ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

切削工程内製化による競争力アップと雇用促進

株式会社北村鉄工所

成果マシニングセンタの稼働状況 100%→150%

この事例のポイント

  • 切削加工は社内で行えず外注に頼っていたため、社内一貫生産の強みを活かせず、リードタイムが長くなっていた。
  • 平成29年3月にマシニングセンタ(Mazak VCN-430A)を導入し、切削工程を社内で一貫して行う体制を構築した。
  • マシニングセンタの稼働状況 100%→150%。マシニングセンタの稼働率は当初目標を大きく超えて順調に向上している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社北村鉄工所
所在地京都府 京都市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数35人
資本金2.2億円
設立1957年

事業の背景

当社は溶接加工から始まり、精密板金・製罐、切削加工など幅広い加工に対応してきた。主要製品は金属部品加工、真空気密溶接、産業機器・装置製作・組立、食品製造機器などで、主要取引先は食品・医療関連などの企業である。切削加工だけが外注頼みで、金属加工では固定費の比率が大きく、稼働状況により外注費用が大きく変動する傾向があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切削加工は社内で行えず外注に頼っていたため、社内一貫生産の強みを活かせず、リードタイムが長くなっていた。
  • コスト・採算外注費は稼働状況で変動し、好景気で受注が増えても外注費が高くなり、受注しても利益が受注量に比例して増えなかった。
  • コスト・採算外注の見積額が厳しく、コス面で受注を断念するケースや、受注しても適正な利益が得られないケースがあった。
  • 納期・工程製品の約8割が設計を要するオーダー品で計画生産が難しく、納期管理が重要だった。
  • 生産能力切削加工に固有の技術が必要な加工を受注できず、失注が生じていた。

やったこと

平成29年3月にマシニングセンタ(Mazak VCN-430A)を導入し、切削工程を社内で一貫して行う体制を構築した。導入に当たっては、経験者を採用する案もあったが、先入観を持たずノウハウを蓄積することを第一に考え、人員配置を変えてオペレーターを確保した。本稼働前にメーカーによる指導、ポリテクセンターでの研修、試運転での試作を繰り返し行った。マシニングセンタはプログラミングによる自動運転が可能で、入力データがあれば熟練の技がなくても稼働できるため、若いオペレーターを比較的短期間で育てられるようになった。

加工機マシニングセンタ(Mazak VCN-430A)

事業の効果

  • マシニングセンタの稼働状況 100%→150%

マシニングセンタの稼働率は当初目標を大きく超えて順調に向上している。内製化した受注分だけ売上げが増加しており、これまで技術的・納期的に失注していた受注機会を取り込めるようになった。お客様が他社から当社に切り替える動きも生まれている。一方、受注増に伴う人員増加は進んでおらず、新規雇用の確保が今後の課題となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    溶接・精密板金・製罐から業容を広げてきた経緯と、切削工程の内製化による一貫生産強化が書かれており、過去の取組との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    外注依存でリードタイムが長く失注していた点と、一貫生産の強みを示しており、強み・弱みを踏まえた内容と読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    外注リードタイムや見積もりによる失注など課題が具体的に示され、内製化でリードタイム短縮とコスト低減を図る計画が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    付加価値や賃上げの具体的な数値目標は書かれていないが、稼働率が目標の150%に達したという実績が示されている。

  • 事業を進める体制4

    メーカー指導やポリテクセンターでの研修、試運転を経て本稼働したと書かれ、オペレーター確保の体制も示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ニーズへの対応や他社から切り替えを受けたことは書かれるが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    マシニングセンタ導入後の稼働状況と今後の設備投資方針は書かれるが、中長期のスケジュールは明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    固有の切削技術が必要な加工に対応する点はうかがえるが、高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地元密着企業として地域貢献し、雇用の確保を図る点は書かれているが、経済波及効果の規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    稼働率150%、内製化した受注分だけ売上が増えたと書かれるが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元密着企業として雇用の確保と地域への貢献を掲げており、地域の経済成長への関わりがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

マシニングセンタをフル稼働させることを目指す。需要は大きく外注加工は減らないと見込み、今後も設備投資を行い内製化できる加工を増やして競争力を高める。雇用条件の見直しや最新設備の導入により、経験の浅いオペレーターが活躍できる現場を作り、事業を拡張する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。