ものづくり補助金平成28年度製造業茨城県

生産設備連結による生産性の向上と小ロット対応による、新規マーケットの獲得と販売拡大計画

株式会社第一商会

成果生産性も2割の向上がみられた。

この事例のポイント

  • 印刷機と糊付け機の間を位置精度の高い連結給紙装置で結ぶことが急務だった。
  • 本補助事業で、印刷機と糊付け機を連結する「オートマチック・スタッカ連結コンベア」を導入した。
  • 生産性も2割の向上がみられた。連結機の導入により、印刷から糊付けまでが直線的に流れるようになり、不良品が格段に減って品質と精度が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社第一商会
所在地茨城県 水戸市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数16人
資本金2,000万円

事業の背景

取引先は県内を中心に、電気関係、食品関係、青果物関係、官公庁や通販など多岐にわたる。同業大手が不得意とする複雑な緩衝材の加工や手間のかかる形態の箱の製造が強みで、小ロットの受注にも積極的に対応している。近年、地場産業は縮小傾向にあり、価格競争や人手不足も加わり、生産性は低下している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力印刷機と糊付け機の間を位置精度の高い連結給紙装置で結ぶことが急務だった。
  • 品質・精度紙をそろえたり矯正したりするのに人の手が必要で、位置そろえによっては糊付け精度が悪く、品質と生産性が上がらなかった。
  • 人手・技能紙をそろえたり矯正したりするのに人の手が必要だった。
  • 品質・精度印刷面が逆に糊付けされることがまれにあった。
  • 集客・繁閑益々小口化する市場と、特殊な加工を求める市場ニーズに応えられていなかった。
  • 品質・精度小さいダンボールを糊付け機に通す際、オペレーターがローラーの横から手を入れており、安全性に問題があった。

やったこと

本補助事業で、印刷機と糊付け機を連結する「オートマチック・スタッカ連結コンベア」を導入した。この連結機は印刷から糊付けまでストレートに流れ、それぞれ単体でも使える。印刷機だけを使った後に、ダンボールを横に出して型抜きなど別工程へ移すこともできる。以前は印刷機から出てくるときに上から落として糊付け機に移動していたが、新しい連結機は水平に移動するので、印刷面が逆に糊付けされることがなくなった。また、オペレーターが真後ろから安全にダンボールを糊付け機に入れられるようになった。

加工機オートマチック・スタッカ連結コンベア

事業の効果

  • 生産性も2割の向上がみられた。
  • 売り上げ7%増を目指す。

連結機の導入により、印刷から糊付けまでが直線的に流れるようになり、不良品が格段に減って品質と精度が上がった。生産性は2割向上し、社内に余力が生まれて細かい注文にも対応できる体制が整った。オペレーターの安全性も高まり、製品の信頼性、精度、安全性の三つの目標を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    小ロット多品種対応の強みを活かし、連結機導入を新マーケット獲得の戦略に位置づけている。ただ過去の取組との連続性は明記がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット多品種や複雑な緩衝材加工を強みとし、小口化する市場と価格競争という外部環境を踏まえて設備導入を計画している。

  • 課題の認識と解決4

    小口化や特殊加工ニーズへの未対応を課題として挙げ、売り上げ7%増の目標を掲げている。ただし計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    売り上げ7%増の目標と、印刷から糊付けまでの生産性2割向上の実績が数値で示され、目標達成が確認できる。

  • 事業を進める体制3

    従業員16名の規模や社長の取り組み姿勢は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元取引先の小口受注ニーズに応える姿勢と、電気・食品・青果・官公庁など取引先の範囲が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    近い将来は糊付け機の入れ替えをメーカーと協議し改良を続けると述べるが、時期や方法の明確なスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    同業大手が不得意な複雑な緩衝材加工を強みとするが、高水準の高付加価値化や高価格化を図る記述は限定的である。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地場産業の縮小や地元取引先のニーズに触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    生産性2割向上や不良品の減少という効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    連結機による生産性と安全性の向上は示されるが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    印刷機と糊付け機の連結による生産性改善が中心で、成長分野への進出や日本経済の構造転換に関する記述はない。

  • 地域経済への波及3

    水戸市の地場産業として県内取引先の小口ニーズに応え、地域の事業継続を掲げている。雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

連結機の効果をさらに高めるため、糊付け機単体の入れ替えを検討しており、機械メーカーと話し合いながらより高い生産性を目指して改良していく。小口受注を強みにさらなるマーケットを開拓していきたいとしている。

事業者の声

「大きなロットの受注だけを主としない弊社の場合は、たとえ生産スピードが上がらなくても、小ロットで多品種作れた方が、戦略的にも重要なのです」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。