ものづくり補助金平成27年度製造業鳥取県

成形工場におけるIoT活用による見える化と生産性向上の取組み

気高電機株式会社

この事例のポイント

  • 中国の賃金上昇と円安で中国での廉価な家電生産が困難になり、生産の国内回帰の傾向が出てきた。
  • 射出成形機2台とその周辺機器を導入し、成形機増設により生産能力を拡大した。
  • 射出成形機の導入によりプラスチック部品の増産体制が確立した。

事業者のプロフィール

事業者名気高電機株式会社
所在地鳥取県 鳥取市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理,製造環境,測定計測
従業員数161人
資本金4.68億円
設立1969年

事業の背景

当社は製品設計、金型製造、プレス部品加工、プラスチック成形、商品組立までを社内に持ち、大手家電メーカーと炊飯器やジャーポットなどの家電製品を開発から完成品まで一貫して手がけている。2014年には経済産業省主催の製品安全対策優良企業表彰を受けた。中国の賃金上昇と円安を背景に、中国での廉価な家電生産が難しくなり国内回帰の動きが出ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力中国の賃金上昇と円安で中国での廉価な家電生産が困難になり、生産の国内回帰の傾向が出てきた。
  • 生産能力プラスチック部品の生産増加が見込まれるが、現設備では対応が困難になっている。
  • コスト・採算中国企業との競争力を保つため、生産コストを低減する必要がある。

やったこと

射出成形機2台とその周辺機器を導入し、成形機増設により生産能力を拡大した。導入した小型(220t未満)の成形機により、チャージ率を下げ加工時間を短縮した。あわせてIoTを活用して全成形機と周辺設備を接続し、成形工程の条件と品質情報を見える化する射出成形工程管理システムを構築した。データを解析して工程進捗管理、品質管理、エネルギー管理(制御)、機器と金型の計画保全を行い、生産効率を確認した。

  • 加工機射出成形機
  • その他射出成形機の周辺機器
  • ソフトIoT対応の射出成形工程管理システムハードウェア・ソフトウェア・サーバー

事業の効果

射出成形機の導入によりプラスチック部品の増産体制が確立した。小型成形機の導入でチャージ率と加工時間が下がり、1ショットあたりの加工費が大幅に減った。IoTシステムにより金型と成形機のショット数や稼働時間が管理できるようになり、清掃・点検時期を効率的に管理でき、不具合の防止や保守費用の削減につながった。工場全体の見える化により稼働率の向上と不良率の低減の成果も出ている。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性中国の賃金上昇と円安で国内回帰が進む中、社内一貫体制と安全表彰を生かし増産対応している点は外部環境と強みの対応が読める。
  • 4
    課題の認識と解決現設備では対応困難という課題を認識し、成形機2台導入と1ショット加工費の大幅削減で高付加価値化に結びつけている。
  • 4
    イノベーションへの貢献全成形機と周辺設備をIoTで接続し工程管理や品質管理を一元化する取組で、工場全体の見える化を実現している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標稼働率向上や不良率低減の成果は記述があるが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    製品設計から組立まで社内に全工程を持ち、家電メーカーと開発から完成品まで行っている点が既存事業との一貫性を示す。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国の賃金上昇と円安で国内回帰が進む中、社内一貫体制と安全表彰を生かし増産対応している点は外部環境と強みの対応が読める。

  • 課題の認識と解決4

    現設備では対応困難という課題を認識し、成形機2台導入と1ショット加工費の大幅削減で高付加価値化に結びつけている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    稼働率向上や不良率低減の成果は記述があるが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    既存の成形工場と管理体制を持ち、IoTシステムの構築と工程管理を自社で行う体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大手家電メーカーのODM商品を担い、炊飯器などの顧客と製品ニーズに応える構造が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    実施期間を平成28年7月から11月と示し、導入後に工程管理や保全へ展開した段階的な進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性判断できません
  • 新しさ・高付加価値ー

    公開情報では判断できません。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    国内回帰の流れに対応して生産能力を拡大し、プラスチック部品の増産体制を確立した点は国内生産の維持に資する。

  • 費用対効果3

    小型成形機導入でチャージ率低減と加工時間短縮が進み、1ショットあたり加工費の大幅な削減という効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    全成形機と周辺設備をIoTで接続し工程管理や品質管理を一元化する取組で、工場全体の見える化を実現している。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    鳥取市の拠点から国内生産を行う点は触れているが、地域の雇用創出や経済成長への言及は弱い。

今後の展望

今回の導入設備はすでにフル稼働し生産活動に寄与している。ブランディングを中心としたマーケティングも実施中である。

  • 目標:従業員数161人(平成29年9月末時点)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。