ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

溶接工程への最新技術導入と、IoTによる工場間連携体制構築

庄原ステンレス工業株式会社

成果溶接可能な板厚 0.8mm→0.2mm

この事例のポイント

  • 顧客から低コスト化・軽量化が求められ材料が薄くなっているが、0.8mmより薄い板の溶接ができず、薄板溶接の要望に応えられない。
  • ハンディファイバーレーザー溶接機として、株式会社アマダのFLW-600MTを導入した。
  • 溶接可能な板厚 0.8mm→0.2mm。ハンディファイバーレーザー溶接機の導入により、0.8mmから0.2mmまでの薄板を溶接でき、溶接面の焼焦げや歪みのない…

事業者のプロフィール

事業者名庄原ステンレス工業株式会社
所在地広島県 庄原市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,接合・実装
従業員数23人
資本金1,000万円
設立2000年

事業の背景

当社は充実した加工設備、短納期対応、ニーズに合わせたきめ細やかな対応を強みに営業してきた。しかし顧客メーカーからはそれを超える要望が増え、低コスト化・軽量化のために材料をどんどん薄くする流れが強まっている。さらに薄い材料の溶接は熟練工でも実現できない程の歪みを抑える精度が求められるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術顧客から低コスト化・軽量化が求められ材料が薄くなっているが、0.8mmより薄い板の溶接ができず、薄板溶接の要望に応えられない。
  • 品質・精度薄い材料の溶接は熟練工でも防げないほどの歪みが出るため、歪みを抑えた高い精度が求められるようになっている。
  • 納期・工程加工実績の情報を収集・蓄積する仕組みがなく、社長が兼務する福豊精工との工場の進捗状況をお互いに電話で確認している。

やったこと

ハンディファイバーレーザー溶接機として、株式会社アマダのFLW-600MTを導入した。広島県では一番の導入であり、国内でもあまり出回っていない機種である。溶接可能な板厚は、従来のTIG溶接機による0.8mmから0.2mmまで広げることを目標とした。生産管理システムは株式会社知見から導入し、受注納期ごとの進捗確認と福豊精工との協力体制の確立を図った。アマダの設備稼働データ分析システムv-Factoryも導入し、既存のアマダ製主要設備をLANで専用システムに接続して稼働データを蓄積できるようにした。

加工機ハンディファイバーレーザー溶接機 FLW-600MT(株式会社アマダ)
ソフト生産管理システム(株式会社知見)
ソフトv-Factory(株式会社アマダ 設備稼働データ分析システム)

事業の効果

  • 溶接可能な板厚 0.8mm→0.2mm

ハンディファイバーレーザー溶接機の導入により、0.8mmから0.2mmまでの薄板を溶接でき、溶接面の焼焦げや歪みのない溶接品質を獲得した。v-Factoryにより設備の稼働状況や加工時間などが把握できるようになり、負荷分散が可能になった。生産管理システムの導入により福豊精工との協力体制が確立し、受注納期ごとの進捗状況を確認できるようになった。これまで対応できなかった顧客層の要望を満たし、受注の間口を広げられる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    加工実績の情報を蓄積できない課題を挙げ、精密製缶・板金の既存事業の延長として薄板溶接技術の獲得を位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    強みとして充実した加工設備・短納期・きめ細やかな対応を挙げ、顧客の低コスト化・軽量化要望と照らし合わせて整理している。

  • 課題の認識と解決4

    顧客要望に応えられない課題を示し、溶接可能な薄さを0.8mmから0.2mmへ引き上げる具体的な数値目標を設定している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    溶接可能な板厚の目標は数値で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    生産管理システムの導入や福豊精工との協力体制、受注納期ごとの進捗確認の仕組みが記載されている。人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客であるメーカーの熱歪みのない精度・コスト・納期・美観ニーズを整理し、薄板や少量受注への対応を選ばれる理由として示している。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として受注の間口拡大が示されているが、遂行スケジュールや中長期の課題検証の記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    広島県で最初の導入であり、世の中にあまり出回っていない機種を使い、従来の0.8mmより薄い0.2mm溶接を実現したと記載している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    中国地域の航空機関連産業クラスターに触れているが、雇用創出や波及効果を国が補助する理由として示す記述は少ない。

  • 費用対効果2

    導入による効果は記載されているが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    各工程の設備をインターネット接続し、v-Factoryと生産管理システムでリアルタイムに稼働状況を共有する仕組みを導入している。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    航空機部品産業の発展を先取りする地域で薄物ステンレス溶接技術を獲得したと記載され、成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    中国地域の航空機関連産業クラスターという地域特性を活かし、受注の間口を広げる方針が示されている。雇用創出は記載されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中国地域には大手航空機関連メーカーの製造拠点が立地し、「ちゅうごく地域航空機関連産業クラスター」が形成されている。本事業により薄物ステンレスの溶接技術を獲得したことで、熱による歪みのない精度・コスト・納期に加えて美観のニーズも満たせるようになり、今後は受注の間口拡大を目指す。

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。