ものづくり補助金平成27年度製造業山口県

世代ごとのニーズに対応した蒲鉾食品展開で新たな魚食文化の創造と健全な食生活への貢献

有限会社ムサシ

この事例のポイント

  • 農家の減少などにより、大根のケン(刺身のつま)の原材料を安定して確保することが難しくなっていた。
  • 高タンパク低脂肪で健康食品の代表格である蒲鉾を、従来の形状ではなく立体的な形状にした新商品の開発に取り組んだ。
  • 新規設備により、消費者のニーズに対応した立体蒲鉾の製造販売が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ムサシ
所在地山口県 下関市
業種食料品製造業

事業の背景

当社は創業時から大根のケン(刺身のつま)の加工製造を行ってきた。年間を通じて製造するため、季節に応じて原材料の産地を変えて確保に努めてきたが、農家の減少により安定確保が難しくなっていた。食生活の変化で消費者の魚離れが加速し、売上は創業時と比べて減少傾向にあったため、販路の強みを活かせる水産加工業への進出を決めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力農家の減少などにより、大根のケン(刺身のつま)の原材料を安定して確保することが難しくなっていた。
  • 販路・情報発信食生活の変化により消費者の魚離れが加速し、当社の売上は創業時と比べて減少傾向にあった。
  • 新製品・新技術主力商品に加えて第二の経営の柱となる新事業の展開が急務だった。

やったこと

高タンパク低脂肪で健康食品の代表格である蒲鉾を、従来の形状ではなく立体的な形状にした新商品の開発に取り組んだ。骨つき肉(マンガ肉)を蒲鉾でリアルに成型した「ぎょにっく」として意匠登録と商標登録を行った。山口県産業技術センターの指導を受けてCADで型枠を設計し、3D切削機を導入して型枠を完成させた。蒲鉾独特の匂いや雑菌の増加を抑えるため、オゾン生成機を導入し、すり身を流し込み成型した後にオゾン水で殺菌・脱臭を行い品質を安定させた。骨にあたる部分は型枠ごと蒸し器で蒸し、肉にあたる部分はフライヤーで揚げる製造体制を構築した。

新しい製品・サービス:立体蒲鉾「ぎょにっく」(骨つき肉を蒲鉾で立体表現した商品)

事業の効果

新規設備により、消費者のニーズに対応した立体蒲鉾の製造販売が可能になった。第一弾の「ぎょにっく」は商標登録も行っている。既存の販売先である鮮魚店が、需要が減少した鮮魚の穴埋め商品として新商品を取り扱う動きが見られている。自社で型枠を製作できるため、性別や世代に応じた形やサイズ、オリジナルデザインの商品開発も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値蒲鉾の立体的造形は従来品と差別化された新商品で、現実にありそうで出回っていない形状だと明記されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出水産加工への進出と食文化の創造が書かれているが、日本経済の構造転換に関する記述はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    大根のケン製造の既存事業と、水産加工への進出を第二の柱とする方針が書かれており、経営上の位置付けは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    鮮魚店が鮮魚の需要減少の穴埋め商品を求めているとあり、市場状況と販路の強みは読み取れるが、定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決3

    原材料の安定確保の困難と売上減少という課題を挙げ、立体蒲鉾の開発で対応する流れは書かれているが、計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    山口県産業技術センターの指導を受けCAD設計を行い、自社内で型枠製作が可能とある。体制の一部は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    骨つき肉を蒲鉾で表現した可愛い外見が差別化点と示され、ターゲットは性別や世代に応じた展開とあるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    型枠設計、オゾン殺菌、蒸し器とフライヤーの導入という製造工程の解決策が順に書かれ、段階的な進め方がうかがえる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    蒲鉾の立体的造形は従来品と差別化された新商品で、現実にありそうで出回っていない形状だと明記されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    下関や山口県の名物を表現した商品で食文化の復活を目指すとあり、地域性と文化的意義は読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    CADと3D切削機を使った型枠製作やオゾン殺菌など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    水産加工への進出と食文化の創造が書かれているが、日本経済の構造転換に関する記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    下関や山口県の名物を活かした土産品開発が示され、地域特性を活かす方向性は読み取れる。

今後の展望

下関のふぐ、前浦のイカ、関門のタコ、北浦のうになど下関及び山口県内の名物を可愛く表現したお土産品を開発し、蒲鉾文化の復活と新たな食のスタイルを提案することを目指す。注文のあったキャラクター型蒲鉾の販売企画も行いたい。まずは国内に蒲鉾の魅力を知らしめ、日本の文化として世界に広めていく事業へと発展させたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。