ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業高知県

海外販路開拓支援サービスを付加したジッパー付パッケージの製造

有限会社パッケージ高知

成果製品納品リードタイム 30週→1.5週

この事例のポイント

  • 中小企業は大手パッケージメーカーに比べて納品日数がかかり、ジッパー付製袋の受注が後回しになりやすい。
  • 三方シール用のジッパー付製袋機を新たに導入した。
  • 製品納品リードタイム 30週→1.5週。新たに導入した製袋機と受注ソフトにより、ジッパー付製袋を内製化し、納品期間を大幅に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社パッケージ高知
所在地高知県 南国市
業種機械器具卸売業
従業員数12人
資本金1,550万円
設立1983年

事業の背景

当社は食品用パッケージの専門メーカーで、県内で唯一「製袋機」を保有している。2014年度に「コンビニ販売専用パッケージの製造」のテーマで本事業に採択され、小ロット製袋の能力を増強した。県内食品関係業者の新商品開発が活発になり、コンビニ・量販向けの県内メーカーからの受注が増加した。一方、予想外だった県外中堅メーカーや県外ラミネート業者からの受注も増えている。TPP加盟を受けてインバウンドも増加しており、今後は海外向けや訪日外国人向けの商品開発が増えると見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力中小企業は大手パッケージメーカーに比べて納品日数がかかり、ジッパー付製袋の受注が後回しになりやすい。
  • コスト・採算メーカー側で原材料や衛生製造管理のコストが年々上昇し、包装資材はコストカットの対象となっている。
  • 新製品・新技術事業を維持・拡大するには、より付加価値の高いパッケージを企画・製造する必要がある。

やったこと

三方シール用のジッパー付製袋機を新たに導入した。製袋速度はジッパー三方袋が毎分120枚(1日最大11.5万枚)で、三方袋は毎分160枚(1日最大15.4万枚)である。加えて自己資金で受注ソフトを導入し、即時見積もり体制を整えた。これにより地元メーカーへの納品は、これまで1ヵ月かかっていたものを1〜2週間までに短縮できた。クラウドシステムを導入し、商談や見積もりをその場で行い、パッケージの仕様やデザインまで提案できる体制を構築している。国内外の商社数社と連携して海外販路開拓を支援するサービスを付加した。

加工機ジッパー付三方シール用製袋機
ソフト受注ソフト(即時見積もり)
ソフトクラウドシステム

新しい製品・サービス:高機能・多品種・小ロットのジッパー付パッケージを開始する。海外販路開拓や訪日観光客を狙うメーカー等を対象に、国内外商社と連携した情報提供・マッチング等の販路開拓サポートをサービスとして付加する。

事業の効果

  • 製品納品リードタイム 30週→1.5週
  • ジッパー三方袋 毎分120枚(1日最大11.5万枚)

新たに導入した製袋機と受注ソフトにより、ジッパー付製袋を内製化し、納品期間を大幅に短縮した。小ロットで実数に近い納入が可能になり、依頼企業のロス軽減にもつながる。複数の新規依頼や大口依頼を打診されている。ジッパー付パッケージは再密封や保存性向上、消費期限の長期化、商品表示義務への対応などの効果もある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2014年度の製袋機増強事業に採択され、今回はジッパー付製袋の内製化と受注ソフト導入を重ね、製袋機の増強を続けている流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手が後回しにする小中ロット・短納期分野で、1か月かかっていた納品を1〜2週間に短縮したと具体的に書かれ、強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    包装資材のコスト圧力を課題として挙げ、ジッパー付製袋への切り替えによる付加価値化と海外販路支援サービスの付加が書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製袋速度は1日最大11.5万枚と示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断は限定的。

  • 事業を進める体制4

    正社員1名とパート2名で3台の製袋機を対応してきた体制と、新規雇用1〜2名の見込みが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    地元メーカーの受注が1か月から1〜2週間に短縮、実数納入によるロス軽減など具体的な顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    海外商社との連携やクラウドシステム導入の方向性は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的方法は限定的にしか書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    受注ソフトは自己資金で導入したとの記述はあるが、財務状況や金融機関からの資金調達見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジッパー付製袋は大手以外に対応が少なく、正確性や再利用性で途上国製を寄せ付けない高付加価値分野だと具体的に述べられている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    県内食品関係業者の新商品開発や訪日外国人向け商品の増加が述べられるが、経済波及効果や雇用創出の国の関与理由は十分に示されていない。

  • 費用対効果3

    製袋機の増強と1〜2名の新規雇用、製袋速度の数値は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    クラウドシステムによる即時見積と仕様・デザイン提案の体制構築が書かれ、デジタル活用の方向性はうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    TPP加盟やインバウンド増加を背景に海外向け商品開発が増えると述べられ、構造転換への言及はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    県内食品加工業・農業・水産業の新商品開発に対応する地域密着の取組として、高知県の業者との取引拡大が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

TPP加盟やインバウンドの増加を受けて海外向け・訪日外国人向けの商品開発が増えると見込まれる。商社等との販路マッチングを含めて支援機能を高め、営業力を強化していく。

  • 目標:原材料・製造管理コスト 1倍→1.5倍

事業者の声

パッケージ高知でなければならない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。