ものづくり補助金平成24年度香川県

高い均斉度を有する照明用反射板(セード)の試作

株式会社広立

成果照度(照射距離5m) 1倍→6倍

この事例のポイント

  • 反射板の均斉度を飛躍的に向上させる技術を確立し、LED対応の反射板を開発する必要があった。
  • 国内大手メーカー材3種(A材1.0mm、B材0.88mm、C材0.55mm、いずれも反射率90%)で切削加工を試したところ、3種すべてでバリやクラックが発生した。
  • 照度(照射距離5m) 1倍→6倍。反射板の形状により照射範囲をコントロールでき、均斉度を向上させられることが配光測定で確認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社広立
所在地香川県 三豊市
業種電気機械器具製造業
技術分野切削加工

事業の背景

同社はエコライティング、看板広告、土木建築の3事業を展開し、独自開発の反射板(セード)を事業の柱としている。従来のLED照明は配光特性が直線的で指向性が強く、反射板を組み合わせる余地がなかった。近年、配光が円形に近い広がりのある商品が開発され、自社の多段式多面体反射板を活かせる可能性が出てきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術反射板の均斉度を飛躍的に向上させる技術を確立し、LED対応の反射板を開発する必要があった。
  • 生産能力複雑形状の多品種少量生産を自社内で行える加工体制が不足していた。
  • 品質・精度反射板の切削材料の選定と加工条件が定まっておらず、国内材ではバリやクラックが発生し加工性に問題があった。

やったこと

国内大手メーカー材3種(A材1.0mm、B材0.88mm、C材0.55mm、いずれも反射率90%)で切削加工を試したところ、3種すべてでバリやクラックが発生した。次に海外メーカー材の鏡面(D材)、梨地(E材)、シボ面(F材)の3種(いずれも反射率90%)を検討し、すべて加工性が良好と判断された。導入したNCルーター加工機で海外メーカー材を使えば試作加工が可能であることを確認した。試作品はLED対応の配光特性が円形に近い照明器具に組み込み、徳島県工業技術センターの配光測定器で反射板の有無による配光曲線を比較した。

新しい製品・サービス:LED対応の多段式多面体反射板

事業の効果

  • 照度(照射距離5m) 1倍→6倍

反射板の形状により照射範囲をコントロールでき、均斉度を向上させられることが配光測定で確認された。全光束の変化は約3%にとどまり、照度の強弱も反射板の形状で調整できることが分かった。暗室での照度測定では反射板により5m地点で約6倍の照度が得られ、体育館など平均照度が必要な施設にも対応できる見通しが立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性配光特性が円形に近いLEDの登場で反射板を組み合わせる余地が生まれたと市場動向を捉え、特許出願済みの多段式多面体反射板の強みを活かす内容。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け小中学校体育館や公共スポーツ施設の照明改修、消防訓練施設など具体的な顧客ターゲットを挙げ、照度5m時約6倍の効果で選ばれる理由を示す。
  • 4
    新しさ・高付加価値照射距離5mで約6倍の照度、全光束の変化率約3%など数字で優位性を示し、従来の直線的配光から円形配光への高度化を図っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、照度や全光束の評価結果が示されるのみで、事業成果の数値目標が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    自社独自開発の反射板を軸に、以前から展開するエコライティング事業の延長として試作を位置付けており、事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    配光特性が円形に近いLEDの登場で反射板を組み合わせる余地が生まれたと市場動向を捉え、特許出願済みの多段式多面体反射板の強みを活かす内容。

  • 課題の認識と解決3

    国内材では加工不良が出たため海外材を採用するなど課題を特定し、LED対応の反射板開発につなげる計画として示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、照度や全光束の評価結果が示されるのみで、事業成果の数値目標が薄い。

  • 事業を進める体制3

    開発業務と日常業務を兼任する体制を前提に、人件費の割振りを中央会の助言で行うなど、補助事業の遂行体制を整えている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小中学校体育館や公共スポーツ施設の照明改修、消防訓練施設など具体的な顧客ターゲットを挙げ、照度5m時約6倍の効果で選ばれる理由を示す。

  • 事業化までの道筋3

    配光測定や暗室での照度測定など評価方法を明示し、複数個の照明の組み合わせで均斉度を高める課題解決の方向性を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    照射距離5mで約6倍の照度、全光束の変化率約3%など数字で優位性を示し、従来の直線的配光から円形配光への高度化を図っている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    公共施設の照明改修や新規建設の需要を挙げるが、経済波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    LED対応の反射板による配光制御という技術は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は触れられていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    香川県や徳島県の公共施設への展開を挙げるが、地域の雇用創出や経済成長を牽引する記載は弱い。

今後の展望

小中学校体育館の照明改修として香川県内の小学校を中心に展開し、徳島県内の公共スポーツ施設の照明改修工事、香川県内の消防訓練施設の新設照明工事にも展開する想定である。

  • 目標:全光束 16.03klm→15.5klm

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。