ものづくり補助金平成28年度製造業山形県

工業用樹脂製真空脱泡チャンパーの企画開発

株式会社スペリア

この事例のポイント

  • 半導体製造装置の顧客からリードタイム短縮を強く求められているが、真空脱泡チャンバーを外注しているため調達に時間がかかり、自社で納期を管理できない。
  • 従来アクリル製が主流の真空脱泡チャンバーに対し、アクリルより安く、すでに他事業で多く使用しているため低コストで仕入れられる硬質塩化ビニール(塩ビ)でチャンバーを企画、設計、製作し…
  • 塩ビ製大型円形真空脱泡チャンバーの開発が完了した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社スペリア
所在地山形県 河北町
業種電気機械器具製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数55人
資本金7,500万円
設立1969年

事業の背景

当社の主力事業は半導体・液晶製造装置の製造である。最終ユーザーが海外メーカーで、半導体業界の変化が激しく、製造装置のリードタイム短縮の要求が強まっている。製造装置に含まれる真空機器は外注しており、真空脱泡チャンバーの調達に時間を要していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程半導体製造装置の顧客からリードタイム短縮を強く求められているが、真空脱泡チャンバーを外注しているため調達に時間がかかり、自社で納期を管理できない。
  • コスト・採算ウエハーの大型化に伴い装置が大型化し、必要な真空脱泡チャンバーも大型化するが、大型になるほど価格が高騰する。

やったこと

従来アクリル製が主流の真空脱泡チャンバーに対し、アクリルより安く、すでに他事業で多く使用しているため低コストで仕入れられる硬質塩化ビニール(塩ビ)でチャンバーを企画、設計、製作した。チャンバー内部の空気を遮断するため、蓋部分にアリ溝を設けゴムパッキンを入れる構成とし、アリ溝の精度を確保するために高精度のNCルーターを導入してアリ溝を加工した。第一次試作では販売中のアクリル製大型チャンバーと同サイズの塩ビ製チャンバーを設計し、真空度テストを行ったが、規定の真空度に達するまで10分以上を要し、材料使用量が想定以上に多く重量がかなり重くなった。さらに長方形形状は溶接箇所から破損するリスクがあった。第二次試作では円筒状仕様に設計を変更し、大型の前に小型で製作して検討した後、第三次として塩ビ製大型チャンバーの試作品を完成させた。

新しい製品・サービス:塩ビ製大型円形真空脱泡チャンバー

事業の効果

塩ビ製大型円形真空脱泡チャンバーの開発が完了した。今後は半導体用真空機器部品の新製品の受注に活用し、自社ブランド製品として販売する計画である。既成のアクリル製チャンバーより低コストであることをホームページ上で簡単に確認できる見積りシステムも検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決外注によるリードタイムと大型化による高価格という課題を明示し、内製化と自社ブランド化で解決する計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けアクリル製より安価な塩ビ素材を選び、低コスト見積もりの簡易システムや用途別カスタマイズで顧客に選ばれる理由を整理している。
  • 4
    事業化までの道筋第一次・第二次試作で重量や溶接破損、真空到達時間の課題を検証し、第三次試作で開発完了に至る経緯が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用地域の雇用創出や経済波及への言及はなく、国が補助する積極的理由は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    半導体製造装置の主力事業に関連し、真空脱泡チャンバーの外注を内製化する過去からの延長線上の取組として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外メーカーからのリードタイム短縮要求とウエハー大型化の外部環境を踏まえ、スピーカ製造で培った技術を活かす内容になっている。

  • 課題の認識と解決4

    外注によるリードタイムと大型化による高価格という課題を明示し、内製化と自社ブランド化で解決する計画になっている。

事業の実現可能性3.5
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    社内に55名の製造体制と既存の半導体機器製造・加工設備があり、試作を重ねて開発を完了させている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アクリル製より安価な塩ビ素材を選び、低コスト見積もりの簡易システムや用途別カスタマイズで顧客に選ばれる理由を整理している。

  • 事業化までの道筋4

    第一次・第二次試作で重量や溶接破損、真空到達時間の課題を検証し、第三次試作で開発完了に至る経緯が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    アクリル製が流通する中で大型の塩ビ製円形チャンバーを開発し、既存製品より低コストとする差別化を図っている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用創出や経済波及への言及はなく、国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    塩ビ製チャンバーの開発やホームページでの見積もりシステム検討はあるが、先端デジタル技術の活用は明確でない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    山形県の地域特性への言及は会社所在地程度で、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は薄い。

今後の展望

今後は大きさや使いやすさを追求して細部を改良し、半導体用真空機器部品の新製品受注と自社ブランドでの販売に向けて計画を進める。ユーザーの不便に応え、用途に応じてカスタマイズするなどメーカーとして確立することをめざす。

  • 目標:

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。