ものづくり補助金平成28年度製造業秋田県

超音波プローブのサイズにマッチした成形機で生産効率を向上させたコストパーフォーマンスのよい部品製造の実現

東邦工業株式会社

成果超音波プローブ3,000セットの成形で比較すると1セットあたり17秒短縮した

この事例のポイント

  • 従来の油圧式射出成形機は大型製品向けで、超音波プローブの小型化に対応しにくかった。
  • 電気式高性能射出成形機と射出成形品取出ロボットを導入した。
  • 超音波プローブ3,000セットの成形で比較すると1セットあたり17秒短縮した。超音波プローブ3,000セットの成形で、1セットあたり17秒、総加工時間は36時間短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名東邦工業株式会社
所在地秋田県 鹿角市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

主力製品は業務用無線機の筐体部分で、大手通信会社向けに納入している。納期、価格、品質に加え、一次・二次加工を手掛けることによる対応力や提案力で高い評価を得ている。業務用無線機に次ぐ新たな柱として、景気に左右されず成長が見込まれる医療機器分野に参入した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の油圧式射出成形機は大型製品向けで、超音波プローブの小型化に対応しにくかった。
  • 品質・精度品質が安定せず生産性が低かった。

やったこと

電気式高性能射出成形機と射出成形品取出ロボットを導入した。医療機器の研究開発で得た技術と経験、ノウハウを活かし、金型・シリンダーの温度、射出速度、材料などの最適な条件を導き出した。材料を金型に注入する部分を小さくしたことで成形時間が短縮し、不良率が低減した。シリンダー内の材料滞留時間を短縮し、材料の熱分解と劣化材料の廃棄を大幅に減らした。産業用機械メーカーの研修に従業員を参加させ、成形技術の基礎・基本を習得し、社内教育を強化した。

新しい製品・サービス:超音波プローブの成形

事業の効果

  • 超音波プローブ3,000セットの成形で比較すると1セットあたり17秒短縮した
  • 総加工時間は36時間短縮した
  • 不良率は約1/3に減少した

超音波プローブ3,000セットの成形で、1セットあたり17秒、総加工時間は36時間短縮した。不良率は約1/3に減り、外注の内製化により収益力が向上した。金型設計から成形、印刷までを一貫して手掛ける提案力が評価され、他の医療関連成形品の新規受注にもつながった。教育強化により若手技術者の技術向上と熟練技術者の負担軽減が進み、人為的なミスも減少した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標3,000セット比較で1セットあたり17秒、総加工時間36時間短縮、不良率約1/3に減少と数値で目標と成果が示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性景気に左右されず成長が見込まれる医療機器分野を選び、金型設計・成形から印刷までの一貫対応が評価され他の医療成形品の新規受注につながったと具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決油圧式成形機では小型化対応が困難で品質が安定せず生産性が低いという課題を認識し、電気式成形機導入で成形時間や不良率の改善に取り組んだ。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出景気に左右されず今後成長が見込まれる医療機器分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    業務用無線機の筐体成形で大手通信会社に納入し、医療機器分野を新たな柱にすると明記。過去の取組との流れは読み取れるが、戦略上の位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    景気に左右されず成長が見込まれる医療機器分野を選び、金型設計・成形から印刷までの一貫対応が評価され他の医療成形品の新規受注につながったと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    油圧式成形機では小型化対応が困難で品質が安定せず生産性が低いという課題を認識し、電気式成形機導入で成形時間や不良率の改善に取り組んだ。

事業の実現可能性3.6
  • 付加価値・賃上げの目標5

    3,000セット比較で1セットあたり17秒、総加工時間36時間短縮、不良率約1/3に減少と数値で目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員35名で社内外の研修や社内教育強化に取り組んだと書かれているが、補助事業を遂行する体制の具体的な配置や事務処理体制は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超音波プローブは医師の指先の感覚に追従する精度と品質が要求されると、製品価値と顧客要件が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    超音波機器は2〜3年でモデルチェンジし生産終了後10年間の部品供給があると書かれ、今後の見通しは示されるが、スケジュールや遂行方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    医療機器の超音波プローブ成形という分野で、同じ分野で高精度・高品質を求められる製品を扱い、付加価値の高い製品づくりを目指すと書かれている。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果4

    3,000セットで総加工時間36時間短縮、不良率約1/3減、原価低減と生産性向上の効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    医療機器の研究開発に秋田県産業技術センターや弘前大学とともに参画したと書かれているが、先端デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    景気に左右されず今後成長が見込まれる医療機器分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    本社機能の秋田移転と地域に根差した会社づくりを計画し、地域での事業展開が書かれているが、雇用創出や成長の数値は示されていない。

今後の展望

超音波機器は2〜3年ごとにモデルチェンジされ、生産終了後10年間の部品供給があるため、安定した受注が見込まれる。モデルチェンジは寸法変更に留まることが多く、金型の設計・製作費用が低減して価格競争力がさらに向上する見込みである。

事業者の声

労働人口の減少にともない、従業員の採用が今後益々困難になることは避けられない。自動省力化機械の導入や将来的な工場建て替えなど、従業員の負担を軽減しながら生産性を向上させることができる社内環境の充実に取り組んでいきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。