期間短縮による品質安定化を目指す計画が読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    火入れ作業の時間や人数の大幅削減が予想されるとあるが、数値目標や付加価値額の目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    杜氏の引退に伴い社長が作業を引き継いだ経緯と現場の把握は読み取れるが、体制の詳細や人員配置の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    特定名称酒の品質安定化と顧客満足の向上というニーズは書かれているが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の展開として充填機への応用や新商品開発が触れられているが、遂行方法やスケジュールは詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    同じ分野で品質を高める意図はうかがえるが、高価格化や分野内での水準の具体的記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元久美浜の活性化や観光客への展開に触れるが、雇用創出や経済波及効果の具体的な記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    熱交換率向上による水や燃料の節約、作業時間の削減に触れるが、費用対効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    プレート式熱交換器の導入に留まり、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はほぼない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    丹後の地域イベント参加や地元久美浜の魅力発信に触れ、地域活性化への貢献意図は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は都市部や外国の人にも飲んでもらえるよう事業を展開する予定である。そのために付加価値の高い商品づくりと積極的なプロモーションが必要と考えている。

事業者の声

「火入れ」の作業は微生物の殺菌のために、一定の温度(65℃)を維持しなければなりません。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。