ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

タンパク質分解活性を増強する酵素を用いた、穀物酢の多品種少量生産方式の確立と試作品開発

お多福醸造株式会社

成果約50%アップ

この事例のポイント

  • 米酢製造ではアミノ酸(旨味成分)の産生が少なく、旨味を増やす必要があった。
  • 竪型撹拌槽を3基設置し、米酢製造と酒粕酢製造において、タンパク質分解活性を増強する酵素(フィターゼ)を従来の酵素に加えて使用した。
  • 約50%アップ。米酢製造と酒粕酢製造の両方で、フィターゼ効果によりアミノ酸の産生量が約50%増え、旨味が強くなった。

事業者のプロフィール

事業者名お多福醸造株式会社
所在地広島県 三原市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1999年

事業の背景

調味料市場では高齢者や若年主婦層を中心に調理人口が減少し、しょう油・味噌など和風基礎調味料の消費は長期的に減少傾向にある。一方、食酢市場は健康訴求や海外の寿司ブームを背景とした輸出増加などにより近年堅調に推移している。食酢市場の規模は約630億円(平成25年度)で、用途は調理用酢が約270億円と最も多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度米酢製造ではアミノ酸(旨味成分)の産生が少なく、旨味を増やす必要があった。
  • 生産能力広範囲な容量での撹拌混合ができず、小ロットから大量まで対応できなかった。
  • 集客・繁閑顧客から旨味の増加、小ロット化、健康志向、短納期化などニーズが多様化していた。

やったこと

竪型撹拌槽を3基設置し、米酢製造と酒粕酢製造において、タンパク質分解活性を増強する酵素(フィターゼ)を従来の酵素に加えて使用した。米酢製造では液化・糖化工程でタンパク質分解を促進させ旨味成分を増大させ、酒粕酢製造では同様にタンパク質分解促進とアルコール発酵の迅速化を図った。800~6,000リットルの液量で撹拌混合できる仕様の調合槽を導入した。穀物酢の多品種少量生産方式を確立し、試作品を開発して官能試験で酸味・旨味・コク・甘味・香りの5ファクターの基準値を確認した。

加工機竪型撹拌槽
加工機調合槽

新しい製品・サービス:健康を訴求し、低コストで旨味を増強したアレルゲンフリーの穀物酢(調味酢)

事業の効果

  • 約50%アップ
  • 約50%アップ
  • 約1/2になった
  • 液量800~6,000リットルの調合に対応できた

米酢製造と酒粕酢製造の両方で、フィターゼ効果によりアミノ酸の産生量が約50%増え、旨味が強くなった。酒粕酢ではアルコール発酵時間も約1/2に短縮された。調合槽により800~6,000リットルの液量の調合が可能になり、小ロットから大量まで対応できるようになった。試作品は官能試験で基準値内の商品ができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    親会社の醸造酢事業や創業製品との関係は触れられているが、経営戦略上の位置付けは詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客ニーズの多様化と食酢市場の堅調さは書かれているが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    旨味増強や小ロット化など課題は示されるが、高付加価値化や成長に直結する事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    アミノ酸産生量が約50%アップ、発酵時間が約1/2になったなど、数値目標と成果が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    健康訴求・アレルゲンフリー・低コストの製品価値と、外食用・中食用という顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    官能試験や調合槽の設計など工程は書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    食酢の旨味・アレルゲンフリーの多品種少量生産という高付加価値化を図る内容で、市場規模630億円なども示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    食酢市場の堅調さや輸出増加は触れられているが、国が補助する波及効果や雇用創出の理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    低コストや生産時間短縮は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の費用対効果は数値で示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    フィターゼ添加や竪型撹拌槽の導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献はうかがえない程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    健康志向や海外の寿司ブームによる食酢市場の成長に触れており、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    広島県三原市の自然豊かな環境での製造は書かれるが、地域の雇用や経済成長への牽引は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

食酢市場は堅調で、供給が不足しているエリアへマーケットを拡大する。穀物酢をベースとした調味酢を、顧客ニーズにきめ細かく対応できる外食用・中食用に向けて想定している。加工食品向けに低価格の米酢・酒粕酢の販売も目指す。

事業者の声

米由来原料を使用しておりますので、アレルゲンフリーで、添加物も使用していません。健康を訴求し、他社と差別化した「生酢」に関してご要望にお応えできると思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。