ものづくり補助金平成27年度製造業香川県

発酵微生物管理技術を用いた醤油の高品質化事業

香川県醤油醸造協同組合

成果洗浄水圧 40kg/cm2→90kg/cm2

この事例のポイント

  • 醤油の発酵タンクは清浄せず自然乳酸菌を使っているため、ヒスタミン生成や品質が安定しなかった。
  • 発酵タンクを自動洗浄する装置を導入した。
  • 洗浄水圧 40kg/cm2→90kg/cm2。タンク内の雑菌を除去し、優良乳酸菌の添加などの微生物管理により、生醤油のpHの安定化、風味の深みの付与、アレルギー物質…

事業者のプロフィール

事業者名香川県醤油醸造協同組合
所在地香川県 坂出市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,機械制御
従業員数13人
設立1911年

事業の背景

人口減少や高齢化、生活様式の多様化により醤油製品の国内消費は減少している一方、健康志向の消費者は増えており、消費者ニーズは高まっている。醸造タンクにはさまざまな微生物がおり、優良なものもあるが雑菌も存在する。醤油の国内消費は低迷しているが、和食が2013年に無形文化遺産に登録されたこともあり、組合員の間では海外輸出への期待が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度醤油の発酵タンクは清浄せず自然乳酸菌を使っているため、ヒスタミン生成や品質が安定しなかった。
  • 生産能力安心安全で安定した品質の高品質生揚げ醤油を製造するため、機器導入が必要だった。

やったこと

発酵タンクを自動洗浄する装置を導入した。高圧洗浄方式で、通常の最高水圧が40kg/cm2のところ90kg/cm2の水圧で、毎分60lの洗浄能力があり、インバータ制御により水圧・洗浄水量を可変・制御できる。乳酸菌を培養する装置を導入し、温度を30℃〜37℃、pHを7±1に制御しながら、培養液の殺菌温度も制御して培養温度を一定化し、昼夜を通して4日間の乳酸菌の適正な培養制御を実現した。

加工機タンク洗浄装置
加工機乳酸菌培養装置

事業の効果

  • 洗浄水圧 40kg/cm2→90kg/cm2
  • 毎分60lの洗浄能力

タンク内の雑菌を除去し、優良乳酸菌の添加などの微生物管理により、生醤油のpHの安定化、風味の深みの付与、アレルギー物質ヒスタミンの低減など、品質が確立された。消費者ニーズに沿った安心安全な醤油を提供でき、生産量を復元するとともに労働生産性を高めることが可能となった。今後は海外への販路拡大が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    醤油の品質確立を目指す取組と記載があるが、過去事業との連続性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    消費者の健康志向の高まりや海外輸出の期待に触れるが、自社の経営資源との強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ヒスタミン生成や品質が安定しない課題を認識し、タンク洗浄装置と乳酸菌培養装置で解決を図ると具体的に書かれている。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    労働生産性を高めることが可能になったとあるが、数値の目標や実現の根拠は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    安心安全な醤油と海外での健康志向の品質ニーズに触れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    事業の実施内容や装置の仕様は示されるが、スケジュールや課題解決の進め方の記載はほとんどない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ヒスタミン低減や乳酸菌制御による高品質化に触れるが、高付加価値化の水準や価格面の具体性は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    四国産業競争力強化戦略や地域経済への貢献に触れるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    タンク制御や乳酸菌培養装置の自動制御に触れるが、サプライチェーンへの貢献の記載は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外販路拡大への期待に触れるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    香川県の地域資源である醤油醸造を活かし、地域経済への貢献と工場見学による地域連携に取り組むと書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

TPP実施による製品輸出の機運が高まっており、海外での日本製品への品質需要に応えることで、今後は海外への販路拡大が期待できる。「四国産業競争力強化戦略」の「四国の未来を切り拓く連携プロジェクト」に沿い、地域経済への貢献にも注力していく。

事業者の声

醤油の素晴らしさを世界中の人に伝えていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。