ものづくり補助金平成27年度製造業長崎県

地域資源を活用した世界的にも珍しい「魚で造る味噌」の製造販売

この事例のポイント

  • 従来多品目の海産物加工品を製造していたが、火災被害で工場を焼失し、事業を5品目に絞って集中化する必要があった。
  • カルシウムを豊富に含む商品とするため、これまで活用されていなかった真鯛の頭部分を丸ごと使用することを発案した。
  • 真鯛の頭部分など従来活用されていなかった原料を使った味噌を安定した品質で増産できるようになり、充填などの作業効率化とスピードアップも実現した。

事業者のプロフィール

所在地長崎県 平戸市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数5人
設立1991年

事業の背景

無添加の自然食品であることや味の良さで評価が高まり、受注を伸ばしていた。火災による工場焼失を機に5品目に絞り、顧客への供給を切らさず事業を継続する体制づくりに取り組んできた。カタクチイワシやアゴを原料にした「炙醤油」、煮干しを原料とした「煮干しみそ」を開発・商品化してきた実績がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来多品目の海産物加工品を製造していたが、火災被害で工場を焼失し、事業を5品目に絞って集中化する必要があった。
  • 新製品・新技術受注が伸びる中、日本人に不足しがちなカルシウムを多く摂取できる商品への引き合いがあったが、そうした商品はまだなかった。

やったこと

カルシウムを豊富に含む商品とするため、これまで活用されていなかった真鯛の頭部分を丸ごと使用することを発案した。長崎県水産試験場や長崎県工業技術センターの協力を得て、硬い骨がある頭部分の加工方法を考案した。既存の設備に真空包装機、スチームコンベクションオーブン、摩砕機、充填機などを新たに導入し、滑らかな舌触りの味噌を安定した品質で増産できる体制を整えた。大豆を使わず水産物だけを原料とし、保存料や添加物、化学調味料、砂糖を一切使用しない自然食品の「魚味噌」として平成29年4月に販売を開始した。

  • 加工機真空包装機スチームコンベクションオーブン摩砕機充填機

新しい製品・サービス:真鯛の頭部分を原料とした、大豆を使わず水産物だけで作る自然食品の「魚味噌」。平戸魚味噌として6種類をラインナップしている。

事業の効果

真鯛の頭部分など従来活用されていなかった原料を使った味噌を安定した品質で増産できるようになり、充填などの作業効率化とスピードアップも実現した。真鯛という高級魚のイメージも商品価値を上げる一役を担っている。現在は真鯛のほかアゴ、いわし、イカ、コノシロ、ミツクリなどを加えて6種類を販売し、東京都中央区の長崎県アンテナショップや平戸瀬戸市場で扱われている。購入者からは生臭くなく食べやすいとの評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性火災後に5品目へ絞り、煮干しみそなど既存商品の開発実績を踏まえて魚味噌の開発に着手しており、事業の連続性が読み取れます。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け無添加で水産物のみを使う価値と、生臭くなく食べやすいという消費者の声、販売先の店舗名が具体的に書かれています。
  • 4
    新しさ・高付加価値魚を原料にした味噌は世界的にも珍しいとされ、大豆味噌とは異なる新分野に挑戦していることが読み取れます。

伸びしろがあった観点

  • 1
    費用対効果補助金投入額や付加価値額、生産性向上の数値は記載されていません。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性4

    火災後に5品目へ絞り、煮干しみそなど既存商品の開発実績を踏まえて魚味噌の開発に着手しており、事業の連続性が読み取れます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からカルシウムを多く含む商品の要望があったことや、無添加と味の評価が高まったことが書かれていますが、市場データは示されていません。

  • 課題の認識と解決3

    カルシウム需要を背景に、流通していない真鯛の頭部を活用する加工方法を考案し、6種類へ展開した点が書かれています。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化の目標値や数値は記載がなく、真鯛の高級魚イメージが商品価値を上げたとの記述のみです。

  • 事業を進める体制3

    従業員数5名の小規模体制で、県の水産試験場や工業技術センターの協力を得て加工方法を確立したことが書かれています。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無添加で水産物のみを使う価値と、生臭くなく食べやすいという消費者の声、販売先の店舗名が具体的に書かれています。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年4月の販売開始や6種類への展開など段階的な経緯は記載されていますが、今後の中長期計画は不明です。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    魚を原料にした味噌は世界的にも珍しいとされ、大豆味噌とは異なる新分野に挑戦していることが読み取れます。

公的補助の必要性1.5
  • 波及効果・雇用2

    長崎近海の水産物を使い地域資源を活用している点はうかがえますが、雇用創出や波及効果の記述は少ないです。

  • 費用対効果1

    補助金投入額や付加価値額、生産性向上の数値は記載されていません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    水産物を使った味噌という新たな分野への進出がうかがえますが、日本経済の構造転換への言及はありません。

  • 地域経済への波及4

    長崎県平戸市の水産物を活用し、地元特産品店や東京のアンテナショップで6種類を販売している点が具体的に書かれています。

事業者の声

生臭くなく食べやすい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。